建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
労働相談は、095-801-8800まで。

じん肺とは

2014年03月31日 14時03分15秒 | 組合紹介
じん肺は大量の粉じんを吸入することによって、肺の内部に粉じんが付着し、その粉じんが糸状の物で包み込まれ固くなり、肺の機能が破壊されていきます。
じん肺は進行性の病気で現代医学でも治すことはできず不治の病として恐れられており、毎年、療養に専念する必要のある最重症のじん肺患者が1千名近く認定され続けています。
じん肺は、粉じん現場を離れてからも進み、肺結核、肺がん等の色々な合併症を併発させ、そのうえ心臓まで悪くします。
重症になると、酸素吸入の機械を離せなくなり咳や痰の発作に苦しみ、最後は呼吸困難におちいり命を奪われます。

≪自覚症状≫
朝起きると咳や痰が出る、息苦しさ、息切れ、胸痛、不眠、めまい、動悸、脱力感等を自覚するようになります。
風邪をひきやすく中々治らない。同年代の者と一緒に歩けない、階段を上ると息切れがする等を訴えるようになります。

≪じん肺の労災認定基準≫
「じん肺とは、粉じんを吸入することによって肺に生じた繊維増殖性変化を主体とする疾病をいう」(じん肺法第2条)とし、粉じん職場に働く者については、じん肺健康診断に基づいて、健康管理区分を管理1から4までに区分して、健康管理を行うようにしています(法第4条第2項)。
そして、労災保険の適用を受けるのは「じん肺管理区分が管理4または合併症に罹患している者」(法第23条)とし、管理区分が管理2と3の者については次の6つの合併症が「じん肺と密接な関係がある」として労災補償の対象として認められています。

  合併症
  ①肺結核
  ②結核性胸膜炎
  ③続発性気管支炎
  ④続発性気管支拡張症
  ⑤続発性気胸
  ⑥原発性肺がん


この中で一番多いのが続発性気管支炎ですが、これは自覚症状が「1年のうち3か月以上毎日咳と痰がある」と認められる者で、痰の検査で感染菌が確認された者は、続発性気管支炎として認定されることになっています。

≪離職してから発病する≫
じん肺は、進行性の病気で離職して発病するのが特徴です。炭鉱を離職して10年以上にもなるのにじん肺と診断されたという人が少なくありません。
粉じん現場で働いた経験のある人は一度じん肺検診を受けましょう。

振動病とは

2014年03月28日 09時46分03秒 | 組合紹介
削岩機、チェーンソー、刈払機などの振動の激しい機会を長時間使用することによって、手指や前腕の血管障害、骨関節等の障害や中枢神経の障害等を訴えるようになります。これが振動病です。

≪自覚症状≫
手や腕のしびれ、痛み、冷え、こわばり、筋肉痛、肩こり等がだんだん強くなる。手や腕に力が入らない、手のひらに汗をかく、頭重や頭痛がする、眠れない。重症になると手指が白くなる、鷲手(手の指が変形する)、手や腕の筋肉が落ちるなどの症状が現れ、顔を洗うことや、箸でご飯を食べることもできなくなります。

≪振動障害の認定基準≫
「削岩機、鋲打機、チェーンソー等の振動工具を相当期間(1年以上)連続使用することによって、手指、前腕等にしびれ、痛み等の障害を起こす疾病をいう(307号通達)」としています。

振動工具を相当期間使用した上で、
①手指、前腕等にしびれ、痛み、冷え、こわばり等の自覚症状が持続的、間欠的に現れかつ、次のイからハまでに掲げる障害全てに認められるか、またはそのいずれかが著名に認められる疾病であること。
 イ、手指、前腕等の末梢循環障害
 ロ、手指、前腕等の末梢神経障害
 ハ、手指、前腕等の骨・関節・筋肉腱等の異常による運動機能障害
②レイノー現象の発現が認められた疾病であること。
となっており、イロハは検査基準が定められており専門医での検査が必要です。②のレイノー(白ロウ現象)については、医師の視認、または写真等の客観的に認められる資料があれば認定条件を満たすとされています。レイノーの出る人は必ず写真を撮るようにしましょう。

