クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

中古クラヴィコード

2012-12-28 12:47:21 | Information
商談中です(2013年6月10日)


2008年に製作したFF-f3 61keys fretted のクラヴィコードを販売します。長さは160cmと5オクターブの楽器としては標準的なサイズですが、幅が43cm、楽器本体の重量は22kgと、frettedとしたことで5オクターブの楽器としては軽量、細身になっています。これまで手元においてコンサートやレンタルに使用してきました。イタリア、マニャーノで2009年に開かれた第9回国際クラヴィコードシンポジウムで展示。コンサートやレクチャーで使用されました。
今年の夏に低音弦を巻線に張り替えました。イタリアの帰途に響板が破損したので修理していますが、修理痕はほとんどわかりません。
価格は75万円です。

この楽器のwebページ
http://www2.plala.or.jp/clavier/clavichord/clavichordFF-f3.html
筒井一貴さん演奏のビデオもあります。

イタリアでの様子はこちら
http://pub.ne.jp/clavier/?cat_id=132818

興味のある方はこちらへメールでお問い合わせください 。mail@clavier.m001.jp

leather covered tangent

2012-12-28 12:27:11 | Instruments
CDに入っているafter anonymous Italy, c. 1600 の音を聴いてみました。低音、中音、高音それぞれのトーンキャラクターは「修道士のクラヴィコード」ととてもよく似ています。若干柔らかく感じられるのは革を被せたタンジェントのせいでしょう。際立ってソフトというよりは柔らかめという感じです。Tournayさんから送ってもらったオリジナルの写真の中から、タンジェント部分を拡大してみました。

確かにタンジェントの先端に革のようなものが被せてあるのがわかります。先端を包むように折り曲げて止めてある部分に白いものが見えるので、糸かなにかを巻いて固定しているようです。
ブックレットには 、オリジナルの蓋には "spinetto celeste"「天上のスピネット」と書かれているとあります。革を被せたタンジェントの楽器をこのように呼んだのでしょうか?それともこの楽器の柔らかい音色を賞賛してこのように表現したのでしょうか?いずれにしても興味の尽きない楽器です。