惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

要は・・・2 ─経団連のヘタクソな絵図─

2010年11月10日 | situation
例のなんちゃらのビデオ流出事件だが、わたしは件の衝突事件の数日後、某掲示板に「とっととYouTubeにうpしろ。エンコすんのに何日かかってんだよww」という意味のことを書いてからかったことがある。ウソだと思うなら、そのYouTubeから「流出犯のIPを抜いてやる」などと、ひと昔前の厨房みたいなことをいまさら豪語しているらしいわが政府に問い合わせてみたらいい(笑)。

何にせよそのカキコがそのときウケなかったのが悔しいので(笑)、いまさらながらその動機を書いてみると、その掲示版ではいつものことながら、中国政府の異常とも言える強硬な態度や、それに対するわが政府の対応の拙さ、煮え切らなさに怒りを表明する、要はただ怒ってみせたいだけの不平分子や工作員だらけで、上のようなことを言う人が意外に見当たらなかったのである。だから自分で書き込んでみたわけであった。

あんな映像は政府、国会、各省庁、マスメディア、有力な経済団体などの間ではさんざん出回っていたに決まっている。おそらくは早い段階で中国政府当局者の手にも渡っていただろうし、米国と米軍の関係者も映像を見ていただろう。なんだかんだと言ってそれがこれまで流出しなかったということは、上記のすべてが基本的に一致した行動を取っていたということである。それがこのタイミングで流出したのは

(a) 政府は最初から「うっかり」を装って流出させるつもりで、ただタイミングを見計らっていた
(b) いずれ一般公開するという口約束のもとで映像の公表を控えていた筋が、(統制の下の方でそうした口約束があることを知らない現政権が独断で)映像を国会議員など一部に限定して公開したことを見てシビレを切らした

だいたいこのふたつのどちらかだと思われる。しかしわが政府があの映像をわざわざ匿名を装ってYouTubeに流出させる理由を持っているとは、わたしは最初から思っていない(だからもちろん、過日の掲示板への書き込みも冗談だ)。そんな手の込んだことをしなくたって、もっとまともな方法で公開すればいいだけだ。そうなると(b)だということになる。いずれにせよツンボ桟敷に置かれていた(いる)のはたぶん、わたしを含めた日中両国の一般国民だけである。無理なことを言っても仕方がないのだが、日中の両国民は互いにいがみ合うべきではなく、どうせなら合作共闘して両国政府その他に抗議したらいいのである。

どうせそんなことできはしない、なら「日本鬼子さん」の可愛いらしいイラストや動画でも眺めているか、あるいはその心があれば(残念ながらわたしにはそれがないのだが)自分もそれらのイラストや動画を作る方に加わるのがいいと思う。そしてそれ以外のことをするのは全部駄目だとわたしは言う。

基本的にこの、衝突事件以後の全般的にはっきりしない感じを作り出している、その絵図を描いている直接的な動作主は、わが国の経団連とかの経済団体であろうとわたしは見ている。9月29日にそう書いた通りだ。今回の流出事件の後でも経団連は「さっさと犯人を捕まえろ」的なことを、いったい何の資格があって言えるのか知らないが言っているらしい。アンポンタンの管政権が不用意に限定公開などしたせいで、折角の情報統制の結束が乱れたではないかとお怒りなのである。

本当のところ彼ら(経団連)に絵心らしきものがまったくなくて、描いてみせる絵がどヘタクソだからこんなことになったのだ。わたしにはそう思える。ただ、もっと重要なことを今回も指摘しておきたいのは、経団連の描いたヘタクソな絵図というのも、本当は別の筋から描くことを命じられた「実習課題」である可能性があるということである。



ところで以前「日本鬼子(ひのもとおにこ)」の記事で、絵描いた人全員に国民栄誉賞をあげたい、と書いたのは、時々の政権が勝手に選んで授与する賞としてのそれではなく(管首相にそんな器量が、仮にあったとしても周囲が、なかんづく政権をバンバン制御で操縦しているつもりの経団連がそれを許すまい)、"National Honor Award"という言葉のもともとの意味においてである。

●(19:40 Nov.10,2010追記)

上を書いたあとに以下のニュースが流れた。流出はひとりの海上保安官の行為だったようだ。

尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる、ビデオ流出事件で急展開です。海上保安庁の現役の海上保安官が、映像をインターネット上に流出させたことを認めました。警視庁は現在、この海上保安官の取り調べを行っていて、容疑が固まり次第、逮捕する方針です。
(中略)
 映像を流出させたことを認めたのは、第五管区海上保安本部の神戸海上保安部に所属する巡視艇「うらなみ」の主任航海士(43)。10日午前9時ごろ、勤務先である巡視艇「うらなみ」に乗船中、様子がおかしいことに気づいた船長が「どうしたんだ」と声をかけたところ、「私がやりました。私が流出させました」と告白したといいます。
(中略)
 海上保安庁の関係者によりますと、この主任航海士は海上保安部の事情聴取に対して「自分ひとりでやった」などと話しましたが、映像をどうやって入手したかについてはまだ話をしていません。しかし、「映像は誰でも見られる状態だった」と説明したといいます。
(後略)
(TBS NEWS-i; 10日16:52)


●(同20:30追記)

簡単に感想らしきことを記しておきたい。この海上保安官の行為について、わたしは特に賞賛されるべきものだとは思わない。もちろん非難されるべきものだともまったく思わない。以前書いた通りアダルトビデオの制作会社から無修正映像が流出したのと大差のない話だと思っている。国内・国際政治の茶番劇という名の愚劣なモザイク効果を、ほんの少し外して見せてくれたという点で、なんとはなしに爽快感があるという程度だ。

あとはひとりの人間の自由として、このblogの口上をもじって言えば「彼のような奴はいるぞ」と言うに尽きる。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« SweetDevil | TOP | あれっ? »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | situation