大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

おおみそか

2005年12月31日 | 見聞録
8月後半から、「Doblog」をつづり始めた。もう4ヶ月前なんだなあ、と振り返る。
考えてみれば1年なんてはやいもの。年々、しみじみそう思うようになってきた。

今年出会った人、お世話になった人に感謝しつつ、来たる2006年、鬼が笑おうが、いったいどんな年になるのか心配しだしたらきりがない。

自営業のつらさは「誰にも生活を保障してもらえない」ところだが、「保障」まではいかないが、皆さんに助けられ(物理的、精神的ともども)、今日一日を生きているのだと実感する。
決して過言ではない。

何気ない「一言」に助けられたり、別のひとの生き方をみて励まされたり…。
私の中では、「2005年」とひとくくりにするより、「2004~05年」って感じの2年だったかな?
実際、2年ほど前は、ある意味、「人間不信」に陥っていたかもしれない。

建築ブームとでも言おうか、昨今の「リフォーム特集」のテレビ番組や、「建築家」と呼ばれる人たちを讃えた新聞報道などを見ては、この裏で苦しんでいるだろう、名もなき職人の顔を思い浮かべ、憤慨していた。いや、おおかたは、マスコミに対する「諦め」であったのかもしれない。

ここ2年で、考え方が少し変わった。
マスコミといわれる世界で働く人たちの本音を聞く機会が多かったこの2年間、また、今年は自分自身も、とあるサイトの記事を書かせてもらったり、TV番組の企画に協力したりと、貴重な体験をさせて頂いた。

真正面をみて日々の取材に全力で挑む、そんな現場の人間たちは、私たち末端の「職人」となんら変わらない、「人」であって、それ未満でも、それを超えるものでもない。
「人」が「人」に関わることで、すべての「取引」が成立し、「建築」も「業」として成り立ち、「報道」も行われる。本来「人」がいて、世の中が構成されているのであって、むしろ複雑になりすぎた社会の仕組みが滑稽なのではないか。
なにも、そう目くじらを立てずに、もう少しおおらかに生きてみようと、最近思い始めた。
悲観的になってはいけない。視点を変えるだけで、なにか開けるものはあるはずだと思う。




今年心に刻んだことば

☆「回れ右ってすると、一番前」
N村さんのお施主さんから…当ブログへ書き込んでいただいた。
こんな単純なこと、なんで気がつかなかったのだろう。目からウロコもの。
生きるのが楽になった。


☆「…『あなたが大切だ』誰かがそう言ってくれたら、それだけで生きていける」
公共広告機構さんのCMより。
なぜかツボに入って、涙が出そうになった…。


☆「念ずれば叶う…」
とある友人が、別の友人への旅立ちの餞(はなむけ)に言った。
昔から言われている言葉だろうが、そのときの私には新鮮だった。「前向きに生きてみよう」って気になった。
そして逆に「念じなければ叶うことなんてない」ということにあらためて気づいた。


年の瀬だし、たまには真面目に、しめてみようと思った(笑)。

/大工風

PS…


当ブログに書き込み頂いたかた…
(順不同…ひょっとすると同一人物さんも???)

リンさん
Tsimsyatsuiさん
ニン!さん
くろくまさん
A藤さんさん
獅子さん
げんさん
Nりんさん
風邪鬼(風邪)さん
miyukiさん
こそこそ((((-  ̄ー ̄)-)さん
shinm@nさん
恋する乙女さん
reverie-pianoさん
さっこさん
ヒロポン(ひろぽん)さん
Daliaさん
かまど管理人さん
U原さん
カメラマン3号さん
はりまんさん
Jeniさん
mister kazXさん
のんちゃんさん
むっちゃんさん
aglio!さん

(もし抜けてるひとあったらごめんなさい!こっそり教えてね)

そしてあの「フラッシュ」を教えてくれた、
春夏秋冬さんとノビえもんさん。

あとBMしていただいている、
沢庵さん、pinpinさんも。

そのほかのみなさまも良いお年を!


