広告代理店はイヌと同じだ!【表】

現役広告営業マンの日乗
~表題は某社宣伝部長の金言から(3/19参照)~

「検索エンジン」に期待するのは「回答」ではない

2013-03-30 07:32:28 | ニュース
昨日の日経からテークノート。

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■ヤフーと「LINE」のNHNジャパンが28日、インターネット検索で提携すると発表

3/29 日経

・機械的にキーワードを検索するヤフーの検索手法と、NHNのユーザー参加型検索サービス(NAVER)を「融合」
  ↓
 個人の投稿を独自にランキングし、人気の情報を検索結果の上位に表示する。
  ↓
 人の主観や好みを反映する「ユーザー目線の新たな検索手法」を提案し、幅広い利用者を取り込む。

・「ロボットでは難しく、人手でなければできない検索がある」(ヤフー社長&NHNジャパン社長)
  ↓
 コンピュータがデータを集めて結果を表示する「グーグル型検索」は「もう古い」。(記者発表は)そんな認識を伺わせる内容だった。

・両者の検索サイト
ヤフー検索=月間閲覧数479億ページ(国内ポータル最大)
NHNジャパン参加型検索サービス「NAVER」=約4100万人が利用。月間閲覧数12億2800万ページ。

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Yahooが「検索手法」の新スタンダードを生み出すべく動き出した、
と言うことなんでしょうか?




グーグルサイトの「会社情報」には、ご承知の通り、こう明記されています。

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Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。

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つまり「整理」なんですね。




一方、ヤフーが目指すのは、

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ヤフーの宮坂社長は「Yahoo! JAPANは、世界一“回答力”があるサービスになることを目指している。人手を介して情報をまとめたメディアとして圧倒的な回答力を持つNAVERまとめと提携することで、Yahoo! JAPAN全体の回答力を高めたい」と話した。

(2013/03/28 ITpro「ヤフーとNHN Japanがネット検索で提携、NAVERまとめ取り込みで「回答力」高める」)

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「回答力」ということらしいです。



因みにこの「回答力」を示す具体例も記者発表で提示されたようです。

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 提携後の姿として、宮坂社長は新たな検索結果の例を披露した(写真3)。「花見」というキーワードで検索すると、従来のYahoo!検索結果では、花見というキーワードに関するニュース記事や花見スポットの解説サイトなどが検索結果上位に表示される。提携後の検索結果では、NAVERまとめにある「花見に持っていきたい便利グッズ」「桜を楽しみたいレストラン」といった、より行動に即した情報を検索結果上位に表示する。

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「整理」と「回答力」では明らかにコンセプトが違いますよね。
これはエラい違いだと思います。




■我々が「検索エンジン」に期待すること。


我々が「検索エンジン」という言葉に期待する、
と言うか、
「検索エンジン」という言葉が示す役割と思い込んでいるのは
「整理をしてくれる」の方で
「回答を出してくれる」ではない、
と思います。


なので、

つまり
ここでヤフーがやろうとしているのは
我々がこういうものだと思っている「検索エンジン」ではない。
まず、そう思います。

グーグルが開発したものを
検索エンジンだと思ってキーワードを打ち込むと
多くの人にとっては
「余計なお世話」な結果が表示される、
「役立たず」なシロモノになる可能性が高い(笑)。




これだけ情報が氾濫すると
我々には情報をセグメントしてくれる存在が必要です。

「検索エンジン」は
そのための便利なツールの一つです。

グーグルはそれを「ロボット」で
誰かの主観を交えず、
行っています。

これはあり、だと思います。

しかし、
誰かの主観や意見、嗜好でそれをされるのは
ちょっと「?」です。
「誰か」と規定した瞬間に
それはマスのモノではなくなるからです。

しかも
その誰かが
「NAVER」の集積ということだとしたら
「?」「?」「?」「?」
です。

お前に回答してもらいたくねぇよ、
みたいな(笑)。




■「回答」という言葉の概念


人間同士でも、
つかみの良い人と悪い人がいます。

こちらが投げかけた質問に対して
的確な答えを返してくれる人もいれば
トンチンカンな答えを返してくれる人もいる。

前者は、質問を投げかけた質問に対して
瞬時に相手の立ち位置、意図をくみ取り
それに対応した答えを出す人。

後者は、それができず、
自分の立ち位置、意図から答える人。

また、
質問する方も
質問したい相手としたくない相手がいます。

例えば
IT関連のことをキャバ嬢に聞きたいと思わないし、
ファッション関連のことを宮内庁の役人に聞きたいと思わない。

「回答」というコトバを使うと
例えば、そんなことが発生します。

検索に対して「回答する」と表明するということは
検索エンジンがこうしう課題をクリアして
質問した各自にそれぞれ納得する答えを出す、
ということに繋がると思います。

日本だけで人口1億2千人以上の違う人がいるんですから
そんなことが可能なんでしょうか。

それができたら、マジに凄いですよね。





■「検索エンジン」と並ぶ「新しい概念」が生まれることに期待


ヤフーの開発しようとしているものは
「検索エンジン」という概念の枠には
ハマらないモノだと思います。

「検索エンジン」と考えず別物だと思うと
逆に、ぐっと期待が高まります。


到達点はどんなところなんでしょうか?

・質問を打ち込むと、誰かが「回答」を出してくれるモノ?

・キーワードを打ち込むと、それに対する「民意」が分かるモノ?

・「NAVER」のまとめエンジン(レベル)?

    ・
    ・
    ・
どんなレベルのモノ?


そして果たして、
ヤフーは、どんな「概念の提示」=「ネーミング」をするんでしょうか?

それによって、

価値が全く変わると思います。



次の展開が、とっても楽しみです。




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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”
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