建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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日鉄に過去最高の厳しい断罪下る!日鉄本社前行動や最高裁要請おこなう

2012年12月28日 17時46分32秒 | 西日本石炭じん肺訴訟
 12月26日に福岡地裁が下した西日本石炭じん肺第5次訴訟判決は、じん肺管理2の合併症の基準額としては最高額の1600万を支払うよう日鉄に命じました。同訴訟での今までの認容額は1500万円でした。100万円のアップは、原告Yさんが重篤な病状であったにもかかわらず、被告日鉄鉱業が和解に応じず、判決を前にした12月10日に死亡したことを裁判所も厳しく断罪したものです。
 原告団や弁護団の代表は、判決後東京に赴き27日朝から東京丸の内にある日鉄鉱業本社前で道行く人にチラシを配りながら、宣伝カーからじん肺患者に謝罪しじん肺問題を全面解決するよう訴えました。
 その後代表は最高裁判所と日鉄鉱業要請を行ないました。最高裁では、現在最高裁第3法廷で審理されている第3次訴訟原告で11月14日に亡くなったTさんの妻が涙ながらに早期全面解決を担当書記官に訴えました。日鉄鉱業への要請では、原告団と東京支援連の代表らが「35回目の厳しい内容の断罪をどのように考えているのか」「生きているうちの解決をのぞんだ原告の死をどのように考えるのか」と厳しく詰め寄りました。
 昼休みには、じん肺東京支援連の人たちも参加し、丸の内のオフィス街に「日鉄鉱業は謝罪せよ!」「謝罪するまで許さないぞ」「最後まで闘うぞ」の声が響きました。

日鉄鉱業に対し35度目の断罪

2012年12月26日 17時13分07秒 | 西日本石炭じん肺訴訟
 本日、福岡地裁で西日本石炭じん肺第5次訴訟の判決が行われ、当然ながら被告日鉄鉱業に対して35度目の断罪となりました(詳細は後日紹介します)。原告団、弁護団より声明が出されましたので下記にご紹介します。


声明

2012年12月26日

西日本石炭じん肺訴訟原告団
西日本石炭じん肺訴訟弁護団


1 本日、福岡地方裁判所は、西日本石炭じん肺第5次訴訟の判決を行いました。
 判決は当然に、日鉄鉱業の責任を断罪し、これで日鉄鉱業はじん肺訴訟で、実に35連敗となりました。このうち10回は最高裁の判決、決定です。
2 この訴訟の原告は、きわめて重篤な肺がんに罹患し、あとどのくらい余命があるのか心配されていました。私たちは、提訴前にも、株主総会でも、提訴後にも、再三にわたって、例外的にでも早期に解決をしてほしいと申し入れました。しかし、日鉄鉱業はこの命あるうちの解決をという当然の願いを踏みにじり、解決をしようとしませんでした。裁判所も、和解を進めようとしたのですが、日鉄鉱業はそれも拒否しました。判決も急ぐことになり、年末にもかかわらず判決日が決まったのです。
 しかし、この原告は判決まで長らえることもできず、12月10日になくなりました。
 解決をみることのできなかった原告の無念はたいへん大きなものだと推測されます。このことを考えると、頑なに和解を拒否し続ける日鉄鉱業の対応は、あまりにも非人道的で、非常識という思いが強まります。私たちは日鉄鉱業に対して改めて激しい怒りをかきたてています。
3 日鉄鉱業は、このように敗訴判決を重ねて、どうして平然としていられるのでしょうか。賢明な同業他社や国は、どこも和解を行い、早期にじん肺問題を解決してきています。悲惨な被害を受けているじん肺患者の早期救済の必要性を理解し、また、それが社会的な評価につながり企業の利益と考えているからです。
4 福岡高裁では、西日本石炭じん肺第4次訴訟の判決が、2月18日に予定されています。最高裁に継続している第3次訴訟の決定も近くあると思われます。これらの判決、決定を待たず、日鉄鉱業が、患者の苦しみを理解し、謝罪し、じん肺根絶を誓約し、和解によって被害を救済すべきであることを、改めて訴える次第です。

石綿じん肺労災不支給取消川名訴訟第11回弁論開催

2012年12月22日 14時41分53秒 | 活動報告
 石綿じん肺労災不支給取消川名裁判の第11回弁論が12月21日、宮崎地裁で開催されました。建交労宮崎農林支部と九州支部宮崎分会、支援の人々を含め22人が傍聴支援に参加しました。
この日の裁判では、故川名國夫さんと同じ旭化成延岡工場で働いていた元同僚Iさんと原告の川名勝代さんの証人尋問が行われました。
 元同僚のIさんは、國夫さんが苛性ソーダをつくるための電解槽から敷設された土管から塩素ガスが漏れるのをふさぐ作業をしていたと証言しました。國夫さんの生前の証言と一致する作業であったことが裏付けられました。さらに、原告の勝代さんは、旭化成の幹部が何度となく故國夫さんを訪問し、石綿が原因であった点を会社としても気にしていた感じだったと証言しました。
 裁判は2月末までに双方が準備書面を提出し、3月8日に結審することになりました。

