オーナーの椎山賢治会長による,組合つぶしを目的とした,おおとり運送の廃業・解雇とたたかう長崎合同支部おおとり運送分会の裁判は,5月31日,福岡高裁で一審に続き解雇有効とする不当判決が出されました。組合員は,椎山会長らに露骨に肩入れした長崎地裁佐世保支部の不当判決からの逆転勝訴・早期解決をめざしていましたが,福岡高裁も,憲法で認められた労働者の権利よりも経営者の職業選択の自由(廃業の自由)を優先しました。
判決では,解雇について「廃業したのだから仕方ない」という前提に立っており,実態を全く見ない,又,戦後の労働法の積み上げを否定するものとなっています。雇用の流動化政策の先取りともいえ,解雇の金銭解決の議論と相まって今後不当解雇を助長し,司法への国民の信頼も失わせるものです。
中村分会長は,「おおとり運送を残そうと,廃業前から従業員一丸となって頑張ってきたし,廃業後も,自分たちは間違っていないと思って4年間たたかってきた。でも,司法に否定された気分だ」と率直な心境を吐露しましたが,「ここで終われば,椎山会長の廃業と解雇を認めたことになるし,酷い司法の状況も正されないままになってしまう。泣き寝入りはしない」と決意を語っています。
労働契約法16条ができて以降,廃業を伴う解雇に対する最高裁の初の判断となるたたかいで,勝利をつかむよう,長崎県本部・長崎合同支部・おおとり運送分会は,最後まで奮闘します。