大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

秋風たなびき…

2005年09月10日 | 見聞録
大きな爪あとを各地に残し、台風は北の国へと去っていった。
幸いこの地方は、とくに大きな被害はなかった。
しかしながら、TV、新聞で報じられる、被災地のことを思うと胸が痛む。

さて、秋風たなびく、絶好の棟上日和となった。
現場は”珍しく”自宅から数百mのところ、親交の深い、T建築工房の新築現場だ。


大工にとっては、この「棟上」もまた、情報交換、技術交換…と同業者間でのコミュニケーションの機会でもある。
いくら威張ってみても一人で家は建てられない。
仲間は大事にしなければならないのだ。

この日も地元の大工仲間たちが8人集まった。
また、当然、道具の貸し借りも頻繁で、写真の「つかみ(通称)」はO氏の在籍する、WN建築H吉から借りてきたもの。棟上時にはいつも大活躍。

それにしても、大きな家だ。
結局、夕方までには2階の桁が納まっただけで、作業終了。
前日の疲れもあり、足はがくがく。
いつもよく落ちないものだと、自分で関心する。
いや、たまたまだろうか。



ところで、仲間のK内氏のトラックにこんなステッカーが貼ってあり、皆の話題になった。
どうも、これからは、この申請がないと、現場の廃、残材を持ち帰ることもできなくなるらしい。
全くお役所さんは何を考えてんだろうかと思う。何もかも、法で縛りつくし、詰まるところは、零細企業の経営を脅かすのが仕事のようだ。私はもし検問で止められたら、「これは、廃材でも残材でもありません。次の現場の『大事な材料』です!」と言い切るつもりだが、どんなもんかな?ここのところ本当に「古材」を使う機会が多いので、嘘にはなるまい。

結局私は、第二部の仕事が待つイベント屋のEさんへ向かう。
気のいい仲間が二人、ついてきてくれたおかげで、「茶室」の最終調整と、確認作業は順調に終わり、夜10時前には、帰路に付くことができた。
私は心のなかでつぶやいていた。
「いったい俺は何やってんだろう…」。



☆いよいよ翌日はY市にある、かまどのある旧家の補修作業。
O氏の現場が近いので、忘れ物を取りに立ち寄ると…。