第27話 下駄箱

2005年03月13日 02時53分23秒 | Weblog

 「今、暇だからこれから遊ばない?」
と、気軽に言えない質である。
予定を前もって確認し、約束を楽しみに待つ方。
観劇や映画、お金のかかる遊びも自分から誘うことができない意気地なし
(私の芝居をみにきてほしいとなかなか言えず、2年、演劇は密かな趣味だった。
今でも誘うことにストレスを抱えながら広報活動をしている。慣れない)
だが、誘われたことにはのってみる! 好奇心はあるようだ。

「趣味は?」ときかれたら、昔の私は、正直、無趣味なので困った。
趣味が自由時間にすることなら…眠ること?食べること?
あ~これ、全部欲望だ…履歴書に書くには野性的すぎない? 無難に読書と。
からっぽだった私は、友達や知人の大好きを分けてもらうことにした。
スポーツ観戦好きの友達と一緒に相撲を見にいった。朝稽古まで見にいった。
社会人野球も。アメリカンフットボールも。シンクロナイズトスイミングも見にいった。
職場の先輩ご夫妻とみんなで山登りに行くことになった8年前。
歩くのが嫌いではなかったようで、街道・古道をハイキング。
あれから…大台ヶ原や白神山地、屋久島まで…いまだ山に登っているのは私だけ?
お寺や詳しい先輩におすすめの仏像を紹介してもらい、会いにいく。
回廊をのぼり、伽藍をみあげ、お庭を眺める。四季折々に染まる古寺巡礼。
あまりに楽しそうに世界を語るバックパッカーの友人に触発されて、一時、私も旅人に?
こうなったらシリーズ化しよう日本列島島めぐり。
からっぽだった私は、分けてもらった好きをふくらましやすかったのかもしれない。
思いもかけない拡がりに味をしめた私は、出会った人に好きな本や映画をたずねる。
紹介されたものを、みるために。
自分自身で選択すると偏ってしまうが、
そこには私の中からはとても発見できなかった新鮮な面白さがいっぱい。

人のおすすめにのってゆくうちに、気がつくと玄関に色々な靴が増えていた。
トレッキング、ウォーキング、(演劇用に)ダンスシューズ…
それぞれの用途にあわせて靴がある。
靴の数だけ増えた行動力、行動した分だけ増えるネタ。
眺めて嬉し、今日は、どれにしようかな。


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