ちょうど1週間前、「
iPad で電子化した書籍は読めるか?」というエントリを書いた。その後、またいろいろ試してみたので、結果を紹介したい。
東京カレンダー 2010年5/6月号
Windows Phone でもおなじみ NetFront Browser の ACCESS社が開発した「NetFront Magazine Viewer」のサンプルアプリとして配布されているビューワーを利用した「東京カレンダー」&「東京情緒食堂」のサンプル版だ。
いわゆる紙の雑誌を元にした電子雑誌がでてきたら、こんなスタイルになるんでしょうね、という姿を一足先に見せてくれる。iPad のスクリーンの美しさもあって「おお!」と思う。しかし、元々の解像度がそんなに高くないせいか、あまり拡大はできないので、写真を拡大してもあまり綺麗にはならない。
もう一つイマイチなのは、ページを拡大すると、ページがめくれないことだ。一旦、小さくしてからでないとページがめくれない。さらに、拡大縮小を繰り返しているとページがまったくめくれなくなることもある。ありゃま。まあ、サンプル版アプリと言うことなので、今後頑張って欲しい。
Cloud Readers に JPEG版のPDFを
自分は、雑誌を買うと、デジカメで写真を撮って電子化している。
ということで、試しに、この中から1冊分の JPEG写真を連結して、PDF化してみた。
おおよそ 80ページを見開きずつ 40枚強の JPEG写真だ。1枚あたりは、2.5MB ~ 3MBほどだ。でもって、これを Adobe Acrobat 8.0 で、1本の PDFファイルに。サイズはおよそ 140MBほどになった。これを、Cloud Readers に入れてみると、何とか表示はできる。
しかし、同ソフトの注意書きにもあるように、数ページおきにページ送りに失敗して、快適に流し読みと言うわけにはいかなかった。が、まあ、本当にページを読むのであれば、パラパラめくることもないから、そんなにストレスに感じることもないのではなかろうか。
GoodReader
iPad というか、iPhone の PDF Reader としては、GoodReader というソフトが人気なんだそうだ。ということで、すでに転送したファイルを、こちらでも見てみようと思ったが、Cloud Readers 上の PDFファイルは、この Good Reader からは見ることができなかった。
ということで、気を取り直して、Good Reader にもファイルを転送して、閲覧してみた。
Cloud Reader よりも若干表示が遅い印象だが、ファイル管理などの機能は優秀そうだ。
日本の雑誌のように、右手でめくっていくタイプの雑誌の場合、Cloud Reader では、右から左に文字を読み、右から左にページをめくるのがちょっと違和感がある。一方で、GoodReader の場合には、ページは下から上にページをめくる (つまりスライドする) ので、少しだけ違和感が緩和される印象だ。にしても、ワンテンポ遅い印象が…。
iPadのメディア管理
GoodReaderを入れてみて気が付いたのだが、Windows Phone と比較して、iPad もとい iPhone OS が、もっとも不自由だなあと思った点は、ファイル管理がアプリケーションとひもづいている点だ。Cloud Readers 用に転送したファイルは、Cloud Readers でしか再生できないし、GoodReader 用に転送したファイルは、GoodReaderでしか再生できない。
iPhone / iPad にあって、Windows Phone にない、最大の魅力が、GPU を利用したサクサクした動作なわけだが、このようなアプリとファイルの関係であれば、アプリ側は、データに対して、アプリが高速に動作できるためのキャッシュを作ったり、サムネイルを作ったりと、いろいろな工夫ができそうだ。JPEGデータ一つでも展開するのには時間がかかるが、サムネイル用の画像を作ってしまえば、高速に表示することができるだろう。
このあたりは、パソコンと管理上の概念がなく、どちらがいいのか一長一短である気がするが、まあ、世間一般としては、iPhone OS の方が指示されているのだろう。
ということで、iPad は、電子書籍リーダーとして使えそう。
後は、早く日本でも電子書籍がガンガン刊行されるようにならないと、なかなか、iPad の普及はおぼつかない気がするこの頃なのであった。