カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

温泉と松茸狩り

2020-10-19 14:41:49 | 出たっきり邦人・メールマガジン

202号

こんにちは、いかがお過ごしですか?
いつもなら9月下旬にはすっかり散っているロッキーの黄葉ですが、今秋は
10月に入ってもまだカラマツやナナカマドの葉が残っているめずらしい年
となっています。ゴルフクラブは12日にクローズということで、8日に
Buddyと今季最後のラウンドを楽しみました。

去年は#8パー3でホールインワンが出たのに、今年はワンオンはするもの
のパーが多くて...。まっ、簡単じゃないからゴルフは面白いんだっ!と気を
取り直して、来季また頑張ろうっ!と思っています。

最近あまりにも新型コロナウィルスに関する話題ばかりになっていたので
今月はソーシャルディスタンスを考慮しながら出かけたドライブ旅行のお話
にします。

全号でお伝えしたように、10月5日から2泊3日でBC州ナカスプへ温泉と
松茸狩りを楽しみに出かけました。9月下旬になっても暖かく雨もない日が
多く、松茸はあまり期待していませんでしたが…やはりなかなか見つける
ことができませんでした。2日間、3~4時間づつ探して松茸はやっと6本。
他はシャンテレロ(あんず茸)が少し採れただけ。

松茸は不作の年でしたが、ナカスプの森林は適度な湿度があり日本の山の
ように苔むしていて、木々の間から差し込む優しい陽の光も素敵な楽しみ
なのです。光景で、キノコ類を探して歩くだけでたっぷり森林浴ができる
ので、わざわざ5~6時間かけてでも出かける理由のひとつなのです。
それとアルバータ州にはない紅葉樹(主にメープル)を見るのも楽しみ
です。

お泊まりは温泉と同経営のシャレ─(山小屋タイプの宿泊施設)で、シャレ─
のゲストはガウンを着たまま温泉に行けるので一日目は夕食後、2日目は
朝食後キノコ狩りに出かける前と夕食後の2回、ゆっくり温泉に浸かり
まったりとした時間を過ごしました。例年なら朝9時半~夜9時半いつでも
利用でき、時間制限もありませんが、今年は新型コロナウイルス感染を避け
る為、入浴できる人数は25名、温泉施設は1時間内の利用に限られました。

シャレ─ゲスト以外も12:00~19:00(最終入館は18:00)は温泉
を利用することはできましたが、シャレ─ゲスト優先(予約可)で、一般は
予約ができないFirst come、first serveのため、週末は外部からだと入館
できないこともあるようです。ここの温泉の特徴は38℃に保たれている
大きなプールと、41~42℃に保たれている小さなプールがあること。

カナディアンは温めを好みますが、日本人にはちょっと温過ぎるので、夫と私
は熱い方と温い方を行ったり来たりして、40分ほど浸かっていたため体の芯
まで温まりました。ちなみに小さい方のキャパシティは5名なので、カップル
だと2組しか利用できないため、ちょっぴり場所取りの争奪戦がありました。

今回は採れたての松茸ですき焼き!は叶いませんでしたが、1日目の夕食は
そんなときのために用意して行ったカレーシチュを温め...、2日目は地元
のスーパーマーケットでBC(州)産のフレッシュ野菜や、ステーキ用のリブ
アイを買い、簡単なステーキディナーに。牛肉はカナダ内ならどこでも良い
グレードの物が安く買えますので、外れのないメニューです。フィレの方が
柔らかくて子房も少ないのですが、牛肉のうま味を感じるのはサーロインや
リブアイです。最近はUS産の「和牛」とか「神戸ビーフ」も手に入るように
なりましたが、食べ比べて、値段のことも考えれば、1/3の価格で買える
カナダ産で十分だと思います。

アルバータの宣伝になりますが、豚肉も日本の物に劣らず美味しいものが
安く手に入ります。最近はマーケットのお肉売り場のブッチャーが腕を上げ
薄切りが上手になったので、本当に助かっています。シャブシャブ、とか
スキヤキ・スライスといえば、お肉の間に薄いプラスティックを挟んでくれ
るので、冷凍するために小分けする際も大変便利です。

思い起こせば、昨秋のナカスプ旅行はまだ私たちの愛犬ラブと一緒でした。
すでに弱り始めていましたが、何とか自力で食事をとることができていたので
連れて行きました。もう1日中ウトウトと寝ているような状態でしたから
助手席の私が抱っこしたり毛布にくるんで足元に寝かせたりして連れて行き
ました。この時点ではまだ彼女と最後のドライブになるとは思っていなかった
のですが、今考えれば、18年ずっと一緒に過ごした私たちの為に最後の力を
振り絞ってのお供だったのです。
間もなく彼女の一周忌。ちょうどハロウィーンの日の朝、旅立って行きました。

