大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

空中

2009年08月29日 | 見聞録
~「地に足の着かない仕事」

ことの始まりは昨年の春、鎌倉の帰りに立ち寄った茅ヶ崎の公園

で、先日急に連絡があって、半分、今後の打ち合わせくらいの気持ちで「行きます」と返事したのだが…。

なんだかんだで仲間のM田氏とN君とやってきた富山市ファミリーパーク。


仕事内容もさっぱりよくわからないまま到着した私たちは指を指されるままに、大きなケヤキの木を見上げた。
「あのあたり…高さ8メートルくらいのところに造ります…」。
早速説明してくれるお馴染のA氏。

「はあ…」。


間もなくツリーハウスクリエーターのK氏登場。
はじめまして、よろしく、の挨拶をしてとりあえず木の上で打ち合わせ、と。

建物を造るという同じキーワードでありながら、全く頭の中が白紙の私らも、なんとか教えてもらいながらハーネスを装着して8メートルほどの高さまで登り、図面もないままに構造体の打合せをする。

今回は、翌日のイベントのための「デッキ」をつくる、という内容。
とにかくやるしかないということで、K氏の指示のもと、地面におりて、さっき打ち合わせたとおりに梁を加工する。
加工は慣れたものなのであれよあれよと言う間に分業でこなし、他のスタッフたちも総出でロープを使って8メートルの高さまでロープであげる。


高さ8メートルというとだいたい2階建ての棟の高さよりも高い。
とはいえ、ハーネスで体を支えているので、恐怖感は全く無いのだが、足で踏ん張ることができないので、慣れない私らは、たった4寸×5寸の角材を抱いたままクルクルと廻ってしまったりも(笑)。

さすがは手馴れた彼ら。
なんとかお昼前には「取っ掛かり」となる2本の梁を、ケヤキの木に取り付けることに成功。
おみごと。

午後になって、根太となる3寸角の杉材を地面で長さに切り、木口を加工。
「(長さ)3500を2本~!…いや、3本だ~!」などと上からの指示に応えて同行のN君と次々材を作っていく。


この辺の「いわゆるB班仕事」は任せてくれって感じ(笑)。



で、日が暮れるまでにはなんとか予定まで完了。


めでたしめでたし。


夜は私らには一番似合わない「ビジネスホテル」をあてがってもらい、感動に浸る。
ううん、久々だなあ、こんなの。



翌朝はエレベーターで出勤。
(やっぱ似合わないな)
北陸新幹線の準備もあってか、線路の工事中の富山駅を見下ろして1階へ。



午前中は、ツリーハウスの模型工作のワークショップのお手伝い。



参加した子どもたちがデッキに登るのを見とどけて、


夕方には園を出発した。




園長ぉ~ありがとうございましたあ!

(富山県富山市にて)

閉館

2009年08月08日 | 見聞録
松阪の、とある「スーパー銭湯」の閉館に思う



午後から松阪市郊外の福祉施設の夏祭りのお手伝いということで、午前中の汗をとりあえず流しておこうと、昨年と同じようにこの銭湯に立ち寄った。

「あれ?」


8月31日で閉館…。

受付のおねえさんに「今後どこかの企業が引き継ぐとかも無いのですか?」と訊いても、「とくに聞いてません」とのことで、残念ながらホントに閉まってしまうみたいだ。

この銭湯に限らず、ある程度規模の大きな施設は、建物の老朽化が原因で維持していけないから廃業…というパターンが実に多い。
これらの施設はほとんどの場合、鉄筋コンクリート造、あるいは鉄骨造。
諸事情でこういう設計になってしまうのだろうが、どうにかならないもんか。
税法上の耐用年数ではなくて、実際何が長持ちするかという話になると、実は木造であったりもすると思う。
ちょいと話がそれたけど。

昔は町の片隅、いたるところに銭湯があった。
多くは木造で必要最小限の大きさで、夏、汗を流し、冬、温まるのには充分だった。
ほとんどの家に風呂が設置された今、各地で廃業の嵐が吹き、その数は激減した。
津市の「栄湯」、鈴鹿市の「松の湯」のことが記憶に新しい。
だけど、その後押しともなったもう1つの理由が、郊外のスーパー銭湯の開業。
町の小さな銭湯が300円~400円なのに対し、石鹸、シャンプー、など常備し、飲食施設を併設し大駐車場完備で500円強のスーパー銭湯は、確実に客を奪ったに違いない。

そして今、そのスーパー銭湯でさえ、経営難で廃業を迫られる。
背景には、天然温泉完備のさらに大きな入浴施設が近くにできたこともあるが、決定的なのは施設の維持管理ではないかと思う。

とかく、人は、大きな新しいものに飛びつこうとする習性があるようだ。
日本人は、循環型より、使い捨てを好むのだという話も聞いたことがある。
不景気だとか人はいうけれど、各地でどんどん新しい巨大施設が出来ていく現状。
(もちろん風呂に限らず)
この建物がまた耐用年数を過ぎるまでに、投資分を回収できなかった場合、廃業する羽目になる…。
それは、資本主義でものごとを考える場合だけど、もし別の視点で考えるとこうなる。

解体された「新建材の残骸」という、どうしようもないゴミが増える…。

そして、小さな地域で成り立っていた「暮らしのバランス」が、最終的に崩れてしまい、取り戻せなくなる。
短絡的な資本主義の考えが、町を廃墟にしてしまうことだってあるのだ。



風呂からあがり、軽バンに乗り込んだ。
窓全開にして・・・。

多くの業界のひとは、出張となるとビジネスホテルなんぞを利用するのだろうけれど、私らみたいな、「3K」と言われる者は、もっぱら空き家をあてがってもらったり、製材所の休憩所に泊まらせてもらったりする。
車の中で寝ることだってよくある話。
そんな人間が、仕事先の町で汗を流すのに、立派な施設はいらない。路地の裏にひっそりと佇む小さな銭湯で充分なんだ。

やりきれない思いで、福祉施設へ向かった。
とても大きな、ピカピカの「立派」な施設へ。

弁当

2009年08月05日 | 見聞録
以前、友人のライターらとこんな話をしてたことを思い出した。

「自然食材」なんかの取材をして締め切りに追われて、片手に「コンビニ」のおにぎりやら…。

うん、わかるわかる…と。


さて、先日の「よいとまけ」のことで某誌の取材に応じてて、写真師まっちゃん宅で校正の打ち合わせをすることになった。
あまり日がないので、なんとしても今日中にしとかないと…。

昼間の仕事終えて、まっちゃんに電話。
「適当に食べ物用意しとくよ」
「じゃ、こっちもそれなりに差し入れ持って行くよ」。



2人が取り出した「食べ物」は…。

じゃああん!


手前が私の差し入れ。
奥がまっちゃんの。
(買った店はもちろん違うのに、全部半額シール)

地域の伝統だとかなんとか言えたもんじゃないな、という情けなさよりも、あまりに頭脳回路が似ていることに半ば呆れもした、夏の宵であった。

梅干

2009年08月04日 | 見聞録
「梅雨明けしたとみられる」


晴れ間をぬって、製材所のオカミさん、梅を天日干し。



近くにいくとなんとも言えない香りが漂ってくる…。

夕方、差し入れに頂いた西瓜!

夏だなあ。