1990年代、基幹職種である「大型トラック運転手40歳代年収700万への到達」は、それほど違和感なくトラック運転者の賃金目標として受け入れられました。しかし、1990年代後半からの15年間ほどの問、トラック業界の規制緩和推進と相まって、トラック労働者の賃金水準低下が急速に進みました。
1997~1998年にかけて運転手の賃金はピークに達し、それ以降下落の状態が20年近く続いています。大型運転手(男子)のピークは、1997年で年収約515万であったものが2012年には年収415万と100万円もの落ち込みとなり、普通・小型運転種(男子)は、1998年に約445万であったものが2012年には372万と70万以上の落ち込みとなっています(厚生労働省の賃金センサスより)。
こうした運転手の賃金の長期下落傾向のなかで、全産業水準との格差は拡大する一方なのです。ちなみに、2012年における全産業(男子)に対する大型運転手(男子)の賃金は88%ほどであり、普通・小型運転手(男子)のそれは74%ほどとなっています。
現在、建交労全国トラック部会は、2012年の全産業水準(男子:502万=国税庁調査)を念頭におき、現在最も多い普通運転手を対象に「トラック運転手は(勤続10年以上の中堅の運転手なら)誰でも年収500万円以上の賃金を!」をスローガンとした賃金政策を打ち出しています。