CURRY_SAMBA

カレーにまつわるエトセトラ。

世界遺産アーグラー城

2011年03月19日 | 北インドカレーの旅'10
このインド旅行で体験したのと(バラナシ駅でのハプニング
同じくらい、生きたここちがしなかった。


              



3月11日に起きた東北関東大震災。

その時間は、いつもどおり職場で取引先の営業さんと電話をしていた。

「あれ?ちょっと揺れてません?」(震度1)
「あー、揺れてますねえ」(震度2)
「なんか、けっこう揺れてますよね」(震度3)
「電話しながら地震の話題ってタイムリーですね」(震度4)
「ちょ、ちょ、なんかすごいので、一回切りますね!」(震度5)

まわりの同僚もそれぞれ電話していたが、いよいよヤバイと感じて
みんな一旦電話を切った。直後、立っていられないくらいの大きな大きな揺れ。

「無理ー!!!!」

生まれて初めて、本気で机の下に避難。
この時は本当に死ぬかと思った。

しかし、震源は東京よりもはるか北で、大津波に襲われて…ということを
ニュースで知った。

その日は都内の電車もストップし、帰宅できない人は会社に泊まるか歩いて帰るか
どちらかの選択。すぐにコンビニには夕食を買い求める人が列をなした。
私は幸い自宅まで40分ほどの距離なので、頃合いを見計らって
大勢の人波にのって歩いて帰った。
iPodで聴いていたラジオでは「暗くなったので、女性は一人で歩かないように」と
注意がされて、なかなか家族との電話もつながらず、不安な帰り道だった。

昨日で、地震から1週間がたち、食料や日用品などの物資も
いよいよ避難所に届き始めているようだ。
けれど、毎日のように死者・行方不明者の数が報じられ、
福島原発の動向に神経を使い、電車が動くかどうか気にしながらの生活。
避難所では病気になる人も増えているという。

同じ時間、東京で震度5を体験しているだけに人ごとには感じられず
できることはやっていきたいと思う。
ただ、ボランティアの受け入れ、物資の受け入れはとてもいま
混乱しているもよう。
現実的には、義援金と節電が地味だけど一番の方法のようだ。

被災地の一日も早い復興を、心より祈っています。

              


さて、インド日記にもどって「アーグラー」。

ホテルで一休みしてまず向かったのは、有名な「タージマハル」ではなく
「アーグラー城」のほう。
理由は単純で、電車が到着した駅のすぐ隣にアーグラー城があったから。
(というより、アーグラー城の隣に、後で駅ができたのだろう)



アーグラー城の入り口



門をくぐって中に入る。
入場料は250Rs(=約500円)。



中にはきれいな花がいっぱい咲いていた。



花火みたい。



広い庭園のような敷地に、宮殿や建物が点在している。
これは「ディワーネ・アーム」という接見のための宮殿。



反対側からのぞいたところ。
「世界ふしぎ発見!」ごっこができそう。



接見の間の内側からみたところ。
「世界ふしぎ発見!」エンディングっぽい。



「ムサンマン・ブルジュ」という塔。
そして遥か遠くに見えるのは…タージマハルだ!



塔の中。タージを眺める親子。絵になるなあ。



少しクローズアップしてみたものの、タージの大きさが全然想像できなくて
この場所との距離感がつかめない。
ちなみに、タージマハルを造った「シャー・ジャハーン」(ムガル帝国5代皇帝)は
息子によってこの塔の中に幽閉され、自分の造ったタージをここから眺めていたという。


「タージマハル…いよいよ見えてきたね」
「おれは観光地は興味ないけどね」
「ここまできて、タージマハル見ないで帰る気
「そういうわけじゃないけど…」

そして、アーグラー城からタージマハルという超定番のコースは
もちろんリクシャーの総攻撃に遭い、
「オレが」
「いや、オレが」
「むしろオレが」
とけんかになるのを横目に、たまたま通りかかった少年リクシャーに乗り込んだ。

次回はついに、タージマハルを訪れます!

(写真/アーグラー城の塔からタージマハルをのぞむ/アーグラー)



アーグラーへ

2011年03月08日 | 北インドカレーの旅'10
命からがら乗り込んだ寝台列車で、一路アーグラーへ。

今回は、4人部屋の2段ベッドの上下ではなく、
通路側の1段ベッド(ベンチのような)が一席だった。
カーテンをひいてしまえば「一人部屋」になるので、なかなか快適。
夜がふけるまでは2人で座って過ごすことにした。

「いやー、乗れてよかった」
「何とかなるもんだねー」

「@$&+?*@?」

「あ、夕食の注文が来た!」
「今度こそ、食べるぞー」

で、来たのはこんなお弁当


上がダル(豆)のカレー。さっきバラナシ駅で食べたカレーに良く似ているが
クミンの酸味がすっごく際立っていておいしい。
右下は白いライスとサブジ(野菜のカレー煮)。
これまたじゃがいもがホクホクでかなりいい味。
さらに左下はビニールに入ったチャパティが2枚。
ダルをチャパティですくって食べたら非常にいいあんばいだった。

「車内のお弁当、最高!」
「お店のよりも安いしね」

慌てていてメモを忘れてしまったけど、多分50Rs(=約100円)程度。
これが日本で食べられたら、どんなに…。

               

いつ着くかわからない不安で、浅い眠りを繰り返しながらも10時間。

もうろうと時計を確認すると、朝5時半。

「一応、到着予定は6時だったよね。起きてよう」

「でも出発が1時間遅れたから…7時になるのかなあ」

「全然着く気配がないけど…」

仕方なく、起きてボーっと窓の外を見て過ごす。
車窓はホコリでにごっているけど、なんだか昔の映画のようでなつかしい。


車窓から見える村。コンテナ。


畑、なんのだろう?

「*@$&+!!」

「ん? いま何か、言われたよね」

「あ、アーグラー駅が見えてきた!」

ちゃんと乗客が乗り過ごさないように、インド人乗組員が声をかけてくれた。
日本ほど細かいサービスはないけれど、けっこう親切なのだ。



アーグラーの鉄道駅「AgraFort」。
日本語に訳すと「アーグラー城」。


しかし降りると、駅の裏はまるでスラム街のよう。
いろんな人に声をかけられるのを振り切って
予約したホテルにひとまず向かう。


シャッターの降りた商店街では、猿がウロウロ。
野犬もウロウロ。
こういう時に限って、なかなかホテルが見つからない。



何とかホテル「Ajay International」に到着。
とても感じのよいオーナーさんに迎えられ、
あたたかいシャワーを浴びてひと安心。
屋上にのぼると、こんな風景だった。

軽く食事をとったあと、部屋に戻ると猛烈な眠気におそわれ
二人して爆睡。

今回の旅で、一番ハードな移動日だった。

(写真/バラナシからアーグラーに向かう車窓)