普通の日々

ごく普通の日々の事

記事中の開業医はどうした?

2006-11-25 23:43:45 | ニュース関連
長期欠勤問題:奈良市元職員の「詐欺」立件見送りへ 県警 (毎日新聞)
【奈良市環境清美部の元職員、中川昌史容疑者(42)=懲戒免職、職務強要容疑で逮捕=の長期欠勤問題で、奈良県警は詐欺容疑の立件を見送る方針を固めた。中川容疑者は病気を理由に00年12月から5年9カ月で8日しか出勤せずに給与2475万円を受け取っているが、医師の診断書が虚偽の内容だったという立証が困難と判断した模様だ。
 中川容疑者は00年12月以降、腰痛や胃かいようなど14の病名で次々と診断書を提出し、計32回の休暇と計2回の休職を繰り返した。県警は中川容疑者が受診した4病院の診断書と病気休暇願のコピー計70枚の任意提出を市から受け調べを進めたが、診断書に虚偽は認められないと判断したとみられる。診断した医師らも、毎日新聞の取材に「病気は事実」と主張した】

 えっ、『病気は事実』?以前、そうじゃないという記事があったんだけど・・・・。
開業医「言いなりに診断書」 奈良市の長期病欠職員 (朝日新聞)
【開業医によると、42歳の職員は2年ほど前から繰り返し訪れるようになり、「神経を使うと下痢をする」「腰が痛い」などと訴え、過敏性大腸炎、胃潰瘍(かいよう)、腰痛の病名で診断書を20通ほど書いたという。
 42歳の職員の態度に威圧感があったといい、「訴えられた症状通りの診断書を作成した」と認めた。
 この病院には約5年前から、市環境清美部の他の複数の職員が診療に訪れるようになった。「それぐらいで休まなくても」と開業医が診断書の作成を拒むと、「しんどいから来てるんや」などと大声で怒鳴りつけられることもあったという。
 開業医は「いやと言えなかった。利用されて反省している」と話している】
記事掲載は10月27日。そろそろリンク先の記事は消えると思います。
 ほらほら、『訴えられた症状通りの診断書』と記事の中に書いてあるじゃない。それに例え『病気は事実』としても、病気休暇・休職が必要なのかどうかという、「症状の程度」というのがあるでしょう?それでも立件見送りなの?・・・・分からんなぁ、この医者は前言を翻したのか?
 市は解放同盟役員としての活動や建設会社の営業活動があったから、給与の自主返還を求める方針を変更せず、給与返還の民事訴訟も視野に入れているらしいけど・・・・これはどうなるんでしょうか?まさか、逃げ切られるんじゃないだろうなぁ・・・・。

市職員、病気療養中のハズが…陸上大会400メートル優勝 (サンケイスポーツ)
【長野県塩尻市の男性職員が、療養休暇中に陸上大会で優勝していたことが24日、分かった。400メートルで優勝して地元紙に名前が出てしまい、同僚らが見つけてビックリ。「練習はしていない」という割には見事な成績だ。市は口頭で注意したが、給料は丸々もらっていることから「税金泥棒!」などと苦情が殺到している】
【市人事課によると、職員は6月下旬、精神的な病気から精神科医の診断書を提出。「食欲がないし気力もない。部屋から出る気もないし、好きな陸上の練習をする気もない」などと説明し半年間の療養休暇を取得した。
 通院しながら療養しているはずが、10月上旬に行われた県の陸上大会にピンピンと参戦。高校生以上の男子400メートルの部に出場し53.7秒で優勝、100メートルは11.9秒で3位。土のグラウンドにもかかわらず、なかなかのタイムをたたき出した。
 おかげで地元紙に名前と記録が出てしまい、同僚らが見つけて「あれ? 病気なのに」と仰天。人事課長らが呼び出したところ、職員は「自宅にいると気がめいる。たまたま大会があったので出た。練習はしていない。二度と誤解を招くことはしない」などと謝罪。人事課は「まわりから見ればふさわしくない」と口頭で注意したという。
 療養休暇中なので基本給は丸々ゲット。問題が発覚してから悪事千里を走り、市には苦情電話が殺到。「処分はどうなっているのか」「注意だけでいいのか」のほか「練習なしでこの記録なら、練習したら五輪に出られる」という皮肉も】

 そりゃ、苦情が殺到するでしょうし、『練習したら五輪に出られる』という皮肉も出るでしょう。虚偽で療養休暇を取得したとしか思えないもん。毎日気力が無い状態が続くかどうかは良く分からないけど、『たまたま大会があったので出た。練習はしていない』という割には成績が見事すぎ、『やはり練習がものをいうし、自分に返ってくるもの』と、レース後に語ったこの前の高橋尚子とは大違いなんだから。
 あくまでこの職員が『練習はしていない』と言い張るなら、練習させて陸上大会に出場させなさいよ。五輪は無理でも高記録が期待出来るんじゃないの?

誰が動けば褒めてくれたんでしょうか?

