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みらいのダ・ヴィンチたちへ

できるかできないか。そんなことは明日に任せて、今このときを一所懸命に「ぼく・わたしは考えたよ。描いたよ。作ったよ。」

交換スケッチブックしよう

2015年05月19日 15時04分24秒 | 日記・エッセイ・コラム
入会時にスケッチブックを渡し、毎回一枚の絵(なんでもOK)を描いてくるように伝えています。学校や習い事が忙しい中でも「教室に来るクルマの中で描きました」と正直に、ブレブレの絵を持ってくる子。絵具でしっかりと描いてくる子。さまざまな情景とともに、その時々の想いがリアルに伝わってくるのが私の励みにもなり、その子の意欲に十分に応えたいとのおもいから、個別のアドバイスを挿絵とコメントに交えて返答している。
多くの中から二人を紹介します。Mちゃんはスポーツも大好きで、私からの難しい課題にも果敢に挑んでくる子です。壁を前にしてもMちゃんならできるよ!と挑発にも素直に乗ってきます。でも、ちょっと気をゆるめるとすぐに「できな~い。先生やって~。」と甘えてきます。もちろん突き放します。そんな挑発に対抗してか、私へ逆に課題を出してきます。「先生の考えた○○を描いてみましょう」「先生の好きな○○はどんなものでしょうか」おそるべしMちゃん先生です。
私も安易な受け答えはできません。先生だって、まだまだMちゃんの自由で豊かな発想に負けるわけには。ある時は先生らしく、またある時はマイッタと言わせるように、真剣勝負が続くことを、また、もう教えることがなくなって、終わりの時が早く来ることを願って。
Sちゃんは短歌が好きな少しシャイな落ち着いた子です。大きな賞の経験もあります。感受性が豊かで、自分なりの表現方法を模索努力しています。描画も頑張っていますが、やさしさがじゃまをしているのでしょうか、思い切った展開が出し切れていないようです。そこで、スケッチブックの自分の絵に短歌を添えるように伝えました。私も短歌を知らないながらも「短いおもい」だとおもって返答します。そこで気付かされたことがあります。アドバイスは的を貫く矢のようにスパッと伝えるほうが良い。弓道では矢を射る際、呼吸を止めるそうですが、そんなイメージでアドバスが出来たらと感じています。
子に伝えたい想いや実技指導は必要なことを、削いで削ぎ落として真意を伝え、あとは子にゆだねる。長々とアドバイスすることが本当に良いとは思わない。無責任な指導に聞こえますが間違いないことだと思います。
この春、第一期生の六年生が多く卒業していきました。新しい仲間も入りました。新しいスケッチブックを開いて、一人ひとりにいろいろな想いがあるでしょう。新しい芽(眼)が開かれることを願っています。
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大人が期待する出来栄え。

2015年05月06日 10時48分30秒 | 日記・エッセイ・コラム
小学2年生のある子が私に真剣に聞いてきました。「バナナはどうやって描くの?」
正直、アドバイスに迷いました。小学2年生という年齢期の一般論をここで記すことはやめておき、どのように対応したのかを反省も含めて記録します。まずは身近にあった図鑑を調べるように勧めます。しかしながら、図鑑(イラストではなく写真掲載のもの)を見ることも、その使い方次第で害にもなることも熟知しています。
たとえば、画用紙を前に描く動機も、記憶の引き出しも無い場合、図鑑の写真から記憶の糸口が見つかることも多くあります。しかしここで配慮したいのは、安易に写真の丸写しをさせないように、さらに関心を呼び起こすように話を続けることが大切になります。この子が何に関心を示したのか、記憶は本人にしかわからない。大人(指導者)はキリンの首の長さや模様の面白さに誘導することが多々あります。大人の価値観で決めつけてしまうことは、その子の自尊心を無視するものになります。
では具体的な進め方として、経験からお話しします。最終目標(画題)へ集約する誘導ではなく、深く広く展開する。子どものと対話の中でストーリー作りをアシストするに留める。「休日はどこへいったの?」「なにをしたの?」子「海へ行った」「景色は?」「どんな浮き輪なのかな?」子「青色だけど、、、。(そんなこと関心がないのになぁ)」これではお話が終わってしまいます。
「先生が子どもだったとき、その海でクジラといっしょに泳いだんだ!」「先生の泳いだ海の水は甘かったんだよ」子「うそつき!」「海の水はなぜ塩辛いのかな?」子「それはね。」冗談も交えて、子どもの回答にリアクションをつけてさらに話題をつなげてゆくことで、意外な関心事が浮き上がってきます。その結果、課題テーマから離れていくこともありますが、それでもよいのです。その子の関心事がわかっただけでも成果として今後に生かされるものになったのですから。その子は「ヤドカリ」を画用紙からはみださんばかりに大きく描きました。たいへんよくできました。

