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みらいのダ・ヴィンチたちへ

できるかできないか。そんなことは明日に任せて、今このときを一所懸命に「ぼく・わたしは考えたよ。描いたよ。作ったよ。」

夕焼け空のまちなみはオレンジに染まる

2025年03月19日 10時36分49秒 | 日記・エッセイ・コラム
AIに限らず図鑑や動画によって子どもたちは必要不必要に関わらず、半強制的に思考分野に投げ入れられた情報を疑いもなく、これを正しいものと錯誤している。これにより他人の作った情報や言葉を借りなければ、何事も表現できない思考の弱体化を多く見てきている。具体的には、昆虫や花を描き始めるも、すぐに手が止まり、充電切れのような情報切れをおこしてしまう。ライオンは横向きポーズで図鑑そのもの。花は真正面、葉はどれも同じ形。お決まりの描画の記号化が強く表れている。
自分の目で観察して(可能なら触って)、心でも感じ取り(感動や共感)、頭で分析(貪欲に)、手指脚を働かせなければ(情報収集だって待っているだけでは何も得られない)、自分らしい表現は広げられない。
以前、コラムにも掲載したものをあらためて。教室の西向きの大きな窓から見える夕焼け空。時間の経過とともにその何とも言えない不思議な色の変化に30年間四季折々に、何度も子どもたちに声をかけている。声をあげてそのスカイショー(古い言い方だな~)に見入る子。全く見ようともしない子(本人が選択した行動なので無理押しはしないが)。この差が感受性の発育に多大な影響を与えるのは言わずもがなである。夕焼け空の街並みはオレンジ色に染まる。これを理解するには年齢的に幅があるが、「見たことないから描けない」と答える子には空の色は空色、夜空は黒色以外に選択肢はないのでしよう。指導者として子どもの凝り固まった既成概念を破壊するには、それなりの覚悟が必要になってくる。

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ちいさな教えは役に立たない?

2025年02月12日 09時38分03秒 | 日記・エッセイ・コラム
 教室は祝日でも開講します。そうなると子どもたちの様子も十人十色、遊び足らない子、宿題疲れの子、午前中をぼんやり過ごした子、心ここにあらずの子が多いのも事実です。ヒゲ:「あっそうか、今日は学校なかった日だね。なぜお休みなのかな?」子ども:「祝日だからだよ」ヒゲ:「なんの祝日なのかな?」子ども:「知らな~い」学校での教務運営に担任先生も大いそがしなのはよく理解できますが、大人の役目として祝日の意味はしっかりと伝えなければならないと思います。 深読みはしませんが、子供たちに建国の意味を伝えることを避けているのか、先生自身に興味がないのか、子供側にも休みがあるのはうれしいだけなのか。そんななか、建国記念日の趣旨をしっかりと話す子も、学年を問わずいます。その子の担任先生が短くとも丁寧に話をしている情景が目に浮かぶようです。
 ダ・ヴィンチでは今、立体画の課題に取り組んでいます。テーマ概略としては遠くにあるものは小さく(明るく)、近くにあるものは大きく(濃く)することで、絵に奥行きが現れ、ものとものとの重なり合いが理解できるようになります。遠近画法の最初のステップです。ものを並列にならべるだけ、絵具の濃淡なく、ただ塗りつぶすだけのいわゆる「ぬりえ」からの卒業を目的としています。
 掲載写真は4年生の制作途中の状態です。なかなか「ぬりえ」から卒業できませんでした。少し荒行でしたが心を鬼にして、私が先に、ひと塗り、一筆だけ描いて見せ、あとは真似てみることを伝えました。色を、水量が、筆はなど難しいことはさらっと流し「大きな筆でサッと、細かく揺らしてグジュグジュと!大丈夫だいじょ~ぶ!」無駄なオーバーアクションと擬音で印象づけることでその子の記憶になるのでは。最後まで自らやってみて、空と草原の仕上がりに満足したのか、笑顔があったことに私も安心しました。完成が待ち遠しいです。





