近鉄四日市駅の本線の高架下から、郊外へ走る短い支線がある。
内部駅は、国道1号線と、旧道との間に挟まれ、小ぢんまりとした、その「内部線」の終点。
この日、名古屋で行われる、「緑の列島ネットワーク 2005 フォーラム」に参加するため、内部駅近くの材木店に車をとめさせてもらい、私はそのホームに立っていた。
内部線は、専門的には「特殊狭軌」と呼ばれる、その名の通り線路幅が2尺5寸ほどしかない、「小さな鉄道」。いわゆる昔の「軽便鉄道」がそのまま残ったもので、日本国内にはもう数えるほどしかこの規格は残っていないそうだ。
駅のすぐ横にある病院に祖母が入院していて、母や、親戚に連れられ、時折乗ってやって来た記憶がよみがえってきた。
実に30年以上前のことだ。
![](/58000/u57196/1000/FI1837344_0E.jpg)
しばらくしてやってきた3両編成の電車。
私は真ん中の車両に乗り込んだ。
前後の2両は、やや新しいタイプの車両で、バスのような一人がけのシートが並んでいるが、この車両は、昔のままの、膝をつき合わすくらいの向かい合わせの長いシート。
もちろんエアコンもなくて、窓は開いている。
扇風機は天井で”まわり”、「愛地球博」の割引切符の案内の広告が風に揺らぐ。
間違いなく2005年にいるはずの自分は、列車が出発した瞬間、左側の窓から病院を見上げた。
祖母が一番端の病室で、「またおいで」と手を振っているのが見えたような気がした。
心地よい風を頬にうけながら、遠くコンビナートの煙突を、ビルの合間から見つめていた。
☆そして今度は、ある人との再会に「感動」するのである。
![](/58000/u57196/1000/FI1837344_1E.jpg)
内部駅は、国道1号線と、旧道との間に挟まれ、小ぢんまりとした、その「内部線」の終点。
この日、名古屋で行われる、「緑の列島ネットワーク 2005 フォーラム」に参加するため、内部駅近くの材木店に車をとめさせてもらい、私はそのホームに立っていた。
内部線は、専門的には「特殊狭軌」と呼ばれる、その名の通り線路幅が2尺5寸ほどしかない、「小さな鉄道」。いわゆる昔の「軽便鉄道」がそのまま残ったもので、日本国内にはもう数えるほどしかこの規格は残っていないそうだ。
駅のすぐ横にある病院に祖母が入院していて、母や、親戚に連れられ、時折乗ってやって来た記憶がよみがえってきた。
実に30年以上前のことだ。
![](/58000/u57196/1000/FI1837344_0E.jpg)
しばらくしてやってきた3両編成の電車。
私は真ん中の車両に乗り込んだ。
前後の2両は、やや新しいタイプの車両で、バスのような一人がけのシートが並んでいるが、この車両は、昔のままの、膝をつき合わすくらいの向かい合わせの長いシート。
もちろんエアコンもなくて、窓は開いている。
扇風機は天井で”まわり”、「愛地球博」の割引切符の案内の広告が風に揺らぐ。
間違いなく2005年にいるはずの自分は、列車が出発した瞬間、左側の窓から病院を見上げた。
祖母が一番端の病室で、「またおいで」と手を振っているのが見えたような気がした。
心地よい風を頬にうけながら、遠くコンビナートの煙突を、ビルの合間から見つめていた。
☆そして今度は、ある人との再会に「感動」するのである。
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