大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

田曽

2009年07月29日 | 記憶
今から20年近く前…。
大工職に就く前に、実に短期間だったが、とある仕事で志摩地方に通っていた。

コンビニエンスストアも少なかった。
携帯電話もなかった。
そんな時代…。


で、時は流れて2009年、いつまで続くかわからない梅雨にうんざりの毎日。
ひょんなことから、志摩地方へ出向くことになった。
愛知の設計士N氏が、志摩市に建築予定の現場の下見に行くのに、同行させてもらう話だ。
別に、自分が施工させてもらう予定もないのだが、いろいろ諸事情でそうなった。

その、志摩の現場の施主さんは和歌山県在住のかた。
津市内で待ち合わせた私たちは、まず、すぐ近くの8年前にN氏の設計した市内のAさん家を訪問した。

今でこそ、「木の家」というものが見直されつつあるけれど、このころはまだまだ「木の家」=「ログハウス」ってのがもっぱらのイメージだったのではないかな?

自分らも、まだまだ、外壁は「防火サイディング」なんかを張ってて、それでもそのころから、廃棄物とかのことで疑問を持ち始めて試行錯誤始めたのではなかったかな?
しかしそのころすでに、かなり完成度の高い「木と土の家」を造っていたN氏は、かなりサキガケ的だったのだろう。



お茶とお菓子を頂いて、いよいよ志摩へ出発。
高速道路が出来たので、速い速い!



志摩市阿児町の現場を確認したあとは、南伊勢町で大工をやってるN井さんを訪ねる。

そういや合併して「南伊勢町」になってからは初めてかもしれないな…この町。

N井さんの現場を見学し、いろいろお話。
すっかり仕事の邪魔をしてしまいました。
N井さんすみませんでした~。

そして、今回のツアー最後は、南伊勢町の南東端にある漁村、宿田曽地区で漁師をしているHさんの小屋。
「宿浦」、「田曽浦」という二つの隣り合わせた集落をあわせて「宿田曽」と呼ぶ。


神津佐(こんさ)、下津浦、木谷(きだに)…などと、懐かしい地名を見ながら、260号線を南下。
見えてきた、宿田曽(しゅくたそ)。

Hさんの小屋は、セルフビルド。
プレハブ小屋を3つ継ぎ足して、内装をしたもの。

もちろん構造計算上は成り立ってないだろうけど、そんなこと誰も気にしない。
愛知に自宅を持ちながら、この地に漁師として第2の人生を送るHさんを見て、なにかこみ上げるものを感じた。


「これ、タコの網…。ここからタコが入って出てこれんようになってて…。で、ここが蓋でここから餌をいれるんや…」。

もう風格は完全に地元人。


260号線のバイパスが出来て(一部だけど)多少「五ヶ所」へ行くのも近くなったけれど、昔は陸の孤島で、むしろ湾内を舟で向かったほうが早いような地域。
N氏もしきりに「気候風土が違う」という。
私も昔、陸路困難そうな場所へ行くため、地元の人に道のりを尋ねたら、「乗ってけ~」と舟を出してくれたこともあった。
それか、潮の干いたときに海岸を歩くか…。
そういや、潮の満ち干き、ちゃんとチェックしてたなあ、などと記憶を蘇らせる。



さて、自分は、20年近くぶりに田曽の漁港に立ち、変わらないもの、変わってしまったものを、いろいろ目や肌で感じ、格別の思いで対岸に傾く夕日を雲の間に見送っていた。


近いところなんだよな。
また、遊びにこようっと。

エコ

2009年07月25日 | 不思議


やたら氾濫していて意味不明な言葉。

「エコ」。


なんでもかんでも「エコ」をつければいいとでも思っているのだろうか。
選挙のポスターにまで「エコなんとか」と書いてある。

で、「エコ」っていったい何なんか?確認のためにいろいろ調べてみた。


(↓ここから引用)
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エコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: ナビゲーション, 検索

エコ(Eco/Eko)

* エコロジー(Ecology)の略。「環境」や、環境に関わる事象のこと。正確には「生態学」を指す。
* エコノミー(Economy)の略。「経済」のこと。
* 「エコロジー」と「エコノミー」の両方の意味を兼ねることもある。
* 日本のイラストレーターえこ。美少女ゲームの原画などを描いている。
* 『コレクター・ユイ』に登場する人工知能エコ。「コレクター・ユイ#コレクターズ」を参照。
* 『090えこといっしょ。』に登場する携帯電話えこ。「090えこといっしょ。#主な登場人物」を参照。
* 『ジャック×ダクスター』シリーズに登場する自然界のエネルギー物質エコ。「ジャック×ダクスター#エコ」を参照。
* 『無線センサネットワーク』のノードであるeKo。「センサネットワーク」を参照。
* エコ (通貨) - 西アフリカで計画されている通貨。
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(↑ここまで引用)


あ、そうか、自分が悪かった。
エコマネーってのは、西アフリカの通貨のことだったのか。
ほかには…っと…、





「コレクター・ユイ」の人工知能…?