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スイッチしてスケッチした。

2025年02月09日 17時24分10秒 | 日記・エッセイ・コラム
「あなたの恐竜の作品づくりは最高!ヒゲ先生はよく知っているよ。でも今回はあなたに作って(描いて)ほしい飛行機があるんだ!挑戦してみないか」教室のカリキュラムは基本的に自由テーマではあるが、毎回、同じもの(対象物)を描く、つくる子が少なくない。だからといって私から無理に対象物を決めて与えることが、本当に良いものかは難しい判断を伴う。本人のノッてる状況を潰しかねない。また、その対象物を過去の経験から拒否している場合もあるから。しかしながら、往々にして思考が停止しまう。そんな時は、あっさりと切り替えることを伝える。画用紙を裏返して「休憩タイム!」と称してリセットさせると意外にも速攻でよいひらめきが生まれ出るものです。
今日も寒い日になることは覚悟していましたが、蟹江町にある歴史的重要建築物に指定されている醸造会社の建物を目指していきました。現地に立ってすぐに、私のファインダーがつぶやきました。「整然としていて、遊べない」恐れ多くも景色に不満を言うつもりはありませんが、時間を掛けて、どこをどう見渡しても意欲が湧いてこないのです。諦めてクルマに戻って一息していると、100m先、橋の欄干が目に留まりました。どこにでもありそうといってしまっては申し訳ないですが、昭和初期のつくりでしょうか、コンクリート製ですが、ゆるやかな円弧に惹かれました。醸造会社の鉛筆の下描きを消して、気持ち新たに描き始めました。スイッチして良かったな~ぁ。
蟹江町 昇平橋にて



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コンコン⁉コンコン⁉

2025年02月07日 10時29分04秒 | 日記・エッセイ・コラム
雛がタマゴからかえろうとするとき、内側から殻をつつく「啐」(そく)
親鳥は外側から優しくつつき返す「啄 」(たく)啐啄:調べてわかったことですが。そこには親から一方的につつくことはしないし、また親が殻を割る手伝いはしないという。双方の呼吸合致してこそが自発、自覚 の始まりの始まりだと思います。
この教室はカリキュラムの定期的計画などというものは持ち合わせていません。そんなのおかしいですよ。一方的な進め方なんて。ある意味で自由気まま、ほったらかしです。誤解されてはいけませんが同じ時間のクラスでも、各自バラバラなテーマに取り組んでいることは日常です。一年生も六年生も同じテーマに取り組んでいます。その差異はあまり問題ではありません。私からはそれぞれの自発に沿った、ちょこっとだけ高い要求をしています。「無理無理!できない!」の声は聞き流しています。(本当はできるのに、逃げているのはわかっているのに)一人ひとりの様子は細かく察知して、まずは個別に「ちょっかい」を出します。指導はそのあとにして。これが効くんです。
「なるほど!」と気付く子には、多くを説明せず、間違えそうになってでも、そのままに。また、反応が弱い子には、あの手この手、猫の手を借りてでも揺さぶりをかけます。あくまでも「ちょっかい」が大切なんです。その先を教えてしまっては、その子の自発、自覚の成長を邪魔する指導者として最悪の行為なんです。
先日、四年生のひとりが教室蔵書の中学美術1の教科書をジィーと見ていたので、やってみるか!と声をかけた。点描画はおもしろいぞ!と揺さぶりをかけた。その子の気付きに私もチャンスをもらい、久しぶりに筆を取ってみた。
自身がしたいと自発、自覚した時、少しのズレもなく、目の前に師が現れる。まさに私の師は子どもたち一人ひとりなんです。
三月、卒業生からもよく聞くのは「ヒゲ先生はひっつこい!」そのひっつこさが、その子の将来に活きると確信しているからに違いありません。この四月も多くの子との出会いが待ち遠しく、期待しています。かかってきなさい!


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寒い日は図書館にかぎる。

2025年02月04日 17時54分59秒 | 日記・エッセイ・コラム
猛烈な寒波が襲来するとラジオが繰り返す。昨夜、久しぶりにスケッチがしたくなってネットで探したのに。出鼻をくじかれ、朝の寒空を見上げながら「あんまり無理するな」という声が聞こえたような気がした。読書でもするか。魔法瓶にブラックコーヒー、ビスケット、ミカンひとつカバンに入れて、向かった先はいつもの「おおぶ文化交流の社 図書館」明るくゆったりとした空間で読書に集中できる、お気に入りの図書館のひとつです。ちなみに小牧市、豊田市の中央図書館も素晴らしいスペースですが、なにせ遠いのが問題。蔵書も含め、N市立M図書館の乱雑な雰囲気とは天地の差、(私の税金は何に使われているのであろう)いや、知的価値格差の何物でもないと思う。
ロビーのテーブルでホッと一息、ティーブレイク。「あぁ~スケッチしたい」
帰路にちょこっとだけ寄り道して大倉公園へ。やっぱり寒いので15分で描き上げて、満足満足。春よ来い、早く来い、スケッチしたいといっている♬
「茅葺門:国登録有形文化財」
あっ、借りた本は「老人と海:アーネスト・ヘミングウェイ」30年ぶりに再読、良い気付きがあるといいな。きっとあります。

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