月下美人、見てきました!
月下美人といえば、年に一晩しか咲かない花。
何年か前に月下美人の絵を描いた時、いろいろ資料を見ていたら、一度は実物を見てみたいなあと思うようになり、
どうやら市内の植物園で月下美人が咲く頃、夜間特別展示されるということが分かったのですが。
なんてったって年に1度です。
調べてみると、特別展示は2晩だけ。
しかも開花予想が難しいため、開催決定は当日朝、というレアっぷり。
つまり、そろそろかな~と思ったらこまめに情報チェックして、かつ、決行のその日の夜、予定が空いてなければならないのです。
ゆえに、見たいと思いつつ数年が経過しておりました。
それが去る7月9日。
朝、出勤すべく車に乗り込むと、いつもつけっぱなしのFMから県内ニュースが流れてきた。
「...市植物園にて、昨夜と今夜、月下美人展が行われています」
キター!!!
ついに来た!ていうか昨日からやってたんだ!
あいにく今夜は暇ですよ!行くぞ念願の月下美人!
てなわけで、数年ごしの想いが叶ってついに生・月下美人。
開催時刻は19:00~21:30。
19時すぎに植物園に到着。
園内に足を踏み入れると、居並ぶ鉢植えたち。数十株はある。案内によると、月下美人は100輪以上咲くという。すごい。
しかし、
つぼみ。
そう、今から開くのです。
ぶっちゃけ空腹の私と連れの友人は思った。もっと遅くくればよかったんじゃね?
そしてちょっと怖いビジュアル。
でもそれは知っていた。絵を描く時、いろいろ資料写真を見た私は気づいた。
この花、花はキレイだけど、花以外の部分はなんかちょっとコワイ。茎がにょろっとしてるし。
しかもよく見たら、葉っぱからいきなりにゅっと茎が伸びて花をつけている。なんだその生え方。
さすがサボテン科。名前ほど繊細ではない。ちなみに原産はメキシコの熱帯雨林。確かにちと暑苦しい。花以外はね。
あ、あと、年に一晩だけ、というのは少々盛った話のようで、実際は数回咲くそうです。
とはいえ、こんなに一斉に咲くのを見れるのはやはり希少とか。
ちょっと早く来すぎたかな?という当初の不安を払拭するように、月下美人の動きははやかった。
20分ほどたった頃。
開いてきた!
花は大きく、大人の手の平ほどもある。
あ、背景が黒いのは、ちゃんと写真撮影用に花の後に黒い幕が設置されているからです。
そう、来てみて気づいた。月下美人鑑賞会。それはすなわち撮影会を意味する!
もう、誰もかれもがカメラを構えてシャッタ―押しまくり。スマホではなく、でっかいプロっぽいカメラを携える方も多い。
みなこの希少な花を写真におさめるべく夢中になっている。
鉢はたくさんあるけれど、見栄えのいいやつは行列が出来ている。いつの間にか、園内はたくさんの人でいっぱい。
そして、純白のこの花は、黒に映える。ていうか、黒にしか映えない!
あと花に寄らないと、その他のイマイチな部位が入ってしまうため、黒地に花のアップばかり撮ってしまう。
なるほど。資料写真がどれもこれもそういう構図だったわけが分かったぜ。
しかし、確かに美しい。
20時を過ぎた頃、満開。
後ろ姿は、にょろりと生えてる感じがよく分かっちゃう。
全体像はこちら。
ヒトの背を超えるものもあり、けっこうデカい。
熱帯雨林ですくすく育ってる様が浮かぶ。
園内の月下美人豆知識によると、月下美人は日本でやたらと人気があるそうです。
年に一度。純白の花。っていう儚さが日本人受けするらしい。確かに。
欧米では、白い花ばっかり=地味、ってことであまり人気が無いらしいです。
そうかー。闇に浮かぶ白が美しいと思うけどな。
あと、暗いからこそ、あまり儚さを感じない、昆布っぽい葉っぱとか、にょろにょろ伸びてる茎とかが目立たないしね。。
あ、夜に咲くのは、花粉を媒介するのがコウモリだからだそうですよ。
気が付くと、同じような写真ばかり撮っていたけれど、たぶん、月下美人撮影した人はみんなこうだと思うのよ。
でも、綺麗だった!満足!
花は、日付が変わる頃には閉じ始め、朝にはまたつぼみに戻っているそうです。
ただ一つ腑に落ちないのは、
事前に見た植物園のHPには「ホールは月下美人の花の香に包まれます」とあったので、
さぞかし甘い香りなのだろうと思いきや、
まず、そんなにニオイがしない(私基準)。近づいて嗅いでみる。
・・・・・う~ん。何と言いましょうかこれは・・・青臭いニオイ・・・。あとちょっと木の実みたいな香ばしい感じ。
ともあれ、それほど包まれたくはない香りであった。
ま。それも含めて初めての生・月下美人。堪能しました。
最後に手前みそですが、数年間前に描いた月下美人の絵を。
「真夜中の目撃者」
うんこれ作ってる時、背後の葉っぱとか茎がイマイチ美しくないので、なるべく目立たないように背景色になじませようとしたことを覚えています。