2006-11-25 22:10:10 | ニュース関連
税金使って絶壁犬救助 これは本当に正しいのか (J-CAST)
【絶壁で身動きが取れなくなった犬を網を使って救助した騒動に、「犬にはセーフティネットがあるのに、人間の弱者にはない」と、評論家の勝谷誠彦さんが自分のウェブ日記で憤っている。動物を助けるのに消防隊が出動するのは珍しくない。過去には「米ソが協力したクジラ大救出劇」も存在する。動物救出のためには税金投入は惜しまない、というのは今も昔も、どこの国でも変わらないようだが】
【新聞各紙の報道によると、この救出劇で「自力での脱出は不可能」という理由でレスキュー隊員20人が出動したが、勝谷さんはこう批判する。
「レスキューは犬を助けるためにいるのか。あの時間に他の出動がなかったからと言う言い訳は成り立たない。出動のために拠点で待機しているというのも大事な仕事だからだ。徳島県民の税金は犬を助けるためにレスキューに支払われているのか」】
【記事冒頭で紹介した勝谷さんの日記は、こんな1文で終わる。
「昨日(編注: 22日)は確かにニュースが少なかった。しかしそういう時こそ虐めの問題などを深堀りして報じるのがメディアの務めではないのか。犬一匹と子供たちの命のどちらが重いのか頭を冷やして考えろ」】

 別に目くじら立てて噛み付く事じゃないでしょう。ああいう場所での救出に必要な能力を持ち、尚且つ特別な費用が発生しないのは、多分公的なレスキュー組織しかないんだから。
 大体この人、そのウェブ日記内で救出活動そのものの是非には触れていないし、では誰が救出すべきだったのかという代案についても一切触れていない。単に消防のレスキューが動いた事と、救出劇を伝え続けたメディアの姿勢を批判しているだけ。批判するだけなら誰にでも出来るっつーの、物書きやコメンテーターなら、もっと別の角度から書けよ。
 まあ、この種のコメンテーターとかいう人達は、行政が救出に動かなかったり、救出が間に合わなかったりしても噛み付くし、レスキュー以外の人達が救出に動いても、何か理由を探して噛み付くんでしょうけど・・・・噛み付くだけのコメンテーターは必要ないよなぁ・・・・。

鑑識結果対刑事のカン?

2006-11-25 20:37:49 | ニュース関連
現場100回 刑事のカン大切 秋田児童殺害2事件、分かれた捜査(産経新聞) - goo ニュース
【秋田県で4月に起きた畠山彩香ちゃん=当時(9)=殺害と10月の進藤諒介ちゃん=同(4)=殺害事件は、ともに遺体に不審点が認められながら、捜査は対照的な方向に進んだ。その差は、遺体と現場の状況の矛盾を徹底して詰めたか、鑑識の結果に合わせたか-から生じた。彩香ちゃん事件では警察犬の追跡地点などを重視し、川への転落場所を誤った。鑑識や科学捜査に引きずられ、刑事の目やカン(経験)が埋没してしまった】
【(1)目立った外傷がない(2)警察犬が彩香ちゃんのにおいを追跡した先の河原に、滑ったような跡が認められた(3)母親の鈴香被告(33)が「河原で遊ぶのが好きだった」と供述した-ことなどが根拠だった。
 しかし、遺体にはこの見方と矛盾する跡があった。6キロも流されれば途中の堰(せき)などに引っかかり、遺体には相当の外傷が認められるはず。だが外傷は少なく、着衣の乱れもほとんどなかった。外傷は少ないのに、頭部が骨折していた。
 遺体と現場の矛盾点は、発見場所からもっと近い地域で突き落とされた可能性を示す“SOS”だったが、置き去りにされた】
【一方、同県大仙市の自宅から約400メートル離れた農業用水路の中で見つかった諒介ちゃんの遺体は、顔に殴られたような傷があり、頭部を骨折していた。肺に用水路の水はほとんどなかった。
 用水路と殴打跡という不整合。水深わずか数センチの用水路で単なる水死は考えにくい。聞き込みで、母親の美香容疑者(31)の虐待情報が浮上した。前日、当日に男と行動していたことなども分かり、早い段階で事件とみた。遺体と現場の矛盾点を大事にし、聞き込みをうまく絡ませた捜査だった】
【■「科学」に埋もれず 点→線→面つなげ
 警察捜査に詳しいジャーナリスト、大谷昭宏さんの話 現在の殺人捜査は携帯電話の電波情報やNシステム(自動ナンバー読み取りシステム)、そしてDNA鑑定をはじめとする科学捜査が大きな武器になっているが、あくまで二次的な手段だということを忘れてはいけない。
 確かに携帯の電波が示す位置情報や通話記録、N情報は貴重な事実をもたらす場合が多いが、断片的な事実はそれだけでは何も語らない。「点」を結びつけて「線」にし、「面」にして、事件の筋と容疑者を割り出していくのはあくまで刑事たちの目やカンだ。もの言わぬ事実に、頭脳と経験を駆使して光を当て、雄弁に事件を語らせることこそが刑事の力量。
 刑事たちが「科学」に埋没してしまったマイナス面が出た象徴的なケースが、藤里町の彩香ちゃんの事件ではないだろうか】

 違うだろう、この二つの事件の差は『遺体と現場の矛盾点』にどう対応したかの差だ。それに発生した順番の違いも大きいだろう、秋田県警も間違いを繰り返す訳にはいかないんだから。『刑事の目やカン』で結果に違いが出た訳じゃないぞ。どうしてマスコミも大谷もそっちに話を持っていかないのかね、それが不思議。大体、『刑事の目やカン』というのは誤認逮捕の最大の要因だろう。それを捜査に最も重要みたいに書いてどうする?
 『刑事の目やカン』で逮捕したら、裏付け捜査で誤認逮捕と判った事例が幾つもある。更に酷いのになると捜査で得た情報を捻じ曲げて裁判に持ち込んだものの、判決直前で別の警察に逮捕されていた真犯人が事件を自白、検察が裁判で無罪論告をするという異常事態になりながら、当時の捜査関係者が今でも適正な捜査と言い張っている事例もあるんだぞ。『刑事の目やカン』もある程度は必要だろうが、重要なのは捜査員の勝手な思い込みの排除と、鑑識結果や捜査で得た情報を適切に判断する能力じゃないのか?

 誤認逮捕の時は批判するくせに、今回は『刑事の目やカン』を持ち上げる。論調を統一しろや、マスコミ。