広告代理店はイヌと同じだ!【表】

現役広告営業マンの日乗
~表題は某社宣伝部長の金言から(3/19参照)~

主婦には「家事の時短」が、とっても響く (らしい)

2013-05-26 06:44:56 | マーケティング
これは24日(金)の日経記事。

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■花王が8月に「洗う時間、半分の洗剤」発売
0527 日経

※花王は汚れを素早く落とす洗剤の新しい技術を開発した。

洗浄にかかる時間を従来品の半分に圧縮した衣料用液体洗剤を8月に発売する

洗濯1回当りの電力使用量の削減と合わせ、家事にかかる時間短縮の効果を働く女性に訴える

※新技術効果とターゲット
花王によると、
一般家庭の平均で10分の洗浄が5分になる

新商品は「時短」を売り物として
5割が夜間洗濯をしているという「働く女性」の需要を取り込む

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この記事を読んだとき、
家事に疎い男の私には、
「5分の時短? それがそんなに響くのか・・・?」という気持ちがあったんで
ちょっとネットで調べてみることにしました。


そしたら「家事の時短」というのは、
今の主婦にとっては想像以上に大きなテーマなんですね。



■主婦の間に根付いている「時短需要」


まず背景として、震災後の節電志向の高まり。これが前提としてあることを再認識。

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節電・節水に役立つ「1回すすぎ」の洗濯用洗剤が
この夏(2011年)、経済産業省が推奨した製品としても注目されました

2011年12月15日 日本石鹸洗剤工業会

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「時短」をキーワードに検索してみると
それに紐づいた、商品やキャンペーンが無数に出てくるような状況。

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食器洗い時間の短縮

主婦の食器洗い時間は1日平均「25分」、年間にすると約1週間!
「天然アロマオイル配合の台所用洗剤」なら1回5分の時短を実感
おっくうな食器洗いがポジティブに感じる「ポジ家事」を実現
ライオン株式会社 2011年10月31日 14時00分


〇洗濯時間の短縮→すすぎ1回

大手小町トピ「すすぎ1回の洗剤」
毎日jp(毎日新聞):「すすぎ1回」の洗剤、本当に1回で大丈夫?
All About「節電洗濯のツボコツ3ヵ条」


スギ薬局&ライオン「超コンパクト洗剤で時短応援!キャンペーン」
ちょうど、今(0514(火)~0708(月)まで)をやってるみたいですね。

等々・・・

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「ライオンの芳香剤」については、
よく読むと“天然アロマオイル配合の台所用洗剤を使うと「食器洗いの時間が短く感じる」人が多い”ということで、
実際に短くなるようではないですね(笑)。

まぁ、「短く感じる」ということが引きになるくらい、
主婦は意識しているということなんでしょう。


で、最初の「花王の記事」に戻ります。




■花王の今回の新商品の価値とは

ざっと調べてみて分かったことなんですが
これまでの洗剤が「時短」に貢献できたことは、

・すすぎ回数を1回にする=1回の洗濯でも泡落ちが複数回の効果と変わらない
・食べ物の汚れを予防する=汚れが付きにくくなるので洗濯に時間がかからなくなる

みたいなことが主だったんですね。


それと比較すると「花王の新洗剤」の凄さが分かります。


何しろ

「汚れを素早く落とす洗剤の新しい技術を開発」

「洗浄にかかる時間を従来品の半分に圧縮」

ということですから
これは「洗剤効果」という本質の改善ですね。

従来の洗剤のソリューションと次元が違うということなんだと思います。


今夏以降は
他メーカーも「洗浄効果勝負」の土俵に巻き込まれることになるんでしょう。
これは大変ですね。





■マーケティングのチカラ

今回の洗剤の例に限らず
花王は、
一見飽和していると思われる市場に
新しい価値観を持ち込み
自分の独占市場を強引に開拓してしまうから凄いですね。


考えてみれば、
ヘルシアしかり、
クイックルワイパーしかり。



マーケティングのチカラで
市場そのものを創造してしまってます。
(因みに「すすぎ1回洗剤」ブームを作ったのも花王みたいですね)



今の時代、
マーケティングの専門家には
「消費者がどうしても欲しいと思うものがなくなった」、
みたいなことを言う人も多いですが


消費者がどうしても欲しいものがなければ
消費者がどうしても欲しいと思われるものを
見つけて作りだせば良い。

それができるのが、「マーケティングのチカラ」

と、いうことなんでしょうね。

(後付けの原因を考えるのがマーケッターの仕事ではないということです)





マーケティングの専門家である(筈の)総合広告会社は
今こそ、そのチカラを自分のために使う時だと思います。

ご同輩、頑張りましょう。



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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”

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