湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

あなたの名を呼ぶ満月

2017-10-03 20:00:56 | ポエム
心待ちにしている形は
胸に両手を押し付けて
合わせ祈る姿


きっと
この鼓動を落ち着かすためか
いつの頃からか鳴り止まない鼓動に
戸惑っていたのか。


この手を自然と胸におき
なで下ろす形で
心を解きほどき
胸踊る日々は短いことを知る



繰り返される毎日
繰り返される願いと感謝


幾時も
手と胸は
合わさり


歓喜に震えるものか
嘆きに堪えるものか


この心臓の鼓動とともに
私は歩いていく


呼び止められて
振り向く否かは
それは、定められた運命によるもの


わたしの名を呼ぶ人は
いったいどこにいる?


あなたの名を呼ぶ者は
紛れもなくここにいる!


帰るべきところへ帰るのならば
呼び止めはしまい


月の光とともに
影となりゆく姿を
ただただ見送ろう


月は知っている
銀の涙を


月は知っている
あなたの名が
美しい響きとなることを


満月の蒼い光を纏うとき


そっと思い出の
あの歌を思い出すでしょう




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兄へ

2017-10-03 06:52:14 | ポエム
もう
遠い遠い空の向こう


もう
はるかはるか昔


むっつ違いの兄を
空におくったっけ


今日
兄の命日で


その日のことは
昨日のように覚えてる


どのくらいの深い
人の苦しみや哀しみが
あるのかと
初めてしった日



あれから
自分の年が
兄の年を追い越したとき


兄に
ずっとずっと
家族を
見守ってほしいと
手を合わしつづけていた



悲しみに
打ちのめされた
夫婦は


2人揃って
その息子の干支を3回見届けて


いまは
遠い空から
息子が迎えに来るのを
今か今かと
待ちわびる歳となった




私は
兄にまた手を合わす


穏やかに
穏やかに


私達を
見守ってくれてありがとう
私はもう
大丈夫だから


だから
今度はこの2人の
案内をよろしくと


遠い西の
空のかなたにむけて


穏やかに
静かに


2人が望むことだから


私は
今生で
たった1人になったとしても
もう2人を
連れて行かないでって泣かないから










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