第1013話 風の音

2015年07月01日 06時39分42秒 | Weblog

久しぶりに 風の音 をきく。

朝、車で通勤、職場、家でも一日中窓をあけることもなく、

密閉空間の中で生きていることを知る。

訪ねたのは、京都の金地院。

 

当たり前のことだが、目に見えぬ風の存在を知るためには

木々が必要である。

木の香りが芳しい寺院にて

枝や葉の不規則な揺れを見ながら

我が日常に 自然を見つめる機会がないことを思い知らされる。

目前に拡がる 枯山水の庭園。

音のない静寂の世界に身をゆだねる。

時折、鳥の声だけがきこえる。

東照宮に続く小道に咲く紫陽花(あじさい)。

紫陽花に 小さなカタツムリ を見つけた。

カタツムリを見たのは何年ぶりだろう・・・)

自然の中には生き物がいた。

その小さなうずまき模様 を しばし愛でる。

その間、ずっと水のせせらぎが心地よく響く石畳の小道。

 

風の音(ね)、木の音(ね)、水の音(ね)。

ここでは急がなくていい、追い立てられることもない。

たまには こうして 立ち止まるのもいい。

立ち止まるからこそ感じる 悠久の時。


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