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建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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じん肺キャラバン長崎実行委員会便り・第12号

2022年11月25日 17時01分37秒 | なくせじん肺キャラバ...

2022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン=長崎実行委員会便り・第12号= 

 2022.11.25 実行委員会事務局 Tel‐095-801-8800 Fax-829-1680<Eメールkenkouro-nagasaki@d9.dion.ne.jp>

三菱長船第3陣原告全員が控訴状を提出

三菱長船じん肺第3陣訴訟原告は、長崎地裁の一部不当判決(11月7日)を受け11月18日、原告30人(患者原告13人、遺族原告17人)全員の控訴状を長崎地裁に提出しました。

控訴状提出には原告団から田中竹子副団長、濱口タケ子副団長、白木剛事務局長が参加、弁護団は魚住昭三事務局長が参加しました。

裁判所前にはマスコミ関係者も集まり、田中副団長は質問した記者団に対し「(原告の中でも)一番長く三菱の現場で働いてきた。認められず悔しくて眠れなかった」と語りました。白木事務局長は「(控訴審では)納得いく判決を勝ち取りたい」と述べました。

被告三菱重工も一部控訴

マスコミによると11月21日、被告三菱重工㈱も一部について控訴したと報じられました。

 

三菱長船じん肺第4陣訴訟の証人尋問

11月14日、長崎地裁401号法廷にて三菱長船じん肺第4陣の証人尋問が行われました。原告側証人として東京芝診療所の藤井正實医師が出廷し、じん肺と粉じん作業の関係性を証言しました。藤井医師は、3人の患者原告のエックス線写真を読影しながら長期にわたる粉じん職歴、石綿暴露により肺に影が現れていることを、裁判官に説明しました。

 被告側証人の川崎医科大学総合医療センター加藤勝也医師は、石綿が不整形陰影との関係性が必ずしもあるとは言えないと主張しました。

 

121日定例長崎市議会一般質問

内田隆英市議が「アスベスト対策」を取り上げます

 じん肺キャラバン長崎実行委員会が10月13日に長崎市長要請を行った際に同席した内田隆英市議会議員は、12月1日長崎市議会で「アスベスト対策」について質問します。内田市議は、日鉄伊王島じん肺原告団とともに、第1回(1989年)全国キャラバン西日本コース(長崎→東京)の運転手として参加した経験をもっています。ぜひ傍聴をお願いします。

内田市議の一般質問時刻 2022年12月1日(木曜日)午前11時~

 

第3回実行委員会を開催します

127日(水)1830分~ 勤労福祉会館1D会議室

 いよいよ来月は12月です。第33回(2022年)じん肺キャラバン行動の締めくくりの実行委員会を上記日程で開催します。今回もオンライン併用で行います。

※衆参両院議長に提出する「じん肺根絶署名」の最終集約は1215日です。一筆も無駄にしないようにしましょう。集まった署名は事務局に送ってください。

 


じん肺キャラバン長崎実行委員会便り・第11号

2022年11月11日 15時55分12秒 | なくせじん肺キャラバ...

11.7三菱長船じん肺第3陣訴訟判決

13名の損害を認め、5人の損害を否定

 

 

皆さんに支えられ2016年4月7日の提訴以来6年7ヶ月たたかってきた、三菱長船じん肺・アスベスト第3陣訴訟の判決が11月7日午前10時、長崎地方裁判所401号法廷でありました。

長崎地裁民事部の天川博義裁判長は、被告三菱重工業が原告を粉じん作業の現場で働かせたことを認め、原告の下請け労働者への安全配慮義務違反があったことを認めました。しかし、18名の患者原告のうち13名は勝訴判決でしたが、5人に対しては請求を全額棄却しました。

被告の言い分に傾倒した判決

判決は、「粉じん曝露について」、平成10年頃までには粉じん作業環境が大幅に改善されていることを理由に、それ以降働いた原告については三菱長船現場以外での就労が長いという理由で請求を棄却しました。石綿を長期間にわたって使用してきた2名について、1名は石綿ばく露を否定し、1名は続発性気管支炎が認められないという理由で最終管理区分決定が事項に該当するとして棄却しました。

請求が認められた原告に対しても、じん肺管理2と長崎労働局長が決定したにもかかわらず、被告協力医の主張

に傾倒し管理2とまでは言えないということで大幅な減額を行いました。今までのじん肺裁判で認められた標準基準額を満たしたのは3名のみで、死後解剖し「じん肺死」と労基署長が認めた原告についても、喫煙を理由に減額しました。

「命ある限りたたかい続ける」白木剛弁護団事務局長

 

判決報告集会で尾崎豊原告団長、田中竹子副団長は「全員救済をしなかった判決に対し納得できない」と憤りました。白木剛原告団事務局長からは「す

い臓がんが見つかり、医師から余命宣告を受けたが命ある限りたたかい続けるので、支援を最後までお願いします」と訴えがされ、参加者からも連帯の拍手が沸き起こりました。

横山巖弁護団長は「到底納得できる判決ではない。控訴して闘う決意である」と述べました。

三菱重工に加害責任を認めさせた意義は大きい

三菱長船第1陣訴訟(本工のみ)、第2陣訴訟(本工と下請け)、下関じん肺訴訟1次(下請けのみ)、同2次(下請けのみ)に引き続いて加害責任を認めさせたことは大きな意義があります。マスコミ報道では田中竹子副団長、濱口ヤエ子副団長を取材した記事も大きく掲載され、造船現場での下請け労働者の実態が取り上げられました。

引き続き支援を強めます

じん肺キャラバン長崎実行委員会は、三菱長船じん肺第3陣訴訟の勝訴に向け裁判所への要請ハガキによる支援行動などに取り組んできました。控訴審での全員勝訴に向け今後も引き続き支援を強めていきます。


じん肺キャラバン便り9号

2022年11月01日 17時44分42秒 | なくせじん肺キャラバ...

