大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

危機管理型大工

2005年09月30日 | J-ワークス
もし大震災がおこったら…。
大工はどうあるべきか?
常日頃考えることだが、T建築工房は、素晴らしい。

さりげなく、休憩時間の茶菓子に出てきたのは、「カンパン」。
なぜか、大量にあるのだ。

K上邸の材料の製材に、間借りしていた私たちは、はるか前に、賞味期限の切れた「カンパン」をほおばりながら、山の中腹にあるT建築工房の作業場で、一足先に「秋」を満喫していた。

私も以前、期限の切れた、アルファ米(乾燥米)を、大量にもらったことがあるのを思い出した。あの時は結構助かったなあ。

でもなにか違うような気もする…。




全天候型大工

2005年09月29日 | J-ワークス
雲ゆきが、怪しくなってきた。「職人殺すにゃ刃物はいらぬ…」といわれるくらい、天候に左右される仕事だが、こんな「建前」は初めてだった。
屋根の下でB氏が「掛合(かけや)」を振るう。輸入住宅であろうと、躯体を組むのは「日本式」だ。



さて、K上邸を早めに抜け出し、例の打ち合わせに、N村氏たちと落ち合う。
「フランス、プロバンス風」のヒントになる、とあるレストランを見学する。
いわゆる「なぐり仕上げ」の玄関の扉を見たN村氏。

「おお、波打ってるねえ」。




無国籍大工

2005年09月28日 | J-ワークス
「サツキとメイの家」から、無事家に帰りついたのは、明け方だった。
仮眠を2時間ほどとって、現場に向かう。
ここまで睡眠不足だと、なぜか起きていられる。

J氏が愛車の「ルノー・エクスプレス」に乗ってやってきた。
彼岸花咲き乱れる、小道から、B氏と一緒に現場に杉の間柱を運びいれる。
北米から輸入したK上邸の「改造工事」だ。

ようやく、既存の床面と壁面の、取り付けのための加工が終わり、一安心。
翌日、刻んだ材料の建て起こしをする段取りだ。

☆ おっと、夕方から、例のプロバンス風建築の打ち合わせだった…。



静かに時は流れて…(2)「おにぎり」と「もう一つの万博」

2005年09月27日 | かまど、五月工務店
続・「サツキとメイの家」編

最終日、最後のツアーは、全員出勤のスタッフによる花道を進んだ。
日が暮れるのは早く、最後の最後のお客さんが少し薄暗くなった管理棟の前を通過し、去っていく。
「ありがとうございました!」…そして拍手喝采に変わる。

やがてエリアから、一般のかたの姿は消え、いつものようにスタッフはテント、「バス停」などの撤収にかかる。
ひと通りの作業が終わると、最後の終礼が8畳の続き間で行なわれ、その後ひょうたん池の中島で小宴。水面は水草で埋め尽くされ、残念ながら「家」は映されない。

まだまだ、中央のエリアでは、人がごった返しているのだろう。
暗闇のなかを、ヘリコプターがひっきりなしに行き交う。

島の上では、いたる所で記念写真大会。そしてスライドの上映会、スタッフ一人ひとりの挨拶、
秋の夜風は心地よく、やがて上着がほしくなってきた。どんどん夜はふけていく…。

ここへ来場したお客さんは半世紀前へタイムスリップし、私たちは家を見上げながら、工事中の1年前へタイムスリップしていた。

頂いた「おにぎり」に、「そういえば、いつも『おにぎり』だったなあ」と…。棟上の前夜、Ku氏がほおばっていた「おにぎり」、内覧会のKi氏の「おにぎり」、竈(かまど)の家でマナカナちゃんが握ってくれた「おにぎり」…。日本の食文化の要(かなめ)。そして「あの時代」も、もちろん…。







管理棟では、2台のパソコンのキーボードの音。
Å藤さんたちは、ふと手を止め、「万博終演」のアナウンスを、聞いていた。


時折、外で、スタッフたちの「笑い声」「拍手」が沸き起こる。
スピーカから、「リニモ」の最終時刻の案内などが流れる中、運営ディレクターの最後の仕事は、草屋根の下で静かに続いていた。

「お疲れ様でした…」「ありがとうございました…」と帰りはじめるスタッフたち。
もうこのメンバーで集まることなんてないのかなと…。
来年また、「家」は再び陽の目を見るのだろうが、スタッフみんなのそれぞれの思いが交錯するこの日、このときに、同席させていただいたこと感謝。「1年半以上」に及んだ、私たちの「もう一つの愛知万博」は終わった。

みなさん本当にお疲れ様でした!




警備のかたが人影もほとんどなくなった通路に向かい、最後まで目を光らせていた。
彼らもまた、さらにもう一つの「愛知万博」を感じながら、我々を見守ってくれてたのに違いない。(こちらも、お疲れ様でした…)
(9/25)





☆ 自分もすっかり帰りが遅くなってしまった…。K上邸が待っている…。朝までに帰り着かないと…。



J-Works アール

2005年09月26日 | J-ワークス
K上邸の構造材が刻みあがった。
J氏のこだわりが一つあって、柱といい、梁といい、角(かど)を丸く面取りするのが、ここの標準スタイルだ。
一緒に仕事をしている、B氏が、トリマという機械で、角を丸めていく。
この面取りを、我々は「J-Works R(ジェイワークスアール)」と呼んでいる。「J-Works」とは、彼の屋号。
最初にこれを見たときに、私は驚いたが、最近では、体もなれて、目もなれて、普通に刻めるようになってきた。実は、この「アール」は、とても奥が深く、充分に研究価値がある。初期のころから比べると、かなりバージョンアップした。詳しくはまたあらためて示すこととする。
(9/24)

☆ 愛知では、185日間のお祭りが終わった。