カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

平穏な日々の中で

2020-02-21 01:47:44 | 出たっきり邦人・メールマガジン
              
No.114



立春が過ぎると日照時間が長くなり、窓越しの陽射しの変化が「春待ち」
気分にさせてくれます。
今年もロッキーの人々は極寒の冬を耐え忍び、いまやっと春の気配を感じ
ながらダウンヒルスキー、クロスカントリースキー、スノーシューなど
アウトドア・アクティビティを楽しんでいます。

そんな中で飛び込んできた新型コロナウイルスによる肺炎患者激増のニュ
ース。日本のニュースはカナダでもTVジャパンでオンタイムで観ることが
できるので、最新情報を得られています。武漢から広まったウイルスが
世界を脅かす勢いで広まっているのを静観するしかないのですが、驚いた
のは感染者は出でいないカナダの田舎町なのに、マスクは2月初旬の時点
でドラッグストアの店頭から消えてしまっていること。ところが、どこへ
出かけても誰ひとりマスクを着けている人はいません。

噂では近隣の中国籍の住人が深刻な品不足の母国へ送るために箱買いした
というのですが、定かな情報ではありません。もちろんマスクは中国だけ
でなく日本でも品不足なので、もし売っていれば私も買って日本とマカオ
の家族に送ってあげたいと思うかもしれませんが、マスクのほとんどが
中国で生産されていたなんて全く知りませんでした。

我が家も長男と家族がマカオで暮らしているので、中国のウェブニュース
にも注目しています。マカオも感染者が出ているという情報が入り、息子
と連絡を取り合いましたが、カジノは休業、香港や本土とマカオを結ぶ
交通機関はストップして、孫の通っている小学校も春節の後もまだ休校中
との事。幸い感染者数は増加していないので、カジノは週末から再開され
るそうですが、中国本土から人が来れる状況なのかどうか…。

ここではどこに行っても一人もマスクを着けていないという話をしました
がューヨークでマスクを着けて地下鉄を利用したアジア系の女性がヘイト
クライム(増悪犯罪)に遭っている動画がニュースで流れ、コロナウイルス
だけでなく冬に蔓延するインフルエンザウイルスを避けるためでも、北米
では重篤な病人でもない限りマスクを着けるという習慣がないので、日本
と同じように予防のつもりで気軽に着けられないことにちょっと違和感を
感じています。

さてさて、ロッキーの話題です。
2月に入って日が長くなってくるとシニア夫婦の私も夫も外出する機会が
増えています。気温は朝マイナス10℃でも、お天気が良ければプラス
3〜5℃になることもあり、家からダウンタウンへトレイルを歩いて出か
けるのが日課のようになっています。行きは1時間ちょっと歩き、帰路は
無料で乗れる市内循環バスを利用。往復2時間内のお散歩で、食材などを
買って帰ることもできるので一石二鳥です。

1月はマイナス30℃の日々もあり、寒すぎて日本人のコミュニティの行き
来も控え気味でしたが、節分過ぎた頃から食事やアクティビティへのお誘い
が増えてきました。ポットラックの集まりでは、ついつい食べ過ぎて、それ
が重なるとお正月より体重が増加していて要注意です。

ダウンヒルスキーは年々リフト使用料が値上がっていて、シーズンパスを
持たないとなかなか行けませんが、クロスカントリーはそこら中にトレイル
があるので、だれでも気軽に&無料でランを楽しめます。ただ、エッジのない
スキーを使うので慣れるためのレッスンが必要になります。その点でシニア
にはふかふか雪の上をスノーシューで歩くというアクティビティもあり
こちらはクロスカントリースキーよりうんとハードルが低く、初めての人でも
大いに楽しめ、とても良い有酸素運動になっています。

好天が続き日中の気温が上がると路肩の雪が融けて、夜になると零下になって
また凍る…この時期気を付けなければならないのは凍った路上での転倒事故
です。移住して数年は足元をよく見ずみ歩いていてツルっと滑って転んで
何度か痛い目に遭いました。幸い打ち身程度で骨折は免れ、段々慣れてくると
ここは危ない!と路上の様子が読めるようになり転倒を避けられるようになり
ました。とはいえ、大腿骨骨折や手首骨折をする人は多いらしく、救急外来の
整形外科医は大忙しだとか。明日は我が身、気を付けなければ…。

2週間ほど前、同年代の元気なお友達に誘われて、普段はゴンドラで上がって
いる観光名所サルファー山の山頂へ歩いて登ろうと誘われました。幸い2日前
に新しい雪が10センチほど降ったので、トレイルはとても歩きやすく、ゴン
ドラなら7分で上がれるところを、つづら折りになったトレイルをゆっくり
ペースで2時間10分かけて登り切りました。

頂上にはレストハウスがありショップ、レストランやカフェ、展望デッキから
はバンフの町と360℃パノラマで素晴らしい山々が臨めるので、夏の間は長蛇
の列ができています。バンフが国立公園の中にある町として有名になるにつれ
観光客が増え、ゴンドラの料金もどんどん上がり、今は15年前の倍の70ドル
になっている為、ローカルの人たちはほとんど利用しません。

昔はローカルは運転免許など示せばゴンドラ往復無料で乗せてくれたのですが
それが半額支払いが必要になり、今では年2回のローカルサービスデー以外の
割引はありません。今回歩いて登ったら、下りのゴンドラは無料で乗せてくれ
ましたが、このサービスは残念ながら冬季だけ、夏は下りも有料です。
時間をかけてしんどい思いをして登った後は、快晴の日であればロッキーの
雄大な山々の尾根をほぼ同じ目線で眺められるご褒美付きですから、こんな
ことができるのもローカルの強みなので、また来冬もコンディションの良い日
があればぜひ歩いて登りたいと思います。

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