健康塾通信

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豆「五穀」も「五行」

2008年02月03日 10時45分21秒 | Weblog
きょうは節分、雪の朝になりました。節分は季節を分けることも意味するようですが、各季節の始まりの前日のことをいいます。
今年は立春を2月4日ごろとすると前日の今日が節分というわけですね。

今でも「豆まき」の習慣はどのくらい残っているでしょうか?大豆は畑の肉ともいわれ、主成分は良質なたんぱく質のほか、脂肪、カルシウム、ビタミンB1、Eを多く含んでいます。
古代から中国で五穀といわれるのは<麦・黍(きび)・粟・稲(米)・豆>で、五臓の食用や薬用になる穀物とされてきました。

さて今回はもちろんこの豆も入っている五穀も含め五臓の色体表(五行の配当表)からピックアップしてお話したいと思います。

< 五臓の色体表 >

(五行) 木・火・土・金・水

(五臓) 肝・心・脾・肺・腎・・・ 西洋医学の概念とは違うとらえ方の臓

(五腑) 胆・小腸・胃・大腸・膀胱

(五志) 怒・喜・思・憂・恐・・・ 感情の分類

(五味) 酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)・・・ 五臓の好む味。過食は害になる

(五季) 春・夏・土用・秋・冬・・・ 五臓の病を起こしやすい季節

(五色) 青・赤・黄・白・黒・・・ 患者の皮膚の色を見て診断

(五悪) 風・熱・湿・燥・寒・・・ 五臓の病の原因となる外気の性状

(五穀) 麦・黍・粟・稲・豆・・・ 五臓の薬用になる穀物                             

(五方) 東・南・中央・西・北・・・ 方位の配当


この表を参考にしていただき、たとえば五行の(木)の(肝)は(怒)ると異常をおこしたり、また肝をわずらうと怒りやすい性格をつくります。
また(肝)の病は(春)に多く、顔色が(青)くなります。また肝の病を防ぐためには(風)をさけ(酸)味を適量とると良いということになります。

また相生関係(母子関係)からみると、木(肝)は火(心)を生み補い育てるので(心)の異常はその母である(肝)の働きを向上させることで、その子である(心)に良い影響を与えます。
更に相尅関係では木(肝)の異常は土(脾)にも影響するので、肝と脾を同時に治療するということです。
この相尅関係を五志(感情の分類)にあてはめると、木(怒)を抑えるには(水)
憂(悲しみ)を働かせ、水(憂)に勝つには火(喜)びがあれば良いということになります。

そして節分の「豆まき」も「五行説」からの由来なのです。
「金」は硬く厄病という意味があって、鬼は象徴でもある金棒を持っているところから鬼もこの「金」ということです。
この「金」の作用をなくすのが、五行でいう「火」に当ります。(火尅金)
大豆というのは、とても硬いという事で、「金」に当り鬼ともとらえます。
これを火で煎る(火が金を溶かすという相尅関係)と同時に、豆まきで外や内にこの大豆がばらまかれて、人が食べてしまうことにより、鬼を退治することになります。
また、豆をまく事により、五行の「木」を助けるという事で、「春の気を助ける」ことから1年のはじめである「立春」の行事として伝えられています。


「五行説」・・これに基づいた習慣はまだたくさんあるでしょうね。
しかしこのような原理原則は経験医学から伝承されてきたものですから、現在日常生活の中で養生法としても、十分活用したいものです。

さあしんしんと降り続く雪のなか、「福はうち、鬼はそと!」の声がご近所から聞こえてくるようですね。