第32話 制服

2005年03月18日 00時52分14秒 | Weblog

 私は中学、高校とブレザーだったので、いまだかつてセーラー服を着たことがない。
引っ越しに備えてクローゼットを整理しながら、一度はセーラー服を着たかったな~と思う。
ぴん!
そうだ仕舞う前に、久しぶりに制服を着てみよう~っと。
お、サイズもまだいける!学生時代から成長していない体ってことか~
と鏡を見て笑いが凍りつく。
想像以上に自分が成長していることを悟った25歳…顔と制服をきた体がつながらない…
瞬間、即、早着替え。
私の口から年齢制限と言いたくはないのだが、一番似合う時期というものがあるものなのか…
今?
そんな無謀なことはしてはいけない…犯罪に近すぎる。

私が学生服を違和感なく着こなしていた頃、没個性・制服反対を唱える人々がいた。
自己表現の焦点を衣ではなく、内におけばいいのではないのかしら…
あの頃から今も、私にはよくわからない問題。
制服だと貧富の差がわからなくてよいのでは?…私、いつの時代に生まれてん!と自身につっこみ。
もとい、制服の方が壁なく仲間意識をもてるのでは?
それより、何より、みんな同じ制服だからこそ、返って個性が浮き彫りになるのでは?
同じ制服でも人によって着こなし方も違えば、醸し出す雰囲気も違う。
バイト先の制服に着替えたら、働くモードに切り替われたし。
就職活動中の学生が型にはまったリクルートスーツを正しく着ている姿を見るにつけ、
押さえつけても隠しきれない、その人の普段のおしゃれ愛好系統、こだわり、真面目度具合…
個性がそこはかとなく伝わってくるのが面白い。
まだスーツに馴染んでいない感が初々しく、学生が思う以上に眩しい。

みんな、誰がしてもまったく同じことなんてそうそうないのではないだろうか?
事務職をしながら、思う。
書類の閉じ方一つで、同じ課の人間なら誰が行った作業なのかすぐわかる。
お茶を汲み、コピーをとり、書類を整理する。
出発から着陸への道のりが違えば、仕上がりも違う。
仕事への姿勢ばかりでなく、性格までばれてしまうほどに。

条件を同じにしてみても、みんな、誰が見てもまったく同じ人間なんていないのではないだろうか?


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