バナナの話に戻します。「バナナおいしいよね。真っ黒で、トロトロで、」子「なにそれ!バナナじゃない!」「え!先生はいつもトースターの中に入れて真っ黒になるまで焼いて食べているんだよ。今度やってみたら?」子「ほんとにおいしいの?」「さあ~?!」バナナがどんなものかが記憶が呼び戻されていくような、この先生に聞いてもダメだ。キョトンとした顔をしながらでも、自分で描こうと、図鑑を閉じてまた画用紙に向かいました。太くても、短くても、茶色をしてても、その子のバナナに違いありません。それでいいんだと、自信をつけてくれることを願って、わたしはヘンな大人を続けたのでした。
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描くということは、お話しすること。

2015年02月13日 16時35分32秒 | 日記・エッセイ・コラム
「描けない、描けない!」も心配ご無用!だれにでも苦手意識は少なからずあるものですね。それを無理やりゴリ押ししたところでできるはずはありません。好きなもの、描けるものを描けばいいのです。「ハムスターばかり描いていて大丈夫ですか?」だったら、もうたくさん!嫌になるまでハムスターを描かせれば、ほとんど子は違うものも描いてみようとなります。一年生には一年生のハムスターがあって、六年生にはどうしたら自分の描きたいハムスターになるのかという意欲がそれを描かせることにつながります。
心配いりません。あとはどのように関心を高めるかです。「ハムスターって何?」うそ~!ヒゲ先生ハムスター知らないの~!「それって美味しいの?」食べられないよ~!「だってハムって、あのサンドイッチに挟まっているやつでしょ~」ヒゲ先生!変なの~っ。そんな対話の中でいろいろな展開を導き、印象付けてあげることで、おもしろいとおもってくれれば。先生はあんな変なこと言ってたけど、おもしろそうだ、描いてみよう。
子どもは絵によって考えているのであって、絵を描く表現を目的とはしていないのです。
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チャンスは たてがみ にあり

2014年01月08日 14時49分14秒 | 日記・エッセイ・コラム


   チャンスは馬のたてがみを捉えるのと同じ。尻尾をつかもうとしても、すでに走り去り、追いつくことはできない。
今年もはじまりました。昨年も多くの子が入賞入選するチャンスがあり、私は幾度も嬉しい経験をさせくれた、この子達を誇りに思いました。今年の教室の目標のひとつに45回を重ねる権威あるコンクールへ全員の作品を挑戦させることがあります。全国審査の絵画コンクールですから容易いことではありません。いつになく厳しく、いつものように楽しく取り組みたいと思います。ご家庭におかれましてはよろしくご理解いただきまして、励ましをお願いいたします。
昨日のことです。入会して間もないひとりの男児(3年生)が始まる前にひとこと。「先生、はじめにお話しておきたいことがあります。ぼくは絵具が上手くありません。塗り進めるとだんだんとゴチャゴチャになり、ダメな絵になってしまいます」彼は受け答えがとてもしっかりとしている子です。
私は間髪いれずに「それは去年のことでしょ。今年はきっと違うよ。安心していいんじゃないのかな」鉛筆での下描き、構図の取り方、絵具の使い方、塗り方をひと通り見守ります。
 
学習要綱では描画習得が「一連の流れ」で教授されがちになっているように思えてなりません。つまづき、苦手意識が、どの年齢期に、何を経験して、どんな満足を本人が得られたのかが、よくわかりません。たとえばこの子は、構図や下描きは上手く こなせていますが、絵具になると途端につまづいています。ならばその一点だけを集中して伝えてあげることで、理解も容易に、わからないままスルーすることなく、次の段階に進むことができるのです。つまづいたその一瞬がチャンスです。その時のひと言が、つまづく石を払いのけます。
 
具体的にコツを伝えます。1:筆に絵具を含み過ぎない 2:筆の色を無用に変えない 3:先に描いた色が乾いてから別の色を重ねる その時々で、できるまで何度も何度も声掛けをすることによってコツは体得でき、色を自由に使いこなすことができるようになります。
 
「チャンスは たてがみにあり」すべての子にチャンスを!願わずにはおられません。 本年もよろしくお願いいたします。


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大漁だ~っ!

2013年12月12日 14時53分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

ガオー教室のしょうまくん1年生、はじめての課題が完成しました。電動糸ノコやドリルを使って木工工作に挑戦しました。八つ切りの画用紙に設計図を描いてイメージをつかみます。木板や蝶番を使う課題なので他のみんなのイメージは箱状や角角したものにならざるをえませんが、設計図を見てビックリしました。画用紙の真ん中にちっちゃなカジキマグロがチョコンと描いてあります。(慣れていません。はじめはどうしても小さくなるものです)なによりもカジキのあの見事な流線形を木板でどう作ればよいのか、戸惑いました。丸みを出すために削るわけにはいきません。どうしましょうまくん! 少しお話をしました。カジキマグロの特長は?色は?図鑑ではそこまでです。少し躊躇しましたが、カジキの危険性を大げさに演出して話しました。「あのするどい口先で大怪我することもあるんだって!尾びれではじかれたら、人間はひとたまりもないんだって!」しょうまくんのカジキの印象が変わっても変わらなくても、興味が湧いてきたなら成功です。創作意欲が全然違ってきます。

完成して持ち帰る時、お母さんに背びれが動くことを自慢していたしょうまくん。次回の課題はカレンダーづくりです。カジキマグロのようにでっかく跳ねてもらいたいと願っています。Rimg3917


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