「もしかしたら」と自覚症状のある人は、建交労にぜひ相談ください。
建交労は、組合員の生活と健康を守るために、安心して治療に専念し社会復帰するために、病院等との連携や労基署や事業主との交渉などに力を入れています。

労災職業病の相談のご案内

2014年03月27日 13時27分52秒 | 行事案内

建設・造船・炭鉱などで働いたみなさんへ

建交労は、労働災害や職業病の救済や根絶の活動に力を入れいています。

仕事が原因の病気であれば労災保険が適用されることになっています。早期発見、早期治療が原則です。仕事から離れてから職業病だとわかるケースもあります。

労災認定を確実にかちとるためには、職業病にくわしい医師の診断と、事業主などの認定妨害に立ち向かえる労災の専門家の援助が重要です。
建交労は、労災職業病の専門の専従職員が配置され、医療機関などと連携して相談を受け付けています。

「もしかしたら」と自覚症状のある人は、建交労にぜひご相談ください。


相談ダイヤル 095-801-8800


こんな症状
◎粉じん職場で働いていたが、息切れ、咳、タンが出る
◎ピック、サンダー、グラインダーなど振動工具を使っていたが、手指がしびれ痛む、冷えやこわばりがある
◎騒音の中で仕事をしてきたが、耳の聞こえが悪い、耳鳴りがある


石綿肺労災不支給取消川名訴訟控訴審不当判決!

2014年03月21日 09時54分48秒 | 活動報告

福岡高裁宮崎支部が不当判決
 石綿肺労災不支給取消川名訴訟の控訴審判決が3月19日、福岡高裁宮崎支部(田中哲郎裁判長)であり、原告の控訴を棄却する不当判決でした。
 判決には、川名さんを支援してきた建交労宮崎農林支部、建交労九州支部宮崎分会、川名さんの友人など36名が傍聴にかけつけました。
控訴審に至る経過
 原告の川名勝代さんの夫である故川名國男さんは、1948(昭和23)年1月から1964(昭和39)年8月までの16年7か月間、旭化成延岡工場で塩素ガス土管の継ぎ目やひび割れ、電解槽蓋の隙間を石綿リボンと目地材で目詰めをする作業に従事し続け、2006(平成18)年8月に死亡しました。
 國男さんは、生存中に延岡労基署に休業補償等の請求を行い、死亡後は妻の勝代さんが遺族補償請求等を行いましたが、死亡原因は「血管炎症候群に伴う間質性肺炎」であり、石綿ばく露との因果関係は認められないとして労災不支給決定され、審査請求も再審査請求も斥けられました。そこで、勝代さんは、2010(平成22)年4月、宮崎地方裁判所に不支給処分の取り消しを求めて提訴しましたが、2013(平成25)年5月24日請求が棄却されたため、福岡高等裁判所宮崎支部に控訴していました。
原審の枠を一歩も出ない判決
 控訴審判決は、「原判決と同旨の判断をして、これを棄却するものである」と原審の枠を一歩も出ない、まったく不当で無責任なものです。
高濃度ばく露でなければ石綿肺ではない
 石綿ばく露について原審は、故國男さんが石綿作業に従事したことは否定できず認めたものの職業的(高濃度)でなかったとして否定しましたが、これもそのまま踏襲しています。もうもうとした石綿ばく露でなかったにしろ16年以上も石綿作業を続けているわけですから、相当なばく露をしていることは推察できるはずです。
典型的な胸膜プラークでない
 石綿肺の要件である胸膜プラークについては、原告側が石綿肺の第一人者であり故國男さんの特徴ある胸膜プラークの存在を指摘している海老原勇医師の証人採用を要求したにもかかわらず、採用を拒否しました。これは、厚労省側の医師たちが主張する典型的な胸膜プラークがなければ石綿肺とは認めないという主張に裁判所も迎合したものと思われます。
石綿肺が先に発症しMPO-ANCAは後に出ていることは明らか
 死亡原因である血管炎と石綿肺の関係については、「海老原医師の研究においても石綿肺とMPO-ANCA陽性を併発した事例は1例しか報告されていない」から認められないというわけのわからない主張で、切り捨てています。
 原告側は、MPO-ANCA関連疾患と石綿肺の機序が重要だとして「石綿肺が先に発症し、MPO-ANCA数値の上昇は後に出てきているという証拠を示したにもかかわらずそのことにはまったく触れていません。疫学調査でも石綿ばく露者や結晶質シリカばく露者にMPO-ANCA関連疾患が優位に発症していることは明らかで、控訴審判決も関連を否定できないとみて原審判決に「ただし、MPO-ANCAが珪肺患者に高率に認められ、血管炎になっているとの報告もあり、亡國男の経過は石綿暴露や石綿肺の罹患との関連性が強いと考えられる」を補充しています。
石綿関連疾患の調査研究を国の責任で行え
 判決後、宮崎弁護士会館で開催された「判決報告集会」で、成見暁子弁護団事務局長は「故國男さんのような事例は、まだまだたくさんあるはずです。石綿関連疾患について適切に診断ができる医師、医療機関はまだ限られており、長い潜伏期間を経て発症する石綿関連疾患の調査、研究が国の責任においてよりいっそう進められることが求められる」と述べました。
上告するかどうかは十分検討する
 報告集会で上告するのかとの質問に対し、成見事務局長は「弁護団として検討し、(するかどうか)決める」と述べました。
勝代さんが支援者に悔しさと感謝を表明
 原告の勝代さんは、報告集会の最後に「最初に申請してから7年、裁判を起こしてから4年が経ちます。認められず、本当に悔しい。毎回毎回裁判を傍聴していただき本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と胸の詰まる悔しい思いを表明しました。
建交労九州支部長崎分会 中里研哉


