建交労長崎県本部は,2月19日に開催した県本部委員会において,「共謀罪」法案の提出を断じて許さない特別決議を採択しました。
内容は以下の通りです。
1.安倍政権は、第193回通常国会に過去3回も国民の強い反対によって廃案になった「共謀罪-組織的犯罪処罰法等の一部を改正する法律」案を提出しようとしている。安倍首相は、1月5日の自民党役員会で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたテロ対策を口実に、いわゆる「共謀罪」法案について早期成立をめざす考えを示した。また、菅官房長官は16日の記者会見で、「テロなどの準備行為があって、はじめて罰する法案で、従来の共謀罪とは違う。一般の方々が対象となることはあり得ない」と述べて法案成立への強い意欲を見せている。
2.政府が新たに提出する予定とされる法案では、テロなどの謀議に加わった場合に処罰の対象となる「共謀罪」について、適用対象や構成要件などを変更し、名称を「テロ等準備罪」と言い換えただけで提出しようとしている。しかし、「共謀」を処罰するという法案の法的性質は何ら変わっておらず、既遂の処罰を原則とする刑法の基本原則を大きく変えるものだ。
3.「組織的犯罪集団」も「準備行為」も「テロ等」も定義があいまいで、適用範囲が十分に限定されたと見ることはできない。「一般の方々」とは誰を指すのか?依然として、幅広い解釈が可能になり、警察の恣意的な運用によって基本的人権が侵害される危険性は変わらない。市民団体や労働組合等も対象になることが強く懸念される。内心の自由や思想の自由を理由に処罰されるとの不安もなんら払拭されていない。
4.反発・抗議等する人たちを「共謀罪」で押さえ付けるなら「恐怖政治」であり、刑事罰があるというだけで参加を思いとどまらせ、労働運動などを萎縮させることも狙われている。今回の法整備は、テロ対策や東京オリンピック・パラリンピックに名を借りた、監視・密告・弾圧立法である。
安倍政権の「戦争できる」国づくりの一環であり、建交労は行動スローガン「失業と貧乏と戦争に反対」にもとづき、基本的人権の保障と深刻な対立を引き起こすおそれが高い法案を断じて認めることはできない。全労連など幅広い団体、市民団体などと連携して、「共謀罪」法案の国会提出を断固許さないために全力でとりくむ。
以上、決議する
2017年2月19日
全日本建設交運一般労働組合長崎県本部 2016年度第1回県本部委員会