前回の話の中で、じわじわ開戦ムードが高まるって書いたけど、これは仕掛ける側の状況だね。仕掛けられるほうは、なんだかキナ臭いなあ、威嚇か本気か判然としないなあって状況を見守ってるうちに宣戦布告されるんでしょうねえ。で、唐突感をともないつつある日から戦争が日常になる。ま、戦争を知らないから想像でしかないんだけど。
攻める側の開戦ムードが高まるのは、正確にいえば“高まる”ではなく“高める”だよね。誰が高めるのかっていうとマスコミ。国家が国民を誘導する場合もあるだろうけどね。そういう時はどんな力が働いているのか、あたしには判らない。あたしは国家というものを理解していないのよ。国家はさておきマスコミが国民を煽るのは簡単な理屈よね。煽ったほうが商売になるから煽るのよ。社会の木鐸なんて精神は欠片もないね。所詮は商売なんだもの。お金になることをするだけよ。そうやって国民を焚きつける。
でも、じゃあ何で煽ったほうが商売になるかっていえば国民が煽られたがっているからなんだよね。マスコミはニーズに応えているだけともいえるね。人々が煽られたいって思うのは要するに興奮したいのよ。人間は興奮したがる生き物なのね。新商品が発売されたといっては興奮し、スポーツを観戦しては興奮し、芸能人のゴシップを知っては興奮するのよ。戦争はそんな日常レベルの話とは違うだろうって考えるかもしれないけれど、戦争だって同じよ。戦争を始めるまでは戦争は戦争じゃないもの。日常のほかの話題と大差ない。かえって刺激が強くて面白いくらいかもしれない。刺激欲しさに、興奮したさに煽られたがって、そしてまんまと煽られ熱に浮かされたように威勢のいいことばかり口にして、気が付けばそういう状況になっちゃってるのよ。で、戦争を始めて漸く戦争を知ることになる。
いまはインターネットがあって、ひとむかし前とは環境が変わっているからマスコミが煽る状況に国民が乗っかるということはないかもしれない。それはないかもしれないけれど、ネットは国民が互いに煽り煽られという状況を作り出すかもしれない。煽る仕組みが変わるだけで結局は興奮したいという衝動に突き動かされて理性は簡単に飛ぶだろうね。興奮にブレーキはかけられない。一定のレベルを超えた興奮は制御できないよ。集団心理もはたらくし。暴走するしかなくなっちゃう。このことに関しては、あたしは悲観的で諦めてる。いい材料が思いつかない。
どうしてそこまでして興奮したがるんだろう。破滅に向かう興奮なのにね。だけど破滅しかねなくなるほどの戦争に発展するようになったのは最近の話で、以前は個人を守るためにも集団を守るためにも興奮し戦闘に及ぶのは、逆に生き延びるためだったんだろうね。生き延びるっていうのは多分に動物的なことで、肉体的とも言える。だったら興奮するなというほうが無理な話で、当然の生理作用ような気がする。生き延びるための興奮が、いまや破滅に追いやる興奮になってしまった。あたしたちの文明はそういうところまで来たんだね。文明と人間の動物的な側面は相性悪いのは当然か。人間の動物的側面というのはつまり自然のことだからね。文明は自然と対立する存在だからねえ。
文明はいつまでも自然と対立してちゃいかんということだろう。文明を作り直す必要に迫られているのだろう。でないと文明は自身に滅ぼされる。なんといっても文明は人間という自然を抱え込んでいるのだから。内憂外患だね。文明は内に人間、外に自然という敵を宿命的にもっている。人間からの視点に換えれば、人間にとって文明は味方でもあり敵でもあることになる。自然もしかり。恵みを与えてくれる存在であり、災害をもたらす存在でもある。そろそろ人間と文明と自然が調和できるような世界にシフトしないと人間は保（も）たないだろう。ここで滅びるのは惜しいよ。まだまだ先がありそうなのに、その先を見ないで終わっちゃうのは悔しいのよ。ま、どのみちあたしの生きているうちにその先とやらが見えてくることはないだろうから、いらぬ心配ではあるんだけどね。でも死ぬときに希望を持って死ぬほうがいいじゃない。この先、世界はきっと良くなると期待しながら死にたいよ。といって、あたしに何が出来るってわけでもなさそうだけど。この文明をどういうふうに作り直せばいいのかなんてわからないし、その力もないしね。どこに光を見ればいいんだろうねえ。
攻める側の開戦ムードが高まるのは、正確にいえば“高まる”ではなく“高める”だよね。誰が高めるのかっていうとマスコミ。国家が国民を誘導する場合もあるだろうけどね。そういう時はどんな力が働いているのか、あたしには判らない。あたしは国家というものを理解していないのよ。国家はさておきマスコミが国民を煽るのは簡単な理屈よね。煽ったほうが商売になるから煽るのよ。社会の木鐸なんて精神は欠片もないね。所詮は商売なんだもの。お金になることをするだけよ。そうやって国民を焚きつける。
でも、じゃあ何で煽ったほうが商売になるかっていえば国民が煽られたがっているからなんだよね。マスコミはニーズに応えているだけともいえるね。人々が煽られたいって思うのは要するに興奮したいのよ。人間は興奮したがる生き物なのね。新商品が発売されたといっては興奮し、スポーツを観戦しては興奮し、芸能人のゴシップを知っては興奮するのよ。戦争はそんな日常レベルの話とは違うだろうって考えるかもしれないけれど、戦争だって同じよ。戦争を始めるまでは戦争は戦争じゃないもの。日常のほかの話題と大差ない。かえって刺激が強くて面白いくらいかもしれない。刺激欲しさに、興奮したさに煽られたがって、そしてまんまと煽られ熱に浮かされたように威勢のいいことばかり口にして、気が付けばそういう状況になっちゃってるのよ。で、戦争を始めて漸く戦争を知ることになる。
いまはインターネットがあって、ひとむかし前とは環境が変わっているからマスコミが煽る状況に国民が乗っかるということはないかもしれない。それはないかもしれないけれど、ネットは国民が互いに煽り煽られという状況を作り出すかもしれない。煽る仕組みが変わるだけで結局は興奮したいという衝動に突き動かされて理性は簡単に飛ぶだろうね。興奮にブレーキはかけられない。一定のレベルを超えた興奮は制御できないよ。集団心理もはたらくし。暴走するしかなくなっちゃう。このことに関しては、あたしは悲観的で諦めてる。いい材料が思いつかない。
どうしてそこまでして興奮したがるんだろう。破滅に向かう興奮なのにね。だけど破滅しかねなくなるほどの戦争に発展するようになったのは最近の話で、以前は個人を守るためにも集団を守るためにも興奮し戦闘に及ぶのは、逆に生き延びるためだったんだろうね。生き延びるっていうのは多分に動物的なことで、肉体的とも言える。だったら興奮するなというほうが無理な話で、当然の生理作用ような気がする。生き延びるための興奮が、いまや破滅に追いやる興奮になってしまった。あたしたちの文明はそういうところまで来たんだね。文明と人間の動物的な側面は相性悪いのは当然か。人間の動物的側面というのはつまり自然のことだからね。文明は自然と対立する存在だからねえ。
文明はいつまでも自然と対立してちゃいかんということだろう。文明を作り直す必要に迫られているのだろう。でないと文明は自身に滅ぼされる。なんといっても文明は人間という自然を抱え込んでいるのだから。内憂外患だね。文明は内に人間、外に自然という敵を宿命的にもっている。人間からの視点に換えれば、人間にとって文明は味方でもあり敵でもあることになる。自然もしかり。恵みを与えてくれる存在であり、災害をもたらす存在でもある。そろそろ人間と文明と自然が調和できるような世界にシフトしないと人間は保（も）たないだろう。ここで滅びるのは惜しいよ。まだまだ先がありそうなのに、その先を見ないで終わっちゃうのは悔しいのよ。ま、どのみちあたしの生きているうちにその先とやらが見えてくることはないだろうから、いらぬ心配ではあるんだけどね。でも死ぬときに希望を持って死ぬほうがいいじゃない。この先、世界はきっと良くなると期待しながら死にたいよ。といって、あたしに何が出来るってわけでもなさそうだけど。この文明をどういうふうに作り直せばいいのかなんてわからないし、その力もないしね。どこに光を見ればいいんだろうねえ。