最後にコロナ関連情報です。8月末と、10月初めに、急用で日本へ一時帰国
した友人たちがいました。それぞれ、カナダの空港の様子や日本入国の際の
PCR検査、もちろん彼らは「陰性」でしたが、空港出てから各自2週間の隔離
場所への移動、その後の隔離生活につて、詳しく知らせてくれました。

空港職員はみな防護服、国際線の機内はガラガラ空きの状態で、3列シートを
独り占め出来て、横にもなれたので楽だったとか。キャビンアテンダント(AC)
も皆さん防護服にフェイスシールド姿でサービス。食事はちゃんとボックス
ミール2回+スナックや、冷たい飲み物が出たものの、コーヒーやお茶といった
ホットドリンクは出なかったそうです。

アルコールについては、偶然友人たちは飲まない人ばかりだったので、明記され
ていませんでした。機内で、入国時の通関手続きに必要な書類として2週間の
自己隔離中の住所、隔離後の連絡先など記入したそうです。
PCR検査の結果は1時間くらいで出たそうです。陰性ならそのまま公共交通機関
を使わない方法で2週間の自己隔離場所まで移動することが条件ですが、空港
を出たら特に追跡もなく、予約していたハイヤーやご家族が駐車場に置いて
くれた自家用車に乗って空港を離れたそうですが、国内旅行者のような顔をして
国内線や電車など利用して帰れそうだったと、日本の危機管理の甘さを指摘し
ていました。その上、後で連絡をもらった時に驚いたのは、2週間千葉でレン
タルした物件で過ごしているカップルは近所のコンビニやスーパーにマスク
して食料品を買いに行くことは許されているというのです。

カナダの場合、カナダ国民と永住権保持者はフライトが飛んでいる国からなら
海入国可能で、日本からバンクーバーに帰ってきたら地方都市を結ぶ国内線へ
乗り継ぎはマスクしてOKです。でも、空港から公共交通機関の移動は許されず
家族のひとりが自家用車で迎えに来たとしたら、その人も一緒に2週間のSelf 
Isolation が義務づけられます。帰宅して隔離中は、人との接触が少ないところ
を1時間くらい散歩することは許されますが、たとえ食品でも買い物に出ること
は許されません。必要な物があれば、ご近所や友人の手を借りてドア前にデリ
バリーしてもらう、と徹底しています。

これから各国で徐々に出入国の規制が緩やかになっていくであろう状況の中で
どのようにパンデミックを起こさないようにするか、課題は多そうです。
周辺の幼稚園、小学校では子供たちが鼻水を出しただけで、10日間登校禁止。
ただし、PCR検査を受けて陰性であれば、10日間隔離はなくても良いそうです。

先日からインフルエンザの予防接種が始まっています。アルバータ州ではクリ
ニックや薬局で、希望者は全員無料で受けられます。65歳になると、肺炎球菌
ワクチンの接種も無料です。以前一度カナダでFlu Shotを受けそびれて日本に
帰って受けましたが、夫婦で8000円くらい掛かり、ちょっとびっくりしたこと
があります。

その代わり、日本では医師がMRIが必要といえばすぐに予約が取れますが、こちら
では費用は無料ですが予約が取れるのは今なら来年の7月...といった感じでその
間に病状が悪化してしまいそうです。これは命に係わる状況ではない場合ですが
それも裏技?があり、800ドル支払うのだったら7日以内に予約が取れる、のです。
地獄の沙汰も〇〇次第、というのでしょうか...。

私の暮らす地域は、いまや富裕層が別荘を持つ高級リゾート地化していますが
多くのビジネスは国立公園内を訪れる海外からの観光客で潤っていたところなので
今の経済の落ち込みは恐ろしく大変なことになっています。首相の一声で、昨年度
の収入が5000ドル以上あった人で今年COVID-19の影響で職を失った人は2000
ドルx7回、合計14000ドルがインターネットで手続きするだけで給付されました。
半年以上経過しても、未だに雇用は回復していないので、カナダ政府は今後また
別の救済を検討中とか。

年金暮らし族としては、静かに情勢を見守りながら、日本とカナダを以前のように
自由に行き来できる日がいち日も早く戻ってくることを願ってやみません。

 



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