建交労長崎県本部

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第29回なくせじん肺キャラバン長崎行動(10月12~13日)

2018年12月28日 14時34分26秒 | なくせじん肺キャラバ...

じん肺・アスベスト学習会を開催しました!

 なくせじん肺キャラバン長崎実行委員会は10月12日午後6時30分から長崎市立図書館多目的ホールで、じん肺・アスベスト学習会を開催しました。学習会には13団体から62人が参加しました。

 今回は、三菱長船じん肺第3次弁護団の横山巖弁護団長を講師に「最新のじん肺情勢について」学びました。実行委員会は、昨年の田村昭彦九州社会医学研究所長の講演で、「現時点での胸部CT導入は問題がある」「厚労省は、問題があってもCT導入を強引にやってくる可能性があるので、キャラバン実行委員会などの運動体も頑張って欲しい」との要請もあったことから、今回の学習企画となったものです。

 学習会は藤田久美子長崎民医労書記長の司会で始められ、村里正昭実行委員会事務局次長が主催者あいさつ、乾哲夫県労連議長が支援あいさつをおこないました。

訴える乾県労連議長

横山巖弁護士が、じん肺裁判の特徴と到達点について講演

 

 講演で横山弁護士は、じん肺の原因やじん肺の種類、じん肺裁判の歴史を紹介した後、企業や国を相手に争われた損害賠償訴訟について「①石炭じん肺訴訟」、「②トンネルじん肺訴訟」「③大阪泉南石綿訴訟」「④造船じん肺訴訟(造船アスベスト含む)」「⑤建設アスベスト訴訟」「⑥それ以外のじん肺,石綿疾患訴訟」のそれぞれの損害賠償請求裁判について特徴と到達点を明らかにしました。

 石炭については、北松じん肺訴訟(企業の責任,基準慰謝料額の枠組み,時効論の基礎を形成),筑豊じん肺訴訟(初めて国を相手に提訴し勝訴したじん肺裁判)及びその後の石炭じん肺訴訟で獲得された解決枠組みについて述べました。

 トンネルについては、公共工事のトンネル建設に従事したじん肺患者や遺族が国とゼネコンを相手に,じん肺根絶と訴訟によらない救済制度創設をめざした訴訟であったこと。

 泉南アスベスト訴訟については「泉南地域は小さなアスベスト製品製造会社ばかりだったので,一部を除き消滅していた会社ばかりであったから,国だけを相手方にした闘い(訴訟)であった」と語りました。

三菱重工は、下請工については全面的に争い、CT優位論を展開

 造船じん肺について横山弁護士は、「平成10年12月,長崎で三菱重工を相手に第1陣訴訟が提訴され、和解で解決し三菱も社内補償制度を創設するなどしてじん肺被害者救済を図るかのような態度を示したものの」「平成15年12月に下請工を含む第2陣が提訴されるや,三菱重工の態度は一変し,下請工については全面的に争う姿勢へと変貌した」。「三菱はCT優位論を展開し,平成21年2月20日,三菱の主張を一部認める控訴審判決が下された」。「平成20年4月,三菱下関造船じん肺訴訟が提訴されたが1審で敗訴,平成26年9月24日広島高裁で逆転勝訴,平成27年10月29日最高裁でも一審原告勝訴の判断が確認された」。「平成28年4月7日,三菱長崎造船第3陣が提訴され,現在係争中ですが,三菱は相変わらずCT優位論を唱えています」と報告しました。

注目の建設アスベストでは大きな成果が生まれている

 建設アスベストは、国とメーカーの責任を認める判決に引き継いで、一人親方も救済される判決が出ています。横山弁護士は「今、最も注目されている裁判、平成20年5月16日の首都圏建設アスベスト訴訟1陣提訴を皮切りに,全国(札幌,東京,横浜,京都,大阪,福岡)の各地裁に提訴」「幾つかの地裁判決,高裁判決を経て,現在は,4最高裁(神奈川1陣,首都圏1陣,京都1陣,大阪1陣),3高裁(札幌1陣,東京(神奈川2陣),福岡1陣),5地裁に係属中。尚,大阪高裁の京都1陣と大阪1陣は,9月前後に全面勝訴に近い判決が出たため,現在最高裁に上がった」「2つの東京高裁の判断が直近となると思われるが,平成30年8月31日と9月20日に出た大阪高裁の2件分まではまとめて(同日に)判断されるかもしれない」と述べました。

行政(国)が「じん肺を認めないことで有所見者を減少させている」と疑われる

 横山弁護士は、「近時,『間質性肺炎』を理由にじん肺罹患の認定が否定されたり,労災の不支給決定がなされたりする事例が多くみられることに鑑みると,行政が,そもそもじん肺患者であることや労災を認めないとすることでじん肺有所見者数を減少させていっているのではないかとさえ疑われる」と述べ講演を終わりました。

じん肺訴訟をたたかっている原告代表が決意表明

 講演の後、長崎でじん肺裁判をたたかっている西日本石炭じん肺請求団山口等団長、トンネルじん肺根絶原告団松田哲朗団長、三菱長船じん肺第3陣原告団、三菱3陣の尾崎豊原告団長が決意表明をおこないました。

「第30回人間らしく働くための九州セミナー長崎」への協力を呼びかけました!

 長崎労健懇の小嶺弘之代表世話人は、11月10~11日福岡で開催される「第29回人間らしく働くための九州セミナー」と11月23日に長崎で開催される「過労死シンポ」の成功への協力を要請しました。そして、「記念すべき第30回セミナーが来年長崎で開催されるので、皆さんのご協力をお願いします」と訴えました。

佐藤郁雄元伊王島じん肺原告団長も熱弁

 日鉄伊王島じん肺訴訟元原告団長の佐藤郁雄さんは、「28年前の第1回キャラバンが提起されたときキャラバン分担金として40万円もの財政をつくるようにいわれ、テレフォンカードや武藤ヒサ子さんの著作『涙がこぼれそうに』を必死で売り、財政をつくった」と熱く語りました。

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10月13日(土曜日)長崎市の繁華街鐡橋で宣伝署名行動!

10団体37人が参加、三菱3陣署名が161筆寄せられました

 さわやかな秋の好天に恵まれた13日の土曜日午後1時から、長崎市繁華街の鐡橋で宣伝署名行動に取り組みました。参加団体は、三菱長船第3陣原告団、じん肺弁護団、トンネル原告団、西日本石炭請求団、三菱長船患者会、じん肺根絶長船の会、県労連、自治労連、民医労、建交労の10団体、参加者は37人でした。この日は、三菱第3陣訴訟を知らせるチラシと、長崎地裁宛の署名に取り組みました。

 鐡橋の上は、ハンドマイクで訴える人、チラシをまく人、署名を訴える人で大変にぎやかでした。500枚用意したチラシは、30分程度で無くなりました。寄せられた署名は161筆で、一人で23筆集めた人もいました。署名に応じた人の中には、三菱で働いている人もいました。


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