労働者が仕事が原因でじん肺になり、肺がんで命を落としても日鉄鉱業は何とも思わないのか

2012年12月21日 09時28分31秒 | 西日本石炭じん肺訴訟
 12月17日、西日本石炭じん肺第4次訴訟の控訴審第1回裁判が開かれました。長崎、大牟田両請求団の日鉄原告が陳述しました。長崎のSさんは、長崎の日鉄原告2名が立て続けに亡くなった事をあげ、「昔、自分の会社で危険な仕事に従事した労働者が、仕事が原因でじん肺になり、肺がんで苦しんだあげくに命を落としたのです。日鉄は何とも思わないのでしょうか。私は許すことが出来ません」と裁判官に訴えました。裁判は結審し、2月18日に判決が出されます。

中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故に関する談話(中央生公連)

2012年12月10日 10時18分20秒 | 活動報告
 建交労が加入している、生活関連公共事業推進連絡会議(略称:生公連)が、中央自動車道笹子トンネル天井版崩落事故に関しての談話を発表しましたので、ご紹介します。


央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故に関する談話

 平成24年12月2日早朝、中央自動車道笹子トンネルで天井板崩落事故が発生し、9名もの尊い人命が奪われた。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、御遺族に対しお悔やみを申し上げます。
 私たち生公連は、公共事業を防災や生活関連事業への転換を求めるとともに、社会資本の老朽化が進むなかで維持・更新を中心とした管理の充実を提言し、政府や各方面へ訴えてきた。こうしたなかで、今回の事故が発生したことに、あらためて関係機関に抗議する。
 笹子トンネルは、昭和50年に旧日本道路公団が新設したものであるが、トンネルアーチ部の覆工コンクリート等の施工が設計と相違し、その一部の強度が設計に比べて低くなっていると会計検査院に指摘されるなど、当時から監督及び検査が適切でなかった。
 今回の天井板崩落事故の原因について、NEXCO・中日本高速道路(株)は3日の記者会見で、天井板(てんじょうばん)を支えるつり金具をトンネル本体の固定するボルトが抜けている箇所があったことを明らかにした。一方、山梨県警は、同社がボルトの劣化など老朽化への有効な対策を講じていなかった疑いもあるとみて、業務上過失致死傷容疑で本格捜査に乗り出す方針を固めたと伝えられている。
 日本では高度成長期に次々と造られた社会資本構造物の老朽化が進んでおり、様々な事故が発生している。トンネル事故に限っても、高速道路だけでなく国の管理する国道でも全国各地で事故が起きている。このことから、国や高速道路会社は、老朽化による事故の危険性を認識していたのは明らかである。
 日本の高速道路会社は、「構造改革」路線の中で民営化され、利用者の生命と安全・安心の経営から利益追求の経営に変質されたことで、十分な点検及び維持修繕作業が行えなくなっていたことも重大である。特に、中日本高速道路(株)の受注企業が下請け請負金額をたたいて受注させていると言われているように、この下請け金額たたきによって品質に影響を与えた可能性も否定できない。
 更に、自民党政権下ですすめられてきた大規模プロジェクト中心の政策をはじめ、政府による「コンクリートから人へ」の政策など、道路特別会計の廃止や維持・管理予算の大幅削減により安全・安心の維持管理ができなくなっている。本来あるべき社会資本の維持管理は、国民の生命や安全・安心を確保するため予算を確保しておこなうものである。社会資本構造物の安全確保については、諸外国では仕組みの違いはあるものの「社会資本構造物の点検・報告・修繕を義務付けた法整備」が確立されているが、日本では極めて不十分である。さらに施設点検技術にかかる「開発及び研究体制の整備拡充・予算確保」、「施設点検技術者の育成」も急務である。政府及び国土交通省に対し、構造的な欠陥と維持管理体制の不備などのシステム問題点などから徹底した原因の究明を行い、緊急に法整備について検討することを求める。
 私たち生公連は、国民の生命と安全・安心を守るべく「民営化の問題と国の責任」及び「社会資本構造物の点検・報告・修繕を義務付けた法整備」を早急に確立することをめざすと同時に、「構造改革」路線を転換させ、真に国民の生命と安全・安心をもとめ運動を強化するものである。    
以 上

2012年12月5日
生活関連公共事業推進連絡会議(略称:生公連)                        
事務局長 山 崎 正 人