2022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン =長崎実行委員会便り・第9号=

 2022.10.27 実行委員会事務局 Tel‐095-801-8800 Fax-829-1680<Eメールkenkouro-nagasaki@d9.dion.ne.jp>

10月25~26日東京集結行動

3年ぶりに長崎からも8人が参加

10月25~26日、2022年(第33回)なくせじん肺全国キャラバン東京集結行動が行われました。

長崎からは、西日本石炭じん肺長崎請求団、三菱長船じん肺第3・4陣原告団、三菱長船患者会、じん肺弁護団、建交労の5団体から8人が参加しました。長崎からの東京集結行動への参加は2019年(第30回)キャラバン以来3年ぶりとなりました。

厚生労働省前の集結行動には、全国から150人近くの人たちが集まりました。主催者を代表して全国キャラバン実行委員会事務局長の鈴木剛弁護士がじん肺・アスベストを巡る情勢などについてあいさつを行いました。原告団や支援団体などのあいさつが続き、厚労省に向けシュプレヒコールを行いました。

 

 

衆議院第1議員会館に於いて 建物改修解体シンポジウム開催

25日の午後2時半から衆議院第1議員会館で、第33回キャラバンの目玉でもある「建物改修解体問題シンポジウム」が開催され、4人の方から専門的で詳しい報告が行われました。

法はできたが日本のアスベスト対策は不十分

東京土建一般労働組合の川口敏彦労働対策部長からは「解体工事現場の事前調査と状況について」現場での写真も交えた報告がありました。

古谷杉郎石綿対策全国連絡会事務局長からは「アスベスト規制をめぐる最近の国際動向」についてEU、欧州議会、欧州委員会、英国、オーストラリア、米国などと比較して日本は先進国の中でアスベスト対策が最も遅れているという報告が行なわれました。

中皮腫・じん肺・アスベストセンター所長の名取雄司医師からは「石綿関連法規改正と今後の課題」と題した報告が行われました。名取医師は、「石綿輸入量と中皮腫死亡者が比例して急増している」という説明を行った後、この間改正された「石綿障害予防規則」(厚生労働省)と「大気汚染防止法」(環境省)、建築基準法(国土交通省)があるが、どれも罰則も甘く不十分であると報告されました。

アスベストの大半は石綿含有形成版等に使用 木造など3300万棟の改修解体が続く

最後にジャーナリストの井部正之氏が「アスベスト対策の自治体条例と補助制度」について報告しました。井部氏はアスベスト対策が最も進んでいるドイツと比べたイギリスの新聞「ガーディアン」に掲載された記事を引用し「イギリスはドイツの10倍子どもにアスベストを吸わせている」「(2016年頃)日本は15~30年前の英国だね」と言われていたと紹介しました。アスベストの除去費用の負担もオーストラリアは50%補助、オランダ、韓国などでも日本と比べ大幅に進んでいると述べました。吹き付けアスベストが使用された日本国内の建物280万棟の解体ピークは2022年からすでに始まっていて2038年頃まで続き、これ以外に木造など約3300万棟もの改修解体が続くと警告しました。さらに、日本で輸入されたアスベストは、約1000万トンにも及び、700万トンは石綿含有形成版等(レベル3建材)に使われています。(※レベル3は長い間無届で処理されてきました)

シンポジウムに引き続き全国キャラバン終結集会 三菱長船3陣のHさんが訴えました

建築物改修解体シンポジウムに引き続いて終結集会が行われ、キャラバン代表委員の角田季代子建交労委員長が主催者あいさつ、全国じん肺弁護団連絡会議田中貴文幹事長が基調報告を行いました。

「トンネルじん肺救済法成立に向けて」(佐藤陵一全国トンネルじん肺闘争本部長)と「建設アスベスト給付金改正に向けて」(全国建設アスベスト訴訟全国統一本部事務局長)の決意と方針が述べられた後、裁判をたたかっている原告からの決意表明があり、長崎から参加した三菱長船第3陣原告のHさんが発言しました。

Hさんは、「亡くなった仲間や病気で療養中の原告の仲間を代表して東京に来ました」「11月7日に第3陣の長崎地裁判決があるが、(被告三菱重工業は)じん肺で苦しんでいる原告に対し国が認めたじん肺を否定している。何としても全員の勝利を勝ち取りたい」「全国の皆さんのご支援をよろしくお願いします」と心を込めて訴えました。