茶陶遊人の部屋

日々の日記と、お茶と地元の歴史等を発信していきます。最近はk-popにはまっている韓国好遊人です。

暮らしの中に生きる家紋

2008年10月09日 | Weblog
昨日のお話です。私の仕事上(呉服や)、お客様の家の家紋については知ってるつもりでしたが、大変珍しい家紋に遭遇しました。「きもの」の場合、正装のきものにはその家の家紋を付けるのがしきたりになつていますが、
「お宅の家紋は何ですか」と聞きますが「さぁ、そう云えばあったような気がするが、何だったかな」と応じるお客さんが殆どです。思えばほとんどのお客さまが田舎を離れ、都会で生活をしてる現状ではやむをえません。そこで私は田舎の実家に問い合わせてみてください、と云うのですが「面倒だから奇麗な紋章にしてくださいね」なんていとも簡単に言われると、こちらもちょっと困る場合が多いのです。
今度の場合もそうなんですが、念の為に田舎に問い合わせてもらい、FAXで送られてきた家紋を観てこれは珍しい紋だなーと思い「江戸紋章集」を開いてみましたら確かにありました。「五徳の丸」なる名称でした。
「五徳」とは火鉢の上にヤカンや釜をのせる三脚の鉄輪を言いますが、「五徳」とは儒教の教えに「温」「良」「恭」「倹」「譲」の五つの徳があると言い、
また、兵家では、「知」「信」「仁」「勇」「厳」に通じることから、家紋になったようです。このような経緯を説明しましたらお客さまも納得されたようですが、
最初は格好が悪いから奇麗な紋にしてください=このように言われるお客様が多いのには、驚きです。家紋は、いわばその家のマークであります。それも先祖代々その家のシンボルとして引き継がれてきています。特に日本の家紋は千年の歴史を持ち、日本人の先祖のなんと素晴らしいデザインによるもので花や植物をテーマにしたものが多いですが、情感にあふれたこれらの紋章は世界に誇れる文化です。
こんな我が家のマークがあるということをもう一度見直してみてはいかがですけ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする