瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

#60

2013-02-16 01:49:39 | 考える日々
豪華客船が火災で電気系統がやられて動かなくなったというニュースを今日(2月15日)見ました。トイレも使えなくて悪臭がたちこめ体調を崩す人もいるらしいです。
こういうのを見ると宇宙船地球号という言葉を思い出します。いまのところ宇宙船地球号はまだ豪華客船といえますが、いつ悪臭を放つ環境劣悪な宇宙船になるかわかりません。火災を起こした豪華客船の場合、陸にあがれば人々は災難から逃れることは出来ますが、宇宙船地球号に逃げ場はありません。悪臭で体調不良になる程度では済みません。このニュース、他人事(ひとごと)とは思えませんでした。

もうひとつ、ロシアの隕石のニュース。目撃者の人で戦争が始まったかと思ったとコメントしてる人がいました。私は戦争を知りませんが戦争が始まるときというのは、たぶんこんな感じなのでしょう。日々のニュースで世界情勢を知っているとはいえ、庶民に本当の実情はわかりません。じわじわと開戦ムードが高まる場合もあるでしょうが、いきなり始まる場合だってあるでしょう。さっきまで日常だったのに、いきなり空をミサイルが飛んでゆく。9・11のときはこんな感じでした。遠い国の出来事とはいえ、いまは世界が狭くなっています。日本が無関係でいられるはずもなく、こういう世界に私たちは生きているのだと日常が簡単に揺らぎました。“平和な日常”と“戦争が日常”は実に簡単に入れ替わります。

戦争のような人間社会の出来事もそうですが、隕石のように自然現象となると更に唐突な感じで日常は一変します。震災もあります。火山の火砕流で町が呑み込まれることもあります。唐突でなく台風のようにじりじりやってくる災害もあります。気候変動は更に長期スパンです。気候変動で滅びた文明はいくつもあります。日常が一変するどころじゃありません。生きるか死ぬかです。もちろん戦争もそうです。

私たちの平和な日常は奇跡みたいなものです。つかの間の平穏です。次の瞬間に壊れてもなんの不思議もありません。歴史を振り返れば生きるか死ぬかのぎりぎりの状況のほうが多いくらいです。地球史のレベルでも人類は氷河期という生きにくい時代を生き抜いてきたのです。ずっと生きるか死ぬかだったのです。そういう時間のほうがあたり前なのです。奇跡的な時間は一瞬です。自然現象に抵抗する術(すべ)はありませんが、社会現象のほうはなんとか良い状態を維持するよう努力して奇跡的な時間を少しでも長くしたいものです。とはいえ、社会現象も人間にコントロールできないような自然現象と同じように振舞うことも多いので、奇跡の時間を引き伸ばすのは困難なことではあるのです。抵抗しても無駄かもしれません。だけど引き伸ばす努力をしなければ間違いなく奇跡は一瞬で過ぎ去ります。そんな危うい時間を私たちは生きているのです。


あたし基本的に時事ネタは扱わない方針なんだけど、今回はそんな気分になったのでちょっと書いてみました。って言っても、いつもと同じ調子のような気もしないではないね。ま、そりゃそうだよね。考える素材が変わるだけで考えてるあたしはいつものあたしなんだから。
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