第1014話 ここがすごいよ日本人

2015年07月02日 03時13分17秒 | Weblog

京都・金地院の特別拝観(解説つき)にて

「ここがすごいよ日本人」 を見ることができる。

 

一見 何も施していないように見せかけて すべて計算づくの、日本人の英知。

お部屋の使用用途(格)にあわせて 描き分けている襖絵。

宴会や待合など 座って見る用途のお部屋の襖絵は、

正座をした時にちょうど絵が見えるよう 下の方に描かれている。

狭い空間に奥行きを持たせるため、手前を低く、傾斜を持たせたり(苔庭)、

下を細く、上に向かって太くすることで高さを感じさせたり(石製の天水桶)。

 

一見 意味なきように見えるが、すべてに意味ある、日本人の含蓄。

枯山水の鶴亀の園は、

なぜ鶴と亀を配したのか、どうして常緑樹なのか、その心遣いがすごい。

実際、結果として将軍様はお立ち寄りにはならなかったのであるが、

(お立ち寄りになる) かもしれないと心を尽くし、創りあげた空間の数々。

茶室は練りに練られ、

侘びた感を演出するための工夫(木の選び方、張り方)にため息が出る。

そのこだわりをこだわりとして見せるのではなく、自然に 魅せる。

 

随所に 日本人の奥ゆかしさが感じられ、

世界に誇るべき日本 があった。

声もなく ただ唸っていたが、 もしも 私が外国人なら

「オ~、ワンダホ~、ビューティホ~」 と 感嘆しきりだったであろう。

間近で見る 長谷川等伯の「猿猴捉月図」

お猿さんは抱っこしたくなることうけあいの愛らしさ。


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