じいたんばあたん観察記

祖父母の介護を引き受けて気がつけば四年近くになる、30代女性の随筆。
「病も老いも介護も、幸福と両立する」

人生のテーマソング。

2005-09-02 01:47:02 | 音楽
最近、良く思うのだ。

人には、それぞれ、その人の人生を象徴するような
「テーマソング」があるのかもしれない、と。

本人は気づかないのだけど、周りの人が見ていて
「ああ、この人は、この歌にそっくりの人生を歩んでいる」
そう思うような、歌がひとつくらいは、ある。

その、良い例を。


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「Mr.サマータイム」という歌が昔、あった。


ある家の台所でよく、若い女がその歌を歌っていた。

無邪気に歌う姿とは裏腹に、歌詞は哀しみに満ちている。
歌う姿には陶酔が、そして歌詞には毒が。


わたしはまだ、ほんの子供だった。


彼女が、かげりのない手さばきで、料理を作りながら
その歌を歌うさまを眺めながら、
不思議に思ったものだった。

なぜこの女はかくも無邪気にこの歌を歌うのか。
人生をなめているんじゃないかしら、って。



そして、数年後。
その歌は
そのまま彼女の、

『人生を映す、テーマソング』になった。


今思えば、あの台所…
なかなかドラマチックな場面に立ち会っていた気がする。




最近は機会がないけれど、
大勢でカラオケに行ったりしたときには、
この歌を、披露することがある。
(私よりも年長のかたには結構受けるのだ)


こういう悔いを残すことがあるのも、また人間だよね。
そう、思いながら。

でもあたしはこういう悔いは残さないで生きたい。
そう、思いながら。


私自身のテーマソングは、何だろう。


追伸:
ばあたんのテーマソングは、タイトル不明なのです。
何度かコメント欄に書いてきた、
『こころの花の匂いは 咲ける花に勝れり』
というフレーズが入った歌が、彼女らしいと思うのだけど。

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2 コメント

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お邪魔します (利休)
2005-09-03 00:34:16
介護の様子や、心象風景がよく分かります。人生のテーマソングはきっとみんながもっているのでしょうね。とても参考になりますので、またお邪魔します。

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利休さま (介護人たま)
2005-09-06 04:11:59
ようこそお運びくださいました。ごあいさつが遅れまして…

まだ、利休さんのブログは読ませていただいていないのですが(もう少しお待ちを)



どうぞ今後ともよろしくお願いいたします^^
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