やっぱ、訳わからん。

「エコバッグ」って何なん?
普通の買い物袋と何が違うのん?
「エコカー」って何なん?
自転車のこととは違うみたい、なんかハイブリッド車のことを指すことが多いみたいだけど、そこで言う「エコ」っていったい何なん?
「Pリウス」なんか結構環境負荷高いし、「環境配慮」って意味ではないよな…。
やっぱ「エコノミカル」って意味かな?補助金もらえるし。

なんかわからんけど、「エコ」ってつけたら世の中ウケが良いようで。
なら、日記をこんなかんじで。

僕のエコな1日

今日、エコ大工の僕は、エコ契約をするために、エコ図面を描いていた。
そういえば、エコ板金屋のMさんから、エコ見積りが届いていたので、先日エコ下書きをしたエコ見積書と照らし合わせていろいろ検討。
今回のエコ物件は、やはり予算を抑えたいとの施主さんからのエコ意向なので、余分なものは極力排除していくエコ方針だ。
夕方、エコ写真師のM原氏とエコ打ち合わせのために出かける予定をしていたので、エコパソコンの電源を落とした。
なんでも、彼のエコ家の近くで、エコ花火大会があるので、ついでにエコ鑑賞しようという運びなので、花火好きの僕としてはちょいとウキウキ。
エコ軽バンで、彼のエコ家に着くとまさにエコ花火の真っ最中。
エコ携帯端末で確認すると、どうもエコM原氏は、会場に居るらしいので、自分も彼のエコ家からエコ徒歩でエコ会場に向かう。
なんとか彼らとエコ合流でき、夏のエコ風物詩をエコ満喫というほどではなかったが、やっぱ、エコ花火はいいねえ。

で、そのあと本題のエコ打ち合わせ。

あ、エコビールを飲んでしまった…。

で、結局、最終結論出る前に、エコ宿泊。

だめだこりゃ。

でもエコだらけでいい日記だ。


証明

2009年07月19日 | 屁理屈と愚痴

等差数列があって、その第n項までの和をSn、m項までの和をSmとするとき、m≠nであるとするとき、Sm=SnならばS(m+n)=0になるのだという。
で、これを証明しなさいというのだ。

いきなり、こんな問題突きつけられても…。

訳わからんと言う方のために少々解説。
要は、例えば、5から始まる1づつ減っていく数字の並びで、
(5,4,3,2,1,0,-1,-2,-3,-4…)
ってのがあったとして、第3項までの合計が、
5+4+3=12
合計が、「12」になるのはこのほかに…
5+4+3+2+1+0-1-2=12だから、第8項目までもあるな。

じゃあ、第(3+8)項、つまり第11項までの合計は必ず「0」になるのさ、この理屈わかる?
ってことだ。

アナログ人間の私としては、紙にその数字を書いてみる。
5+4+3+2+1+0-1-2-3-4-5

他も、いろいろ書いてみてしばらく眺めると見えてくる。


んで、結論。

「あたりまえじゃん!」


ちなみに、他の数列で試算してもそうなるのだけど、あくまで正の数からはじまれば値は減っていき、負の数から始まると値が増えていくようになっていないと成立しない。
ある意味数学的には小数も可能だが、項の番号は整数が原則であって、普通に考えると、途中で数列の値が“「0」を経由する”場合のみに成り立つはずだと理解できる。


ただ、問題の主旨からすると、これを数学的に証明しないといけないのだというのだから、私にはお手上げ、となって、適当に検索してたら、こんなページが見つかって(ほとんど一緒の問題じゃん)、なんとかなるにはなったのだが。
(あなどれないな、インターネット)


長い前置きはさておき、ここでふと思ったのだ。

「あたりまえじゃん」

そう感覚的に理解するのではなくて、数学的に証明しないとダメという話。


どこかで最近聞いた話とそっくりだ。

嗚呼、建築基準法のゆくゑは如何に…。

歩み寄りたくっても、簡単に歩み寄れない職人と学者。


伝統構法の家が建てにくくなっている現状、第n回目の会議までの成果をSn、第m回目の会議までの成果の和をSmとすると、m≠nのときSm=Snならば職人(気力+資金)=0になるってことなら証明できそうだ。
どうか、数列の値が増えていってくれることを祈るばかり。

餃子

2009年07月12日 | 見聞録

浜松は、全国屈指の餃子の町なんだそうだ。

天竜(現、浜松市天竜区)の作業場では、沼津の大工、“あのK山氏”が、神奈川県に来月棟上予定の物件の刻みに追われていた。



もちろん自分らも、そのお手伝い。
ウチのルーキー、Nも、昨夜直接三重から到着し、合流。
平日は抜けにくいので土日限定での出張としたわけだ。

天竜のこの界隈は、製材業務をやめた製材所が何軒かあって、その一軒を間借りしての刻み。
毎度、所変われど、よく似た景色。
だんだん自分が何処で仕事してるかわからなくなりもする(笑)。

お昼は、施主でもあり、親方でもある、神奈川県のR社のM浦氏が、近くの飯屋さんに連れて行ってくれた。

餃子定食



「新小島」浜松市天竜区山東
(なんか、旨かったので、お店のオカミさんに了解もらってUPします)


さて、2日間の天竜の生活は、遠鉄ストアのレジのおねえさんと、近くの温泉「あらたまの湯」の売店の浴衣のおねえさんの笑顔に癒されつつ終了した。
最後に浜北区のラーメン店で、やはり餃子をK山氏におごってもらい、Nの軽乗用車で東名高速で帰路についたのだった。

ラーメン+餃子+ライス



「美濃口園」浜松市浜北区小林
(こちらも旨かったので、お店のおにいさんに了解もらってUPします)

☆もっとも、浜松餃子はモヤシがついてくるのが正統派だそうで、今回は天竜と浜北の餃子ってことで。
「本家(?)浜松餃子」はまた次回のお楽しみだ。