仕事納めのエクスプレッソ

2005年12月30日 | J-ワークス
K保氏とJ氏の鑿(のみ)が届いていた。

雪のためか、遅れていたのでヤキモキしていたのだが、ようやく安堵のK保氏。
はるか新潟県から届いた鑿を自分で使いやすいよう調整するK保氏とJ氏。
カツラと呼ばれる叩く部分の指輪のようなワッカを一旦はずし、柄を削り、程よい深さにもう一度入れなおす作業だ。

その様子を見ていて、思わず私もその刃物やさんへ注文してしまった。
「叩き鑿」など、ちょうど欲しいものがあったので、次回のJ氏の「ツキ鑿」と一緒に送ってもらうことになった。




さていよいよ、J氏のところも仕事納め。随分追い込んだ。
これで新年、中旬の棟上は大丈夫だろう。

いよいよ自分も重い腰を上げて、自身の仕事にかからなければ…。




最後にJ氏のふるまってくれたエクスプレッソを頂く、K保氏、K端氏、と私。

とはいうものの、自営業大工の本当の仕事納めは、自分ちの倉庫、トラックなんかを片付けることなんで…。

ああやっぱり来月2日くらいが「仕事納め」だな。
んで、仕事はじめは4日くらい???

たまには人並みに正月休んでみたい(苦笑)。



苦のつく餅

2005年12月29日 | 文化
本来29日に餅つきなんて「苦」がつくとかで嫌がられるのだそうだ。
しかし、年末、そう都合よくはいかない。

というわけで、近所のTさん宅で恒例の餅つき。
「男手」は、私とTさんのみ!2人で交代で、ツキ番と、手返し番をする。
子どもが合計4人いたが、結局ほとんど2人でついた。

まあ、これで、正月の餅にありつけるわけで、ありがたい話ではある。




つき終って、昼食。当然つきたての餅。

菜(ほうれん草)、きな粉、大根おろし、あん。
またも、昨日に続く贅沢なひととき。

ごちそうさま!

で、午後はやっぱり、J氏のところへ、Y田邸の刻みの応援。
「仕事おさめ」って、いったいいつなんだろう。



食道楽

2005年12月28日 | J-ワークス
J家で今日食べたもの

Y田邸の刻みも追い込み!
なにかと、J家での食生活は豊かなのだ。



昼食
持参の弁当+J家の「鹿」の味噌汁


鹿の味噌汁がこんなにうまいとは知らなかった。
臭みがある…っていう先入観で、刺身以外ではあまり食べなかった「鹿肉」だが、味噌汁にすることでまったく生臭くなくなる。おかわりをしてしまった。

ごちそうさま!




ツマミ食い
アナゴの白焼き


J氏の親父さん(通称じっちゃん)が、焼いてくれた。
頭ごと食べた。帰りにお土産に持たせてくれた。
焼きたては、そのまま何もつけなくてもうまい。

ごちそうさま!




3時休憩
干し芋


久々に食べた。残念ながら1枚しか残っていなかった。
妙にうまい食べ物だとおもう。

ごちそうさま!




あらゆるもの…。
「素朴」がいいと、あらためて思った一日。
そう、食べ物に限らず…。





生きる

2005年12月27日 | J-ワークス
とりあえず「蔵」の工事は、自分の受け持ったところが終わり、次の街へ旅立つこととなった。
完成まで手伝えないのが残念。今年は本当にこんなのが多い。

年内は、J氏の手伝い。新築のY田邸の刻みだ。





ここで、意味不明の言葉に遭遇。

「生きる」

そう書かれた材木。
「深さ一寸」とか、「裏まで抜く」などと、補足説明を、材に書き入れることはよくあるが、こんな説明ははじめてだ。
「…」

「『生きる』ってどういうことや?」
一緒に仕事をしているK端氏も、首をかしげる。
「まあ、つらいことがあっても、くじけちゃだめだよ…」ってことだよな。
と、妙に納得して仕事を続けた。