CURRY_SAMBA

カレーにまつわるエトセトラ。

【番外編】セザンヌの青年時代

2008年11月26日 | 南仏プロヴァンスの旅'08
ポール・セザンヌは、1839年に南プロヴァンスのブルジョワの家に生まれた。
作家のエミール・ゾラとは同級生で、彼の小説「制作」に出てくるクロード・ランティエは
セザンヌがモデルと言われている。

10代後半には「画家になりたい」という夢を抱きながらも父親の希望で法学を学ぶ。
それでもあきらめきれず、22歳のときやっと画家を目指すためにパリへ上京。

パリに出て数年は、なかなか芽がでず、エクス・アン・プロヴァンスとの往復を繰り返す。
裕福で働く必要がなかったセザンヌは、父親がエクス郊外に買った家にこもり、
自然をテーマにした数かずの作品を描いた。

その家が今でも残っている。
「Jas du Buffan(ジャス・ド・ブッファン)」と呼ばれるその家を訪ねた。


ここがセザンヌが青年時代を過ごした家


「へ~、やっぱり豪邸だね」

「………(感動で声も出ない)」




家の裏手に、公園のような広大な庭がある










この庭は、ガイドさんによるツアーでのみ見学できる
ガイドは英語だったけれど、おちゃめなおばさんの分かりやすい英語で
セザンヌの人生や人柄がよく分かった。



日本とはちょっと違うマロン発見!




いろんな植物があって観察するのもおもしろい


「しまった!カメラの充電が切れちゃった。」
というわけで、カメラをしまって絵で記録することにした。
おまけ*トダチーニョ植物メモ



「あれ、旦那がいない」

と思ったら、庭をすみずみまで歩いてきたらしい。

「セザンヌも歩いてたんだね、きっと」

「(こんなにイキイキしているの、初めて見たかも…)」



さて。

地元エクスに戻ってから「ジャス・ド・ブッファン」で描いた数々の作品は、
その後の作風を大きく変えていく。

セザンヌは、パリでモネやピサロなどの印象派とも交流があったけれど、
早くに印象派の手法から脱し、今までにないもののとらえかたと、おおらかなタッチで
マティス、ピカソ、モディリアーニなどのフォービズム、キュビズムに影響を与えたと言われている。

ちょうどいま、横浜美術館でその影響を物語る展覧会
セザンヌ主義ー父と呼ばれる画家への礼賛ー
が行われている。

2009年1月25日までやっているみたいなので、興味のある方はぜひ!


(写真/ジャス・ド・ブッファン入り口/エクス・アン・プロヴァンス)