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ボルカー:ペトロダラー→アフガン→ソ連崩壊→911→今ここ

2019-12-17 01:56:46 | 参考資料-昭和(後期)

中国とアメリカがまた何か騒いでいるようなのでそれとあわせて中国について書きたい気持ちはやまやまだが、その前にこっちを読んでしまったのでこっち。

先日、ポール・ボルカー元FRB議長が死んだ。

で、この男の死を巡って、おそらくインフレと対峙したのなんなのと称賛される記事が出るだろうが、そもそもペトロダラーという不安定な状態にした張本人がこいつだろう、とウィリアム・イングダールが書いていた。

The Bogus Legend of Paul Volcker. The Break with Gold

https://www.globalresearch.ca/bogus-legend-paul-volcker/5697728

 

米の英語記事の中にはもちろんこの線で、つまり、メインストリームのいう

ボルカー元FRB議長死去、金融規制改革に貢献したインフレ戦士

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-12-09/Q290CIDWRGG401

 

みたいな線でない線でいろいろ書いてる人がイングダール以外もいるだろうし、今後も続くでしょう。実際そうなんだから。

とか思っていたら、日本語の記事にこんなのまであった。

公僕ポール・ボルカー氏死去、憂いていた「金融界のモラル」

https://globe.asahi.com/article/12955805

 

いやだから、モラルを壊す方向に進めたのがこの男だろ、って話がこれから語られるべき話でしょう、ってことね。

 

これらの称賛記事のトリックは、米のインフレが高くなって大変なことになった時から話を始めることではありますまいか。

問題はどうしてそうなったのかというと、その前に、ドルと金のリンクを外す仕掛けにしたことが大きい。1971年8月15日に米ドル紙幣と金との兌換停止を宣言した。

ポール・ボルカーの日本語のwikiにもあるじゃんか。

1971年、ジョン・コナリー長官下の主席財務次官として、キャンプ・デービッドの合意案を起草し、ブレトンウッズ協定による固定為替相場制の廃止に貢献した。

 

ポール・ボルカーは、この体制を壊した時の中心人物。その上で、そこから、何にもリンクしてない、しかもその当時でも悠々たる黒字国家でもない米のドルを使えるものにするという「細工」が始まる。

それがつまり、ヨム・キプール、いわゆる第四次中東戦争であろう、というのがイングダールなどが昔っから唱えている説で、一応「陰謀論」と呼ばれてきたわけだけど、長年見てきたら結局のこの説が妥当性を持ったいうべきではないかと思う。

(イングダールの本は英語圏以外でもイランなどの中東圏、中国などでも熱心な読者がいる。スキームが説得的だからだと思う。)

そして、その結果としての第一次オイルショック。

ここからペトロダラー体制が確立していく。

それが故に、カータードクトリンを設置して、中東は絶対に手放せない→石油の流れをコントロールしないとだわ→巨大な石油屋のソ連を崩してカスピ海から湾岸を支配しないとだわ、

という流れでしょう。

 

で、ペトロダラーの安定スキームはアメリカ側、もっといえばロックフェラーのウォールストリートの野望。

(この時、金の価格をあげてブレトンウッズ体制をもう少しマシな具合に調整するという線を主張した人もいたが、それを退けて、ボルカー体制、つまりデビッド・ロックフェラー率いるウォールストリーが選んだ人たちのオーケストレーションが始まった、と考えられている。したがって、こういう選択をするべきではなかった、60年代までに古くなってたアメリカの製造業に投資して産業主義のアメリカを再構築すべきだったという人たちは今もこのへんの判断を呪ってる)

 

都合良くというかなんというか、欧州側にも野望はあった。年来の野望、地中海東岸を制覇してインドへの道を確保する、ってやつですね。オスマン末期からず~っと東方に拡大しているのは、繋いで全部支配したいという野望ですね。この代表者がアングロ&シオニストのUK。イスラエルというのは、この落とし子だと思う。むしろ中東戦争を通じてペトロダラー側と結託していったと考えるべきではなかろうか。それはまた別途。

さらに、下層に、バチカンの野望ってのもある。それがコンスタンチノープルにずっと生き続けていた、考えようによっては実にまったく正統な、つまりオーソドックスなキリスト教集団を葬り去って、俺こそ世界的存在だ(カトリック)としたい、と。これと、ドイツ騎士団の東方拡大はだいたい同期してると言っていいんじゃないかと思う。だから、バルト三国あたりが常に、常に「買われる」。

私がもっとも驚いたことは、自分が学校で習ったことはみんな間違いだということです。学校では、東方教会がローマから分離した反体制派だと教わりました。しかしそれはまったく逆なんです。分離していない教会(universal church)に異を唱えて出て行ったのは西方教会であって、東方教会はそのまま 残り、今でもオーソドックスなのです。(訳注:orthodox、正統な、ということ)

