建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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トンネルじん肺根絶5陣訴訟東京地裁第1回弁論

2016年06月30日 18時14分31秒 | トンネルじん肺



本日午後から東京地裁で、全国トンネルじん肺根絶第5陣訴訟の第1回弁論が開かれ、北は北海道から南は九州から元トンネル坑夫の皆さんと支援の人たちが結集しました。

全国でたくさん掘られてきたトンネル、その現場では苛酷な労働が待っていました。重層下請け制度の下、末端で働く坑夫には、限られた期間にトンネルを貫通するため、長時間労働が強いられました。残業時間の上限を規制した36協定は形式だけで、毎日2時間以上締結させられているのが実態です。残業理由も、工期短縮のためというとんでもない理由もあります。
建交労に結集した労働者は立ち上がり、元請けである大手ゼネコンを被告に栽培を起こし和解勝利しました。その後、国の責任を追及する国賠訴訟を起こし、地裁で勝利し、じん肺根絶の合意書を締結しました。最初の闘いから19年が経ち、今はゼネコンとの早期解決と栽培を起こすことなく解決する基金制度の創設と元請けによる一元的管理をめざしています。残る最大の課題は、切羽での粉じん測定の義務化と労働時間の短縮です。
本日の法廷では、原告団長でじん肺に苦しむ城野哲也さんが、平成時代のトンネル工事現場での粉じんについて生々しい陳述を行いました。そして、一緒に働いていた仲間がじん肺で亡くなったという話を聞いていたので、まさか自分もじん肺なるとは思わなかったと、不安な胸の内を明かしました。裁判官にトンネル現場は平成時代になってもひどい職場だったことと命あるうちの解決を求めました。引き続き小野寺利孝弁護団長、水口洋介弁護団事務局長、須納瀬学弁護士が被告ゼネコンに対し、加害責任は明確であり、今まで培われてきた早期解決のルールを守るように求める陳述を行いました。

19年にわたるトンネルじん肺の闘いは、粉じん防止のガイドラインをつくらせるなど大きな前進を勝ち取っていますが、労働時間の短縮や基金制度の設立、元請が下請け労働者も含め一元的管理をすること、炭鉱や金属鉱山のように切羽を含め粉じん測定を義務付けじん肺を根絶することが残された課題です。
長い長い闘いですが、トンネル工事と同じようにいつか貫通し明るい出口が見えるはずです。全国の皆さんの暖かいご支援をお願いします。

日鉄鉱業㈱第102回株主総会で、じん肺問題を訴える

2016年06月30日 15時53分41秒 | 西日本石炭じん肺訴訟

日鉄鉱業株式会社の第102回目の株主総会が6月29日に行われました。西日本石炭じん肺長崎請求団の組合員や弁護団、東京支援連などから60名以上が参加しました。

東京駅前の第一等地、丸の内の行幸通りに面した郵船ビル本社前に結集し、株主総会に参加する人たちにチラシを配りながら宣伝行動を行いました。日鉄鉱業は、1979年11月の長崎北松じん肺訴訟で訴えられてから、伊王島じん肺訴訟、日鉄全国第2次訴訟、日鉄全国第3次訴訟、西日本石炭じん肺訴訟などで36年間も被告席に座り続けています。実にこの間、最高裁を含め41回の敗訴決定を受けているのです。
日鉄鉱業は炭鉱経営を行っていた大企業ですが、炭鉱で働いてきた労働者がたくさんじん肺に罹患しました。日鉄鉱業以外でもじん肺は発生しましたが、他の炭鉱企業は患者や遺族に謝罪しじん肺問題を解決しました。
患者や支援する人たちも株主として総会に出席し、会社の姿勢について質問しこの問題を解決するよう求めました。
今回の総会では、福岡地裁で敗訴した田川裁判は、じん肺問題を解決していないために遺族補償分を追加して請求された裁判、会社として無駄な金を使っているのは問題ではないか、患者に謝罪して早期解決すべきでないのかと質問しました。さらに、会社が「日鉄鉱業コーポレートガバナンス基本方針」を制定したことに対し、方針は「従業員や元従業員も当然大切にする方針であるはず」「じん肺にり患した元従業員」の思いを聴き、謝罪し解決するべきではないのかと迫りました。

このような、切実な質問にも紋切り型に切り捨てる佐藤公生社長に参加者は憤っていました。




西海市大島町で戦争法廃止署名行動!

