建交労長崎県本部

全日本建設交運一般労働組合(略称:建交労)長崎県本部のブログです。
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西日本石炭じん肺第4次訴訟福岡地裁判決にあたっての声明

2012年08月29日 11時41分18秒 | 西日本石炭じん肺訴訟
 8月27日の西日本石炭じん肺第4次訴訟福岡地裁判決にあたって、原告団と弁護団が声明を発表しましたので、以下、掲載します。


声明

2012年8月27日

西日本石炭じん肺訴訟原告団
西日本石炭じん肺訴訟弁護団


 本日、福岡地方裁判所は、西日本石炭じん肺第4次訴訟の判決を行いました。
 判決は当然に、日鉄鉱業の責任を断罪し、これで日鉄鉱業はじん肺訴訟で、実に34連敗となりました。このうち10回は最高裁の判決、決定です。
 日鉄鉱業は、このように敗訴判決を重ねて、どうして平然としていられるのでしょうか。賢明な同業他社や国は、どこも和解で早期にじん肺問題を解決してきています。悲惨な被害を受けているじん肺患者の早期救済の必要性を理解し、また、それが企業の利益とも考えているからです。
 私たちは、本年6月の日鉄鉱業の株主総会にも出席しました。
 かつて、日鉄鉱業は、覚書という自分の解決基準を得々と説明していました。しかし、今では、社長や役員は覚書の内容を知らず、覚書についての質問に答えることができませんでした。惰性で、機械的に覚書を適用しているだけであることが明らかとなったのです。
 この覚書がいかにひどいものであるかは、現在福岡地裁で争われている西日本石炭じん肺第5次訴訟の原告をみれば明らかです。原告の一人(83才)は、じん肺に合併した肺がんで手術も受けられず、判決までながらえることができるかどうかわからないと言われています。そこで私たちは訴訟によらない解決を申し入れました。この原告は、訴訟では1500万円の認容をされることが明らかです。しかし、日鉄鉱業は、覚書に固執し、25万6000円しか支払わないと回答したのです。やむを得ず提訴をしなければなりませんでした。このような重篤な患者に対してまで、覚書に固執し、最高裁まで争いを続けることを強いる日鉄鉱業の態度は、あまりにも非人道的です。
 本日の判決に際し、日鉄鉱業が、患者の苦しみを理解し、一日も早く、謝罪し、じん肺根絶を誓約し、和解によって被害を救済すべきであることを改めて訴える次第です。
 最高裁の3次訴訟、福岡地裁の5次訴訟と、闘いは続いています。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。

日鉄鉱業の34回目の敗訴が決定!西日本4次訴訟福岡地裁判決

2012年08月28日 09時37分48秒 | 西日本石炭じん肺訴訟

管理3非合併症に1800万円の解決基準額!
 西日本石炭じん肺訴訟第4次訴訟の判決が8月27日、福岡地裁第2民事部(永井裕之裁判長)で言い渡されました。判決は、被告日鉄鉱業(株)の加害責任が全面的に認められ、日鉄は34回目の敗訴決定です。訴えていたのは、長崎請求団のSさん、熊本請求団のYさん、大牟田請求団のEさんの3原告です。
 判決で示された解決基準額は、じん肺管理2の合併症1500万円、管理3ロ非合併症1800万円で、管理3の非合併症の金額としては過去最高額が認められました。粉じん職歴の按分については、5年以上の就労があれば全額、2年以上5年未満は3分の2、2年未満は全損害の3分の1と従来の考えを踏襲しました。
 Sさんの職歴は、日鉄鉱業で98ヶ月、A炭鉱197ヶ月、B炭鉱23ヶ月、C炭鉱30ヶ月ですが、日鉄以外は和解による解決を受け入れていますが、和解に応じない日鉄鉱業は敗訴したことにより、全額賠償をしなければならないのです。
 判決後、原告団と弁護団、支援の仲間は日鉄鉱業福岡支社前に行き、「控訴せずじん肺の全面解決をするよう」支社の担当者に要請文書を手渡しました。そして、福岡天神ビルに移動し「判決報告集会」を開きました。報告集会では、岩城邦治弁護団長、伊黒忠明弁護士、深堀寿美弁護士が判決内容について報告し、Sさんら3人が支援のお礼と引き続き頑張る決意を表明しました。
 西日本石炭じん肺長崎請求団事務局長 中里研哉

地域主権改革・国の出先機関廃止反対!キャラバン行動

2012年08月27日 14時12分46秒 | 活動報告
 建交労も構成団体の一つである、長崎県生公連(正式名称:長崎県生活関連公共事業推進連絡会議)は、8月24日、建設産業の発展で国民生活の安全・安心の向上をめざして、建設産業関係団体や発注者への要請・懇談に取り組みました。

 主な要請項目は以下の通りです。
①地域主権改革、国の出先機関廃止の見直し
②防災対策に必要な、国の出先機関の体制・機能の充実
③防災や公共住宅や下水道整備など生活関連・環境保全等の公共事業の推進
④日建連が提案する建設技能労働者の年収600万円を参考にした、設計労務単価引き上げ
⑤住宅リフォーム制度の創設、拡充
⑥公契約条例の制定

 要請、懇談した団体は、県建設業協会(20日実施)、全建総連・建設長崎、国交省長崎河川国道事務所、国交省雲仙復興事務所です。又、長崎から島原への移動途中、建設現場を訪問し酷暑の中で頑張る労働者のみなさんを激励し、現場の技術者のみなさんとも意見交換を行うことができました。


2012年(第23回)なくせじん肺キャラバン長崎行動の大枠が決まりました!

2012年08月22日 16時13分38秒 | 活動報告
2012年(第23回)なくせじん肺キャラバン長崎実行委員会(横山巖・戸田清・山道和則代表委員)は、8月21日に第2回実行委員会を開催し、本年度の取り組みを確認しました。恒例の「じん肺アスベスト学習交流会」は、福岡地裁で起こされている建設アスベスト訴訟の国嶋洋伸弁護士(写真)を講師にお招きしました。主な取り組みは以下の通りです。
 1、支援団体訪問 9月6日(木)8時45分大波止ターミナル集合
 2、長崎県知事要請 10月1日(月)10:00
 3、長崎市長要請  10月1日(月)10:00
 4、長崎決起集会  10月1日(月)12:15 中町公園(長崎市桜町 NBC横)
 4、長崎労働局要請 10月1日(月)13:30
 5、長崎県医師会要請10月1日(月)15:45
 6、「じん肺・アスベスト学習交流会」
   日時 10月1日(月)18:30 場所 長崎市立図書館メモリアルホール
   講師 国嶋洋伸弁護士(九州建設アスベスト訴訟弁護団)


元左官工の石綿肺がんの遺族請求が認められました!

2012年08月20日 13時42分23秒 | 活動報告
 アスベスト肺がんで死亡した元左官工の遺族請求を、環境再生保全機構に申請していましたが、このほど認められました。この人は、N病院に入院中、偶然にも建交労の組合員と隣どうしになり、申請の準備を始めて間もなく亡くなられました。
 左官の親方で、労災申請は無理でしたが「石綿健康被害救済法」による申請を行ないました。認定されたのは、解剖により胸膜プラークなどの証拠を示したためと思われます。本例は、生存中に解剖のことを本人と遺族に話していたため、解剖をすることができました。しかし、いざ解剖となると遺族の中には反対する人が出てきます。今度の場合も反対する遺族もおられましたが、本人の希望があったということで解剖につながりました。今後は、本人の「解剖同意書」をとっておくことが必要だと思われます。組合では、ひな型を検討中です。
 担当者 中里研哉