ヨーロッパ1000年のロシア恐怖症

 

で、これらの複合的な野望が重なって、カーター政権時代のアフガニスタンへの「ソ連侵攻」事件というのが発生して、そこからこっちが一続きでしょう。

ここで機能させるために作られたのが欧州+日本の三極委員会。ボルカーもブレジンスキーもこの委員会の重要人物。

 

だから、これが壊れている現在は、西側的にはもうたーいへん、なわけです。

最近起こったここらへんの出来事ってホント、大きいわけね。

サウジ国王プーチンに電話:投資もする、相談もしよう

NATOの迷走&アフガニスタン

 

前にも書いたけど、日本の報道や本なんかを見てると、中国が大きくなったから世の中変わる、みたいな視点でだけ騒いでいる感じがする。それも実際、とてつもないインパクトですよ。

あんなに人がいて、しかもソ連がやったことを踏襲して全員身分差なしに教育した。これが報われているのが現在でしょう。ロシアは現在を見るにまだその遺産が残っていたようで、ここからまた教育に力を入れればまだまだ発展可能性がある、と(反射的に、インドは人口は多いがカーストが終わらせられなかったことによる制約があると思う)。

だけど、一方の the West が、上で書いたようなペトロダラー主導スキームによって金融優先となって産業を痛めてしまい、さらにいえば、この嘘だらけのスキームを遂行するために、知識人、ジャーナリスト等を痛めつけているので、知的遺産も壊してる有様。ここもとっても重要です。

ちなみに、日本人の非常に多くは、the Westを勝手に「欧米」と呼んで、自分は預かりしならないと読んだりしてますが、日本は政治ブロックとしてthe Westで、それを誇りにしてんだから、等しく責めと被害を負うしかないです。同様に知の部分で苦闘することになると思う。

 

で、この紙ドルのスキームと日本の関係で最も目立つのは、中曽根。この人は、ボルカー体制がかましたペトロダラーへの移行というとてつもない博打に伴うリスクを支えるために、日本が稼いだドルをアメリカの支援に使って下支えするという構造にまんまとはまった、というより、積極的にお支えした人。

もちろん1人でやってるわけでなく、大蔵省もマスコミもみんなそっち路線にアクセル全開し、意図的な低金利のせいでバブルが生まれ、対応がわかんないままゴテゴテになって、ビッグバンが来て、円主導を考える時期なんかとっくに過ぎてて、ついに今になった、と。

 

その履歴を解き明かしていったのが、そこから10年以上経ってから出たこの本。

マネー敗戦 (文春新書)
吉川 元忠
文藝春秋

 

「長期金利 推移 日本」の画像検索結果

日米の金利差にひかれて対米債券投資が増え、プラザ合意があって為替差損が出て懲りたはずが、バブルの含み益があったためそれがバッファとなり対米債券投資が続いたと言われている。逆にいえば経済が過熱しているにもかかわらず日本国内金利を上げなかったため低金利状態が続きバブルとなりそれが持続したということ。

 

しかしじゃあ中曽根政権とエリートだけなのかというとそうじゃない。

この当時の大多数の日本人にとって、世界はアメリカを中心に千代に八千代に続く体制みたいに見えていたようだというのも本当だと思う。

そして、そこで「役に立った」のが、ソ連でしょう。あるべき天壌無窮のアメリカ体制にとってソ連は邪魔だ、と。ソ連を倒せ、ソ連は悪者だ、ソ連を倒すためには協力しないとならないのだ、というプロパガンダが利いた。

上の本の中にも、中曽根などはアメリカを、共にソ連と戦う「戦友」ぐらいのつもりでいたのだろうとあるけど、まさにそうでしょう。だからこそ、「不沈空母」となると言える。(所有する空母を全部沈められて敗戦した国で、よくそんなことを言ったものだ)

冷静に考えれば、ソ連が悪者だろうがわざわざ倒す必要はない。悪者で、そんなにダメなら勝手に倒れたはずでしょ? しかしそうでないからこそ、何かする必要があった。そういう話。

だがしかし、ソ連悪玉論は日本では殊の外受けていたんだろうと思う。だって、ソ連が悪玉でないのなら、片面講和して、続いてソ連を騙したも同然の恰好で国連に受け入れてもらった過去が問われちゃうから。

しかし、このへんが総じていえば日本の浅はかなところ。どうあれ、片面講和のツケが消えることはないと、どうして思えなかったんだろう? ソ連が倒れたってロシア人は残るんだから、その人たちがこっちの言い分を全部聞いてくれるはずだとどうして思えた?

