第38話 遠泳法

2005年03月24日 23時54分00秒 | Weblog

 うまく泳げるようになりたい…
短期で水泳を習いにいく。水が怖いわけではない。
息継ぎができないのだ。
だから、苦しくなっていく。

高校にはプールがなかった。水着を着るなんて考えもしなかった大学時代。
水の中に入る。久しぶりの羊水、嬉しさに水中で跳ねてしまう。
まず、水に慣れる。「水の中ではしっかり目をあけて下さい」 へ?目、あけるんだ…。
次に、浮く。「リラックスして下さい。体に無駄な力が入っていると沈みますよ」
水抵抗の少ない姿勢を作る。
クロールの手の動き。「水をつかまえ、ひきよせ、押す感じで。そこに推進力が生まれます」
空で手をかいた時は感じなかったが、水が重い。
がむしゃらに腕をまわすのではなく、水の中では肘を曲げる、水の上では肘を上げる。
スムーズで力強いストロークのコツは肘にあるらしい。肘?なるほど動きがついてくる感じに!
水が少し軽くなった感じ。
再び水中に戻した時の手は「意識的に前に伸ばして。このちょっとした頑張りでさらにぐっと進みます」
足は膝から下でしない。股関節を支点に脚をしならせ、柔らかくした足先で下に打つ。
「後ろに蹴るのでなく下です」 ついつい前へ前へと焦ってしまうが、左右交互にゆっくり。
いよいよ問題の息継ぎ。肘が顔を引き上げる。タイミングは肘の動きに同調させるだけ。
「先生、やっぱり息が吸えないんですけど…」
「水中で息を吐いていますか?」
「…止めてます」
「原因はそれです。息を吸おうと思ったら、まず吐くこと。吐かなければ吸えません。
吐いた反動でスッと空気が入ってきます」
苦しいのは、十分な空気が吸えないからだとばかり思い、吸うことに必死になっていたが…
自宅で洗面器に水をはって稽古。
水中、鼻からブクブク~ボコボコボコ~、右向いて、パッ、ブクブクブク~パッ。
ほんとだ~勝手に空気が入ってくる~

先生「ひとつひとつの動きは綺麗なんですけど…バタ足をしないと前には進みませんよ」
しまった!組み合わせて同時にできない不器用な体…
「美しく泳ぐにはバランスとコンビネーションが必要」らしい。
目標25m達成ならず、14日間で世渡り上手とまではいかなかったが、
生き抜き方は目からウロコだった。
より長くより可愛く泳げるように、私はなりたい。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第37話 たなごころ | トップ | 第39話 お点前 »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事