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鑑識結果対刑事のカン?

2006-11-25 20:37:49 | ニュース関連
現場100回 刑事のカン大切 秋田児童殺害2事件、分かれた捜査(産経新聞) - goo ニュース
【秋田県で4月に起きた畠山彩香ちゃん=当時(9)=殺害と10月の進藤諒介ちゃん=同(4)=殺害事件は、ともに遺体に不審点が認められながら、捜査は対照的な方向に進んだ。その差は、遺体と現場の状況の矛盾を徹底して詰めたか、鑑識の結果に合わせたか-から生じた。彩香ちゃん事件では警察犬の追跡地点などを重視し、川への転落場所を誤った。鑑識や科学捜査に引きずられ、刑事の目やカン(経験)が埋没してしまった】
【(1)目立った外傷がない(2)警察犬が彩香ちゃんのにおいを追跡した先の河原に、滑ったような跡が認められた(3)母親の鈴香被告(33)が「河原で遊ぶのが好きだった」と供述した-ことなどが根拠だった。
 しかし、遺体にはこの見方と矛盾する跡があった。6キロも流されれば途中の堰(せき)などに引っかかり、遺体には相当の外傷が認められるはず。だが外傷は少なく、着衣の乱れもほとんどなかった。外傷は少ないのに、頭部が骨折していた。
 遺体と現場の矛盾点は、発見場所からもっと近い地域で突き落とされた可能性を示す“SOS”だったが、置き去りにされた】
【一方、同県大仙市の自宅から約400メートル離れた農業用水路の中で見つかった諒介ちゃんの遺体は、顔に殴られたような傷があり、頭部を骨折していた。肺に用水路の水はほとんどなかった。
 用水路と殴打跡という不整合。水深わずか数センチの用水路で単なる水死は考えにくい。聞き込みで、母親の美香容疑者(31)の虐待情報が浮上した。前日、当日に男と行動していたことなども分かり、早い段階で事件とみた。遺体と現場の矛盾点を大事にし、聞き込みをうまく絡ませた捜査だった】
【■「科学」に埋もれず 点→線→面つなげ
 警察捜査に詳しいジャーナリスト、大谷昭宏さんの話 現在の殺人捜査は携帯電話の電波情報やNシステム(自動ナンバー読み取りシステム)、そしてDNA鑑定をはじめとする科学捜査が大きな武器になっているが、あくまで二次的な手段だということを忘れてはいけない。
 確かに携帯の電波が示す位置情報や通話記録、N情報は貴重な事実をもたらす場合が多いが、断片的な事実はそれだけでは何も語らない。「点」を結びつけて「線」にし、「面」にして、事件の筋と容疑者を割り出していくのはあくまで刑事たちの目やカンだ。もの言わぬ事実に、頭脳と経験を駆使して光を当て、雄弁に事件を語らせることこそが刑事の力量。
 刑事たちが「科学」に埋没してしまったマイナス面が出た象徴的なケースが、藤里町の彩香ちゃんの事件ではないだろうか】

 違うだろう、この二つの事件の差は『遺体と現場の矛盾点』にどう対応したかの差だ。それに発生した順番の違いも大きいだろう、秋田県警も間違いを繰り返す訳にはいかないんだから。『刑事の目やカン』で結果に違いが出た訳じゃないぞ。どうしてマスコミも大谷もそっちに話を持っていかないのかね、それが不思議。大体、『刑事の目やカン』というのは誤認逮捕の最大の要因だろう。それを捜査に最も重要みたいに書いてどうする?
 『刑事の目やカン』で逮捕したら、裏付け捜査で誤認逮捕と判った事例が幾つもある。更に酷いのになると捜査で得た情報を捻じ曲げて裁判に持ち込んだものの、判決直前で別の警察に逮捕されていた真犯人が事件を自白、検察が裁判で無罪論告をするという異常事態になりながら、当時の捜査関係者が今でも適正な捜査と言い張っている事例もあるんだぞ。『刑事の目やカン』もある程度は必要だろうが、重要なのは捜査員の勝手な思い込みの排除と、鑑識結果や捜査で得た情報を適切に判断する能力じゃないのか?

 誤認逮捕の時は批判するくせに、今回は『刑事の目やカン』を持ち上げる。論調を統一しろや、マスコミ。


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