新聞の1面下三段広告に、あたかも「いい家」=「外断熱」なんだといわんばかりの書名があった。
実はこの本、ウチにもあって、内容も知っている。
(あえてタイトルは伏せておく)
(あらかじめくれぐれも誤解なきよう断っておくが、決して外断熱工法を非難したり、この本の著者や内容を中傷する目的でここに書いているわけではない。
外断熱がいいか悪いかを言っているのではなく、情報をどう取り入れるか?という話。
あくまで、個人的なたわごとなので、どうぞご理解いただきたい。
またご意見があればお気軽に書き込んでいただきたい。)家の性能は、そこに住まう人の価値観で選べばよく、この本のタイトルも「外断熱の家がほしい」だったらなにもここで取り上げることもない。
ウチにもあると書いたが、なぜウチにあるかというと、4年ほど前、「風通りのよい、低気密の家」をテーマにすすめていた「Hさん邸」の新築工事の打ち合わせ中、Hさんの親戚のおじさんが、「大工さんに読んでもらえ!」とこの本を持ってきたから。
Hさんや私の価値観では、家というものはそこそこの隙間風があってもよく、土や木を使って、将来もし解体することになっても、土に戻しやすい材料を主に使っていく…。いわば家つくりも循環型社会の一部であり、寒ければ着ればいい、暑ければ窓を開ければいい、くらいの発想で打ち合わせが進んでいた最中のことだった。
このタイトルをみて「いい家」=「外断熱」なんだと思う人がいたとしたら、それは思いとどまって、内容をよく読んでよく考えてみることをお勧めする。
「外断熱の家がほしい」と思う方には、参考になる「いい本」だと思うが、このタイトルだけをみて、「いい家は外断熱だ!」と思い込み、口出しをされるのはちょいと困った。
もっとも、自分らも外断熱のことを勉強するいい機会ではあったのだけれど。
いろんな考えがあるから「みんなちがってみんないい」んだよ。
金子みすずじゃあないけれど。
本はあくまで、著者、編集者の意見をまとめたものであって、世の中の総論をまとめたものではないことをしっかり見極めないと、危険。
驚いたのはその親戚のおじさんは「外断熱」のことを大して理解していなかったこと。
これを素直に総論的に「いい家」だと思い込んでいた。
読んで理解するのはすべて自己責任なのだよ!
だからこの本に罪はないとも思う。
ただ因みに、私の建てる家が「いい家」とは到底恥ずかしくていえない。
それは、ほかの価値観の人から見たら「よくない家」かもしれないから、自分からはおこがましくてなかなかいえない…。