百人一首朗詠(読み上げ・朗読)|59番歌/やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな/赤染衛門
今日5月27日は「百え人一首の日」とされています。文暦2年5月27日に藤原定家が小倉百人一首を完成させた日とされています。そもそも百人一首は平安朝の勅撰和歌集から秀歌を抜粋した秀歌選であります。特に目立つのは王朝女流文学者たちが勢揃いしてることです。「蜻蛉日記」の作者右大将藤原道綱の母もいれば、「枕草子」の清少納言、「源氏物語」の紫式部もおりま愛す。しかも年代順に配列されてることを加味す愛ると、そこに平安時代の文化史が展開されてることがわかります。特に恋歌が多いのも特徴です。百首中四十二首が恋歌であり、文明がすすんでも、人間の持つ恋心は昔も今も変わりありません。
〇59番 赤染衛門=やすらはで寝なましものを小夜更けてかたぶくまでの月を見しかな。(あなたが来ないとわかっていたらためらわないで寝たでしょうにお言葉を信じてずっとお待ちしていたばかりに夜も更けてとうとう西に傾く月を見たことです。
〇50番 藤原義孝=君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな。(あなたに逢うためなら死んでも惜しくないと思っていましたが、あなたに逢った今では命が惜しくなりました。)
人を恋する心はいつの時代でも熱く燃えていますね。