湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

雪柳を見ていた

2019-03-25 15:01:28 | ポエム
雪柳が枝垂れて
雫は落ちていく様を見ていた
 
 
昨日はあんなに嵐のようで
今日はこんな暖かな春の日で
 
 
雪柳が枝いっぱいに
クチバシをひろげて
いっせいにおしゃべりする様で
やっと春だったんだねって思う
 
 
小さな蕾は
雪のなごりのように
 
 
けれど
もう雪は降らないんだよって
約束したからねって
言うのよね
 
 
月日はめぐる
 
知らず知らずに
 
 
これで最後かも
 
これで見納めかもと
 
 
心が揺らぐとなおさらに
 
美しいものを目に
焼き付けてしまいたくなる
 
 
人は明日
 
どうなるか分からないもので
 
言いたいことや
伝えたいことは
 
その場で言っておくほどに
自分が自由に得られるような気がする
 
 
それが重い言葉だとしても
それが聞きたくない言葉だったにしても
 
 
意を決して放たれる言葉の重み
 
しなだれる心
 
けれど
その柔らかさゆえに
幹は強く
繊細な小さな花を蓄える
 
 
 
雪柳のように
 
折れない心
 
冬を越えてきた強い心
 
 
映し出されていくのを
目にすると
 
小さな花でも
その塊が圧倒的な時間と
美しさの印象を残す
 
 
春だったんだね
 
 
始まりと終わりの確認作業の季節
 
 
それは、一瞬の背中合わせをした時から始まる
 
 
私はせめて
雪柳が名残惜しくて
リースにして残すことにしょう
 
 
 
 
 
 
 

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