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ノートルダム寺院で火災

2019-04-16 18:48:22 | 欧州情勢複雑怪奇

ノートルダム寺院が火災にあった。まったく痛ましいこと。

塔が倒れるシーンはセンセーショナルで感情的にならざるを得ない。日本的にいえば天守閣が崩れていく、みたいな感じかもしれない。白虎隊ならずともなんらかの大きな感情が動く。

出火原因は改修工事中の作業にあったのではないかと言われている。

足場が組まれているのが見える。

 

そうかもしれないが、多分これは尾ひれがついていわゆる陰謀論みたいなのに使われるんだろうなとも思った。

筋としては、the Westは終わりだ、西洋の終わり、みたいな感じ。見よ、これが啓示だ、みたいな。で、それはクリスチャニティーを捨てたからだ、とか、イスラエルという約束の地を守らねば、なんとなればそれが神の御業だとかなんとか偽の奮起を誘って、無法化していくというシナリオができそう。困ったもの。

現状、クリスチャン・シオニストに担がれた米大統領が世界一強い国にいることの意味というか、余波というか、影響というのかを考えておかないとならないよなぁとか思う。宗教右派、エバンジェリスト、まぁ率直にいって中身はクリスチャン・シオニストというべき集団なわけだけど、これらに担がれた大統領はトランプが初めてではない(カーター、レーガンも相応にそう)。

しかしこんなに大っぴらだったことはかつてない。これはつまり、センセーショナルで無法で歴史無視、事実無視の主張と詐術が解禁となり、力を持っているということなわけで、大変な世の中だわ、など思う。

 

が、しかし、その一方で、だんだんいろんな歴史的経緯を含めて明るみに出てきて、10年前と比べたら大分見通しがきくようになったなとも思う。地道に活動されていた方たちのご努力のたまものだし、一気の解決、センセーショナルな解決を求めず地味に「なぜ」を説いてきた人たちの態度の結果でもあると思う。

米英を中心としたエバンジェリスト待望のイスラエルの利益にとって超前向きな大統領が登場しているわけだが、これが故に見えてきたこともまた多い。

裏側で火の手があがってる、みたいな。

 

というぐあいに、一枚の絵や一つのセンテンスが象徴やアレゴリーを呼び起こすことは避けられない。

いろんなものを都合よく使おうと思えばなんでも使えるともいう。自説に都合よく写真を並べたり、言葉を並べることはそう難しいことではない。

しかしそういうことを一切やめろといってもそれは無駄。それは生き物を止めろといっているのに等しい。人間以外の動物だって恐怖を呼び起こすものを認識すればそれに反応する。

ではどうしたらいいのか。結局、justiceはどこにあるのか、みたいな問題になるんじゃないですかね。ただ、それを一気に解決できるとか、いつか全面的、統括的、包括的に全員を納得させられる日が来る、みたいには思わない方がいい。

なぜなら、多分justiceは、通時性(歴史的あるいはレジティマシー)と平等性の交点みたいなところにあるんだろうな、と思えるから。

あるいは、現代政治的に翻案すれば、主権と国際法と考えてもいいかもしれない。

 

■ オマケ

ということで、火事とは直接関係ないんだけど、昨今の動きを見るに多少象徴的なことを考えたくなる。全体としてはアングロの2世紀の屋台骨は腐って崩れてます、みたいな感じがますます強まる。

これを呼んだのは、ロシアの復活と中国の考えてみるまでもない当然の発展、そして、イランの踏ん張りも見事だったなと思う。シオニズムに焦点を絞ってたのはイラン勢ですから。

で、そのへんを今後は多少細かく見て行きたいと思うけど、それは私にとっては大変楽しみだが、日本にとっては困った時代だわな、って感じ。

どうしてかというと、明治維新というのは要するにアングロの配下になりましたみたいなイベントなわけでしょ。だからここが崩れた場合、各国は自己修正を迫られるわけだけど、日本の場合は、江戸までとあまりにも違う、相当にドラスチックな変化を遂げているため、どれが自分でしょうと言われてだいたいあんな感じという復元ポイントが見いだせない。少なくとも難しい。

ロシアが国のとっかかりの頃のお話にネフスキーを持って来たのは、なかなかいいよなぁとか思っているわけだけど、日本にはそういう人はいないし、そういう作りで集団(いわゆる民族国家)が出来ているわけでもない。

私としては、東西で分けて考えた方がうまく行くだろうと半ば持論めいた考えを持っているけど、もちろん他のアイデアでもいいわけで、いずれにしてももっと日本列島で起きたことにちゃんとした興味(妄想ではなくて)を持つ人が増えることが望まれると思う。

 

■ 追記

完全に火が消し止められた後の上空写真。塔はダメだったけど、主要部分は主に天井を火が渡ったような恰好だったんでしょうね。19世紀に作った部分は損傷したけど、13世紀に作られた有名なローズステンドグラスは無事だったそうだ。

https://www.rt.com/news/456718-notre-dame-damage-aerial/

 


 


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2 コメント

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Unknown (一見居士)
2019-04-17 05:58:18
あちこちのブログなどを見ていると、ナチによる「国会議事堂放火自作自演事件(共産党に罪をなすりつけた)」を連想して、苦境に立つマクロンが黄色いベスト運動に罪をなすりつけるためにやった政権自作自演論と考察するところも少なくはないようですね。どれだけ信用がないんだ?>マクロン
返信する
どちらかというと (ブログ主)
2019-04-17 15:26:08
一見居士さん、

という説を流している方が怪しい、という見方も十分成り立つと思います。
返信する

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