第23話 相互作用

2005年03月08日 01時16分33秒 | Weblog

 幸せになりたい!
そう強く願っても、まだ見ぬその実体は抽象的で、そう容易く見つかるものではない。
幸せを欲張らず、ここはひとつ具体的に変換しながら積み重ねていくことにした。
幸せ=おいしい!気持ちいい!楽しい!面白い!など。
私の場合?、幸せ探しと構えると、遠く感じ、不安に押しつぶされそうになるが、
おいしいを探しにいくと、ぐっと身近になる。
もっと美味しいものはないか?食べることにはまっていく。
即席にうまい!を求める私に神様が処方箋をくれた。

手にとった雑誌Domaniに田口ランディの連載「神様の処方箋」があった(2001年)。
「人間は自分の口から食べ物を取り込んで、それを体内で栄養に変えて生きていく。
食べ物が自分の血や肉、細胞になっていく。つまり、目の前にある食べ物で自分を作っているわけだ」
食べること、生きることを考えるこの紀行エッセイで紹介されていたのが、
自殺を考えた若者が再び生きる決意をしたといわれている佐藤初女さんのおむすび。
いつか初女さんに会いたい…梅干しとおむすびを食べてみたい…。

今年の誕生日、おむすびを食べにいこう!
あれからずっと機会を逃していた佐藤初女さんの森のイスキアを調べる。
「自然の素材の一つ一つには、皆、かけがえのないいのちが宿っています。…私たちは食べることを通して、
自然からいのちをいただき、それを私たちのいのちへとつないでいきます」佐藤初女著『おむすびの祈り』より。
今こそ、初女さんに会いにいこう!と渇望したが…雪の為、宿は閉鎖されていた。

「花を摘み、草を摘んでは、良い雰囲気の中で良い糧を(お客様に)提供し、
良いエネルギーに変えていただく(おもてなし)」中東和子著・井上隆雄写真『京都美山荘 花もごちそう』より。
美山荘に泊まりに行こう!と気を取り直したが…
満室だった。(劇団カプチーノHP掲示板にあるカプチーノほころび茶話ん第3話参照)
2月に時期をずらしてみるも…週末はまたもや予約がいっぱいだった。
諦めきれず、摘み草料理の昼食をとりに行った。(カプチーノほころび茶話ん第22話参照)

私はむさぼるだけではなく、美味しい幸せを感じた後、自然からいただいた命の感謝に、
ちゃんと良いエネルギーに変えることができているのであろうか…。
相互作用は生き物の基本。
イスキアで、美山荘で、ついつい忘れがちな「いただきます」を思い出したかったのだ。
また基本を忘れかけた頃、素敵な宿を訪ねたいと思っている。


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