港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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『7月5日』

2019-07-04 18:05:26 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆ジャン・コクトー Jean Cocteau (1889.7.05~1963.10.11)



詩人、小説家、劇作家、評論家、画家、映画監督、脚本家など数他の肩書を持つフランスの総合芸術家です。
セーヌ・エ・オワーズ県のメゾン・ラフィットで生まれました。高校生時代は文学に没頭しすぎて大学受験に失敗したため
進学を断念し、音楽・文学のグループと親交を温めました。1909年に自費にて最初の詩集『アラディンのランプ』を発表して
以来、小説、戯曲、作詞など多方面のジャンルに多くの作品を残しました。
1920年代半ばになると前衛映画運動が活発になり、以前から交流のあったルネ・クレールの影響もあって、パトロンとなる
ド・ノワイエ子爵の資金により、1930年に現世から異次元に入り込んで夢想の世界を垣間見るという短編映画『詩人の血』を
初監督して世間を驚かせました。
その後は一時映画をはなれて旅行や文学に専念していましたが、1944年に友人マルセル・レルビエ監督の脚色と台詞を依頼
されたことで再び映画界に戻り、同年にみずから書き下ろした脚本によるジャン・ドラノワとの共同監督として『悲恋』を
発表しますが、ドラノワ色が強く一般的にはドラノワ作品と解されています。次いで、1946年には『美女と野獣』を発表、
少年の心を持つコクトーが現代風にそして詩的にアレンジして見事なファンタジーに仕上げました。
その後、自作の戯曲『双頭の鷲』『恐るべき親達』 を映画化して大いなる話題を提供し、1950年にはフランスの映画史に
燦然と名を残す『オルフェ』を発表しました。
この作品はギリシャ神話のオルペウス伝説を基に、死と生の境を彷徨する詩人の姿を幻想的に映像化した感覚的な作品で、
夢想した唯美主義を映像化するためにトリック撮影をふんだんに盛り込み、造形的でかつ魔術的な視覚表現に彼自身の詩を
重ね、鏡を媒介にして冥界と現世が詩的に交差するという俗世を超越した夢幻の世界を築き上げました。
コクトーは製作に関して「スクリーンは私の夢の実態を映し出す真の鏡である」と語っており、また、「詩人はつねに真実を
語る嘘つきである。」そして「芸術は意識と無意識の融合である。」という名言を残しています。コクトーの作品については
自由な発想と私的な感性が実を結んだ耽美的な幻影であり、俗世を超越した夢幻の世界にただただ浸り込むだけでよいのかも
しれません。
1960年にコクトー芸術の結晶といわれた『オルフェの遺言』の発表以後しばらく映画から遠ざかっていましたが、1963年、
大親友であった偉大なシャンソン歌手のエディット・ピアフが死去、そのショックでその夜に心臓発作を起こし、ピアフを
追いかけるように亡くなってしまい、一夜にしてフランス全土が二重の悲しみに打ちひしがれてしまいました。

【主要監督作品】
1930年『詩人の血』 Le Sang d'un poète 

1944年『悲恋』 L'éternel retour 

1946年『美女と野獣』 La Belle et la bête 

1947年『双頭の鷲』 L'Aêtes

1948年『恐るべき親達』 Les Parents terrigle à Deux Tibles 

1950年『オルフェ』 Orphée 

1960年『オルフェの遺言』 Le testament d'Orphée



【ご命日】

★レオ・マッケリー Leo McCarey (1898.10.03~1969.7.05)



スラップスティックコメデイ出身でヒューマニズムあふれる作風で人気のあったアメリカの映画監督。
主な監督作品として『我輩はカモである』『新婚道中記』『明日は来らず』『我が道を往く』などがある。


★ハリー・ジェームズ Harry James (1916.3.15~1983.7.05)



スイング・ジャズ全盛時に、甘くセンチメンタルな魅力で一世を風靡したアメリカのトランペット奏者・楽団指揮者。
主な演奏曲として『スリーピー・ラグーン』『お久しぶりね』『スターダスト』などがある。