大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

近くの海の藻で紙を巻く(?)

2007年05月31日 | 文化


いきなり仕事中にラーメンでも作ろう…、





というわけではなく、これは、海藻「ふのり」。
三重から、私が持ってきて、これをダシに、味噌汁を…、

ちがうちがう!


化粧柱の周りに紙を巻くのに、この「ふのり」を煮込んでトロトロにして、それを接着材として使う。

K氏の奥さんのお父さんが、手伝いに作業場にやってきてくれた。



ひと通り手順を説明して、「あとは臨機応変に、いいやり方を見つけてお願いします」と任せたら、「頑張ってやってみます」と手際よく、綺麗に巻いていってくれた。

「『ふのり』、最近見ないねえ」と製材所の人。
駿河湾でも採って使ってるのかな??
ま、伊勢からなら、近いもんだね。




因みに食べてもおいしい。
(本来この商品は食用ではないので、よい子は真似しないでね)

上棟式まであと3日





三重の地震の爪あと

2007年05月29日 | 見聞録
先日の三重の地震。
ひょっとすると、ココの被害が一番大きかったのかもしれないな。

直後に山にひび割れが発見されて、下の道路は通行止め。
その数日後に崩落した。

現在では、危ない部分、山をごっそり削り取る作業中だそうで…。

(三重県津市にて)



再び宙を舞う「合掌梁」

2007年05月28日 | 文化

2月、雪の舞う寒い日だった。
三重県松阪市で解体された、旧三渡(みわたり)中学校講堂。
(写真=解体時)



季節は巡って、今日、真夏並みの日差しの下で、M田氏の作業場の棟上。




解体の噂を聞きつけ、調査に屋根裏にのぼった2005年の秋から1年半。
一部ではあるけれど、あの、“町の文化財”は、一個人の大工の手によって、息をつないだのだ。




「いい家」ってなんだ?

2007年05月27日 | 屁理屈と愚痴

新聞の1面下三段広告に、あたかも「いい家」=「外断熱」なんだといわんばかりの書名があった。
実はこの本、ウチにもあって、内容も知っている。
(あえてタイトルは伏せておく)

(あらかじめくれぐれも誤解なきよう断っておくが、決して外断熱工法を非難したり、この本の著者や内容を中傷する目的でここに書いているわけではない。
外断熱がいいか悪いかを言っているのではなく、情報をどう取り入れるか?という話。
あくまで、個人的なたわごとなので、どうぞご理解いただきたい。
またご意見があればお気軽に書き込んでいただきたい。)


家の性能は、そこに住まう人の価値観で選べばよく、この本のタイトルも「外断熱の家がほしい」だったらなにもここで取り上げることもない。
ウチにもあると書いたが、なぜウチにあるかというと、4年ほど前、「風通りのよい、低気密の家」をテーマにすすめていた「Hさん邸」の新築工事の打ち合わせ中、Hさんの親戚のおじさんが、「大工さんに読んでもらえ!」とこの本を持ってきたから。


Hさんや私の価値観では、家というものはそこそこの隙間風があってもよく、土や木を使って、将来もし解体することになっても、土に戻しやすい材料を主に使っていく…。いわば家つくりも循環型社会の一部であり、寒ければ着ればいい、暑ければ窓を開ければいい、くらいの発想で打ち合わせが進んでいた最中のことだった。



このタイトルをみて「いい家」=「外断熱」なんだと思う人がいたとしたら、それは思いとどまって、内容をよく読んでよく考えてみることをお勧めする。
「外断熱の家がほしい」と思う方には、参考になる「いい本」だと思うが、このタイトルだけをみて、「いい家は外断熱だ!」と思い込み、口出しをされるのはちょいと困った。
もっとも、自分らも外断熱のことを勉強するいい機会ではあったのだけれど。


いろんな考えがあるから「みんなちがってみんないい」んだよ。
金子みすずじゃあないけれど。

本はあくまで、著者、編集者の意見をまとめたものであって、世の中の総論をまとめたものではないことをしっかり見極めないと、危険。
驚いたのはその親戚のおじさんは「外断熱」のことを大して理解していなかったこと。
これを素直に総論的に「いい家」だと思い込んでいた。
読んで理解するのはすべて自己責任なのだよ!
だからこの本に罪はないとも思う。

ただ因みに、私の建てる家が「いい家」とは到底恥ずかしくていえない。
それは、ほかの価値観の人から見たら「よくない家」かもしれないから、自分からはおこがましくてなかなかいえない…。