2016年06月14日 18時10分50秒 | 活動報告
建交労九州支部長崎分会は6月14日、西海市大島町で20人が集まり戦争法廃止署名行動に取り組みました。この署名行動は5月6日に計画されていましたが、雨のために順延されていました。この日の署名行動は1時間半ほどでしたが、187筆が集まりました。
大島町では組合員が、自治会や老人会などで世話役として頑張っているのでほとんどの人が気軽に協力してくれました。
建交労長崎県本部は、全国目標を突破し自主目標の5,000筆をめざし奮闘中です。

4人が遺族補償不支給取り消し訴訟を起こす!

2016年06月02日 11時22分31秒 | 活動報告
遺族組合員4人が国の決定を取り消す裁判を長崎地裁に起こす
建交労九州支部長崎分会の4人の遺族組合員が5月31日、長崎労働基準監督署長(国)のじん肺遺族補償不支給決定の取消しを求めて、長崎地裁に提訴しました。
 4人の夫はそれぞれ県内の炭鉱や造船関連の現場、鉄工所などの粉じん作業に長年従事し、長崎労働局長がじん肺管理2(故H・Nさん)、管理3イ(故H・Kさんと故K・Iさん)管理3ロ(故A・Uさん)と決定し、労基署長は何れも続発性気管支炎の合併症を認め、労災補償を受けていました。じん肺の原因となった粉じん作業も一番長い人は44年間にもおよび、一番短い人でも27年間の粉じん作業歴を有します。51歳と58歳で亡くなった二人は、同じ炭鉱の坑内電気工として一緒に働きました。
死因の間質性肺炎はじん肺症の一つ
 4人の死亡原因は、何れも間質性肺炎ですが長崎労基署は、「じん肺は急速に進むことはない」ので原因は「じん肺」とは関係のない「特発性非特異性間質性肺炎」が何らかの原因で発症したもので、認められないとしています。
故K・Iさんは、N大学病院の死亡診断書で「塵肺の急性増悪」と明記されています。4人の労災認定時の主治医でもある高原勇医師は労基署が求めた故H・Nさんの意見書に「じん肺症で間質性肺炎を併発する症例は多い。間質性肺炎の病因は種々あるが、じん肺症もその病因の一つであり、他の原因は認められない(本例の場合)」のべ、故A・Uさんの意見書では「初診時よりX線上、間質性肺炎を多数に示す症状で、同様の陰影がしだいに増強して呼吸困難で死亡している。これはじん肺と直接関係している現象で、死因との因果関係が深い」と回答しています。
間質性肺炎はじん肺の基本的病態
 疫学リサーチセンターの海老原勇医師は、長い臨床経験や疫学調査を通じ「間質性肺炎はじん肺の基本的病態である」と述べ、急速に進行し蜂窩肺(蜂の巣状の陰影)になる事例も上げています。厚生労働省の担当者も全国じん肺キャラバンの要請時に「間質性肺炎だからと言って認めないということではない、総合的に判断する」と回答しています。建交労九州支部長崎分会の組合員だけでも08年から16年までの8年間で15人が間質性肺炎を発症して亡くなっています。
提訴後の記者会見で無念さを語る故H・Nさんの遺族
 提訴後に行われた記者会見で故H・Nさんの遺族は「N大学病院の医師はじん肺が原因と死亡診断書にはっきり書いている。何故、監督署が認めないのか納得できない」と憤りました。