ガラパゴスランドの知的敗戦 (2)

 

あと、エリート集団だけでなく、ビジネス界も一般人も、中曽根がサッチャーやレーガンと並んで、何か「仲間」みたいに扱われているというのも嬉しかったんだろうと思う。

折しも、日本の経済は世界一~、とかいうどう考えたって持ち上げられたに決まってるだろ、という話をうのみにさせられているところだし。

これら全部は、日本こそ頼りになる、頼りになると我々日本人は期待されているのだーと思わせる仕掛けだったって感じですね。今となれば。

要するに、「日本スゴイ」モードが来ると見境がなくなるのが日本人だ、とアメリカやら欧州の識者は見透かしているということではないのだろうか? 多分そう。

 

■ しかしダサい

考えるだにダサい話だよな、とか思うんだけど、これを主導していた、ある意味番組を作っていた時の主人公がこれまたダサい。

個人的に、子ども心に、3人ともカッコ良く見えないと思ってた私は自分をほめたい(笑)。なんでそう思ったんだろう・・・。でも今でも好きになれないし、いつ見ても、みんな無茶苦茶馬鹿そうやんけ、としか思えない。どうしてこれで番組が成り立つと思ったのか不明なほどだ。

「中曽根 サッチャー」の画像検索結果

 

しかし、にもかかわらず、リアルな友達のおばあさんが、中曽根さんは背が高くて、外国人と並んでも見劣りがしなくてホントいいですね、みたいなことを言ってたことを記憶してる。

先日中曽根が亡くなった際のツィートでもこんなことを書いている人がいたけど、こうやって、なんとなく、世界(アメリカ)と伍してる日本、英米と対等な日本みたいなムードを全国的に振りまいたってことなんでしょうね。

 

■ 今

で、当時との対比で考えるに、アベノミクスというのが、この間の偽のタカ派の裏側の本当の重要事項だったんですよね。前から書いてますが、アメリカにとってある程度の成果を得られるまでずっとこの調子で行ってほしい。その間アメリカは整数の利息が付く経済に戻したい、というのがこの「協調」の意図であろう、と。

2017年の日本の総選挙に対する米の経済紙の伝え方とかすごかったもん。

で、Bloombergのまとめでは、まず、アベノミクス継続でもっと緩和できる、トランプのパートナーとして北朝鮮のレジームに対する強硬路線が取れる、憲法改正、攻撃用兵器を備える、といった話を見込んでいる。

さらに、来年自民党総裁選があるからそれを通過すれば、安倍は2021年まで首相でいられるとまで書いている。

国内の投開票なんかどうでもいい、結果は同じだといわんばかり

 

だが安倍は不人気になってきやがるし、そもそも恥ずかしくてみておれん。

そこで、万一ダメなら今度はリベラルとかいう名前の集団でいくか。それがMMTかな、と思ってみてる。

結局リフレ派マンセーだった人たちが、お面を変えてMMT派になってますやん、だって。

 


 


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3 コメント

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Unknown (ローレライ)
2019-12-17 17:52:15
西側社会の要請で自国の暗黒大陸化したボルカー作のペトロダラー通貨体制作りした中曽根元首相!
ドル札と株券が紙くずになる日? (セコイアの娘)
2019-12-18 05:56:46
ドルと金のリンクも外れたが、株価も同様、実態とのリンクが外れてないか?
15年前、ダウ平均は約1万ドル、リーマンショックで8000ドル台まで下げ、今28000ドル超。過去10年で株価が3倍以上。
ちなみに、10年前の一世帯当たりの収入(Median Household Income)は59000ドル、2018年61000ドル。当然のことながら、3倍なんてなっちゃいない。
おかしい。リアル(企業価値、収益力、等)と連動してない株価。
だいたい、全世界株式時価総額の半分以上がアメリカに集中っておかしい。
リアルとリンクしていない貨幣も株も、いつか弾けるのではないだろうか。
ドル札と株券が紙くずになる日、とことん富をむさぼった上部0.1%は、この国を見捨てて、次なる地へ逃走するのではないかと思う。紙くずとなった札束と株をつかんだ庶民を残して。
今更何を・・・ (ブログ主)
2019-12-18 14:51:15
セコイアの娘さん、

いやそれはもう今更何を・・・だと思います。
それはそれで現実として、問題はここからどう規制していけるか、どう修正いけるのか、というのを2008年あたりからやらないとならなかったというだけの話。あれは現有システムが壊れたと考えるべき事態。

だけど、アメリカ国民は愚民多数なので、翻弄されっぱなしで、乾坤一擲の世界制覇(リビア、尖閣、シリア、ウクライナ)に乗り出して今ここ、ってところ。西側諸国はすべて同様にアホ。

それを後目に次の時代を考えて行動してたのが中露。

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