「旅の始まりが静かなのは、途中の出来事を盛り上げる演出に過ぎない」なんて、思いを巡らせている出発前の教室玄関、その時、携帯のベルが鳴る。(もしや、、、。)ふたりと名古屋駅で待ち合わせ時刻の一時間前である「ヒゲ先生~いまどこ?僕たちもうホームにいるよ!」その後も、各駅停車ごとに携帯のベルが鳴る。「旅が始まったようだ、、、。」
快速みえはディーゼルエンジンを唸らせて入線。(電車ではない。軽油で走るのだ。いつもの乗り心地とは少し違うことを感じているようだ)ボックス席ふたつに座る。
「この列車は快速みえ、次は桑名、桑名、お降りのかたは、、、。」「えっ!もう降りるの?」「地下鉄じゃないから、まだ時間があるよ。」
みんな、切符を用意して「検札ってなに?お巡りさんが来るんじゃないの?」
「トイレどこ?1号車と3号車にあるんじゃない?」ワイワイガヤガヤ木曽三川の鉄橋を渡る音よりも騒がしい(他の乗客は少ないので許される)
JR関西本線桑名駅、乗換のためには右か左か、だれが案内サインに気付くのだろうか、後ろから様子をうかがう。しかしながら3本目の出発時間が刻々と迫っていることに、誰も焦る様子はない、かっちゃんが「左!」と誘導するあとをついてゆく他4名。三岐鉄道三岐線西桑名駅でのこと、行き先はどこ?運賃はいくら?切符購入機は一台、しかも鉄道各社すべて異なるタッチパネル、(ひろくん、たっちゃんはマナカが使えないことを事前に調べてある)出発ベルが長く鳴り響く、だめかな?乗り遅れるのはまちがいない。(駅員さんに許可をもらって)2名は切符なしで車両に滑り込む。「ヒゲ先生!切符持ってないけど大丈夫かな?」不安顔が車窓の景色どころではないことを強く訴えている。ひさくんが「ぼくたちこの電車に借金しているんだよな!」さすが、教室一二を争う楽天家。みんなで運転手さんの後ろに陣取って大丈夫!大丈夫と笑って過ごす。JR快速みえから遠くに小さく見えた藤原岳が、ナローゲージ先頭車両の小さな正面ガラスから、はみ出すほどに大きく迫ってくる。終点の阿下喜駅では、かっちゃんが駅員さんに無効印を押してもらい、大事そうに財布にしまった。(さすが鉄ちゃん)
駅のわきには古いナローゲージ車両が保存展示されているも、かっちゃん以外は、早く河原に行きたい顔。駅前のタクシーに乗り込む。運転手さんから「定員オーバーだな~」知ってはいたけど、そこは笑って。乗っている途中でお巡りさんを見かけたら、誰かが首を引っ込めるように伝えると、運転手さんが「今日は日曜日だからお巡りさんも休みかもね!この山(藤原岳)は何が取れるのか知っている?(セメントの原材料の石灰岩)向こうの尖っている山は三重県最高峰の御在所岳だよ。」ひさくんが「日本カモシカが捕れるんだ。焼いて食べよう」(天然記念物ですから!)
~後半へ続く~