【身分帳】 著・佐木隆三
こちらも図書館から借りた本。
役所広治さん主演の映画、「すばらしき世界」の原案となった著作。
実在の人物がモデルになっているそう。
人生のほとんどを刑務所で過ごした主人公が、
出所して更生して行く姿が描かれた物語。
物語の途中、出生から生い立ち、
犯罪を犯して少年院や刑務所に収容される顛末やら、
おそらく身分帳に実際書かれていたことが、
表現されているのだと思う。
深い、ただただ、深い。
環境が整ったところで育っていたなら、
違った人生を歩めただろうとも思うし、
紙一重のところで、この主人公にもなりうるとも思えるし。
映画では、
「大事なのは誰かとつながりを持って、社会から孤立しないこと」
そんなセリフが大きな意味を持っているけれど、
本著の中で印象的なのは、ケースワーカーの言葉。
「自分を取り巻くあらゆるものに接点を持とうとするから大変になる」
(必要ない物は切り捨てないと、大変になる)
相反する内容にも取れる。
でも、社会とのかかわりをバランスよく保つことが、
賢い生き方なんだと、通じているように思う。
さて、あの変な夢のあと、映画「すばらしき世界」を観に行きましたよ。
原案とは言え、本著に忠実です。
そして、映画は目が離せない展開です。
後半は、主人公の男が幸せに暮らせるよう祈っていました。
私は、観てから読むことをお薦めします。
@ふると
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