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日常の視点

ビーフシチュー

2006年12月08日 | kitchen
ずっと欲しいとおもいつつも、お値段の高さと各メーカーの性能の違いなどがわかりにくくて買えてなかった、「圧力鍋」。

なぜに、そんなに圧力鍋を気にしていたかというと、
それはやっぱり小さい頃からの母の料理の思い出。

うちの実家では、母がやたらと料理が上手で
普通のなんの変哲もない料理1品1品が、本当に滋味というかしみじみとおいしくて安心する味でした。

中でも毎日の米の炊飯は研ぐところから私の担当だったのだけれど、
米を研いだら、圧力鍋に平らになるように研いだ米を移して、
そこから私の中指の第一関節までの高さの水を足して調節して
ガスで圧力炊き。

圧力がかかってシュッシュと音がしてきたら、弱火にして時計を見ながら
火を止めるタイミングを計るという一連の動作が
当時の私としては、とても楽しくて、
責任をもって米をおいしく炊く努力をしていたことが思い出されます。

私は母の方針で、あまり市販のおやつや甘味料の類は食べさせてもらえなかったのだけれど、
大体いつも学校から帰ってきて台所に向かってふたを外してふきんがかけられた圧力鍋の中を覘けば、
ふかしたサツマイモやジャガイモ、甘い豆類や、蒸しパンとかが何気なく入っていて、母が働きに出ていてもそういうのが母の存在を感じさせて、
とりあえず長女の私には兄弟の面倒を見るのも心強かったな~ということが

多分当時の母の年齢に近づくにつれて、とてもありがたく感じてしまって
その当時の母の料理を再現したくなってしまう今日この頃。

リリーフランキー氏ではありませんが、私も立派なマザコンの一種なのかもしれません(笑)。

さて、そんなこんなで、やっと先日購入したティファールの圧力鍋で
初めてうちで作ってみたのは、ビーフシチュー。

まずは、牛肉に圧力をかけてみたかった(笑)。
母が作ってくれたビーフシチューみたいなのを私もあの時の圧力鍋の雰囲気で作ってみたかった!
ただ単にそんな理由で作ってみました。

材料の、玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトピュレ、オレガノはもちろん自家製の畑栽培のものを使って。

牛肉とデミグラスソースとホワイトマッシュルームはスーパーで買ったものを使いましたが
ほぼ、うちにある材料でできたところも密かな喜び。

母もこんな喜びを感じたくて家庭菜園をしていたのだろうか?
なーんて考えるのもまた楽しかったりして。
こういう思い出を残してくれる家の存在は本当にありがたいと思います。

そんなこんなで、たったの40分足らずでできてしまったビーフシチュー。
(肉の下準備のワインの漬け込みの時間は前の日からしていれば大丈夫♪)

たくさん使いたかったから、オーストラリア産の安い牛肉(それも半額になっていたものを(笑))を使いましたが、繊維がホロホロと崩れるような
牛スジ煮込みカレーの牛肉みたいな、そんな本格的なできばえに
思わず「シンジ・ラレ・ナーイ」とヒルマン監督風に言ってしまいます。

普通は、無水鍋とか寸胴で作っていたビーフシチューですが
それとは違ったできばえに圧力鍋の威力を感じてしまいました。

クリスマスには、圧力鍋でローストビーフを作ってみようか、
とかお正月用に豚の角煮もいいよね、とかテンション↑↑揚がり調子です。

メイクもそうだけど、いい道具(ブラシとかパフとか)があると、
簡単にいいできばえが期待できるとなると、道具って大事だな~って思います。

普段は質素だったけど、器や包丁や鍋、装飾品だったら真珠にびっくりするほどお金をかけて長く大事に使っていた母の合理性や贅沢の真髄のようなものをふと思い出してそれを当たり前のようになぞっていっている現在の自分にちょっとびっくりしました。

今日は母の60回目の誕生日。

私も母のように毎日の食事を愛をもってそんな風に大事にしていきたいな~









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