ハンドルを守れ!43号

2014年03月06日 10時58分05秒 | ハンドルを守れ
椎山賢治によるおおとり運送つぶしを許すな!
おおとり運送分会が2.28提訴行動


オーナーの椎山賢治による、組合つぶしを目的とした廃業・解雇問題とたたかうおおとり運送分会の組合員13人が、2月28日(金)解雇無効、賃金と慰謝料の支払を求めて長崎地裁佐世保支部に提訴しました。


全国から多くの支援を受けて
ステージはいよいよ最終決着の場へ

提訴行動には、全労災長崎支部、県一般労組、国民救援会、建交労長崎分会佐世保班からご参加いただきました。また、おおとり運送の問題を議会でも取り上げて当初より支援していただいている山下千秋佐世保市議も激励に駆けつけてくださいました。
弁護団から山本一行弁護士が、雇用の規制緩和が進む中で、今回のおおとり運送分会の
おおとり運送従業員の雇用と生活を守ろう裁判が持つ意義について強調され、最終決着となる裁判で弁護団も一緒になって奮闘すると、力強く述べられました。
訴状の提出は短時間ではありますが、組合員にとっては緊張の瞬間。みんなでたたかい抜く決意を固め合った瞬間でもありました。

全国の仲間に勇気を与えるたたかいを!
会場をアルカス佐世保大会議室に移して行われた報告集会では、訴状の中身について弁護団の中原昌孝弁護士に説明を受けた後、分会を代表して水田副分会長と松尾書記長が決意表明をしました。
松尾書記長は、地域住民の生活に密着したおおとり運送で働いてきた誇りを取り戻すために、おおとり運送を涙を流しながら去って行った同僚のために、全国で同じように争議をたたかう仲間に勇気を与えられるようなたたかいをしたいと決意を述べました。
誰もが安心して働き、暮らしていける社会となるよう、おおとり運送分会組合員一同、最後までたたかい抜きます。